年末に帰省した時、
母にマスターコースのある宿題を手伝ってもらった。
(ざくっと言うと、
めげそうになるくらいたくさんの質問に答えてもらって、書きとるの。)
笑いながら一生懸命に答えてくれていたお母さんが、
途中で泣き出した。
そのとき、私はどうして泣いてるのか聞けなくて。
お母さんも、なんでもないように続けて答えてたから、
そのまま最後まで質問を続けた。
後日、東京に戻ってきてからも、
やっぱりあの時のお母さんの涙のわけが気になって、
電話して聞いてみた。
あのとき、どうして泣いたの?
―ん。忘れちゃったけど・・・
昔、あやちゃんに、ピアノばかりじゃなくて、
もっといろんなことをさせてあげればよかった、と思ったら
泣けちゃった。
そんなようなことだったと思う。
わたし、なんとなくそんな気がしていた。
で、お母さんにそのお返事をもらったときも、
そっかぁ。そうだったんだね。
教えてくれてありがとう。
しか言えなかった。
本当は言いたい言葉をもってたのに。
*****
それから数日たった9日の新春午餐音楽会 。
音楽会が終わり、
ささやかな打ち上げと称した2次会で、
ある方からリクエストをもらった。
『お母さんの歌が聴きたかった。』
それは、母との思い出を歌った
切なくて優しい歌のことだった。
この歌を以前音楽会で歌ってくれたIさんは
2次会に参加してなかったから、
即興でピアノソロにアレンジして演奏した。
私も大好きなこの歌。
歌ってあげられたらいいんだけど
って思いながら。
だけどね、
リクエストくださった方には、
ピアノ演奏だけで
その歌の心が伝わった。
弾き終わると、
二人で泣いてハグしながら、
何度も何度も
「ありがとう」と言い合った。
私にとって
心がふるえる嬉しい体験だった。
同時に、
母への感謝がわきあがってとまらなくなった。
私ね。
こどものときにピアノばかりをやっていたことで
寂しい思いや辛い思いをしたけど、
あの時の頑張りがあったからこそ
今こうして楽しくピアノを弾くことができるようになった。
だから、
今の私の幸せは母のおかげだと思ってるの。
だけどね。
そんな言葉だけじゃ、まだ足りないくらいの感謝がわきおこってきてしまって
感情の波に流されてしまうんじゃないかっていうくらいだった。
たまらなくなって、
母に電話した。
おかあさん。
この前、お母さんは昔のことを後悔してるように言ってたけどね、
お母さんが厳しくしてきてくれたおかげで、
私、今日こんなに幸せな体験ができたんだよ。
おかあさんのおかげ。
後悔なんてしないでね。
ありがとう。
おかあさん。
ようやく。
ちゃんと ありがとうが言えたよ。
この時のリクエストされた歌。
どうしてもまた弾きたくなってしまったので、
2月の神戸三ノ宮ライブでもやるよ♪
わたし、弾きながら泣いちゃうかも(笑)
