いまさら読んでみた「よつばと!」 | 生きてる缶詰

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※絵は本編と関係ありません。
恵那が太陽エネルギーは凄いと よつばに説いてる場面を想定してみた。
こんなネタは本編には無いですwww また描き直すかも。
(6/28修正)
 
以下本編感想ネタバレ有り。
 
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よつばと!⑫巻 キャンプにいく回
 
■やっと⑫巻まで全部読み終わった。
キャンプの話は風合いがいつもと違う。
そもそも、キャンプに行きたいと言い出した子は居ない。
とうちゃん・ジャンボが、あぁ行きたいなぁ、、、と言い出し、以前は△行ったじゃん。今度は○へ、、、
なんてシーンも無かったし、よつばも恵那もみうらも自分から頼んだわけじゃない。何時の間にか裏で進行してる。
子供にとってレジャーってのはそんなものだが、大人たちが何時の間にか企画し、各家庭間で連絡し合って準備を進めてきたわけだろう。
それまでの回で伏線は幾つも有ったが、起承転結の承からいきなり始まる妙な印象。
 
主人公よつばの動機→準備→挑戦→失敗→大人の協力→じたばた→成功までの過程を、丁寧な感情描写で見せていく、、、このパターンは「セミとり」(①巻)の回からみられたが今回はそれが無い。
 
各所のレビュー欄で、この回が最終回に思えたっていう意見が多い。
これは各キャラクターの心理や性格の具体描写より、キャンプの情景描写を優先させてたからだろうと思う。
これに先の(ひと事感)が加味されて、なんとなく我々読者は傍観者となる。
作者の実験だろうか。
 
■ラストの朝の空気感や、夜歯磨きに行く場面などの自然描写がいい。
このあたりは日常生活の中じゃ描けないし、ここでこその場面。台風の回(⑧巻)にも匹敵する丁寧さ。
 
■今回よつばにとって初めてのテント就寝。いつもと違う寝床。
仲良しの友達3人同士とはいえ、隣にとうちゃんが居ないことが急に不安になり よつばは夜泣きし始める。
この描写が実にキタ、、、僕が個人的に「よつばと!」で一番観たいのが こういうリアル。
よつばがジュラルミンをお迎えした時期辺りからか、時折年齢退行してるような描写が見られる(気がする)
リアルな描写に移行したが故だろうか。
この、成長期ゆえの不安定さを もっと見たい。
 
■恵那はペンダント材料を準備してたとこと・テント張り以外あまり目立つ事も無し。
カレー作りの際服が汚れてしまい、もう上の空。あのネコ目の本気モード無し。
釣りに行った回(④巻)や、よつばを何故か必死にエスコートしてた気球見学の回(⑨巻)より大人し目。
むしろ みうらちゃんの手際の良さが意外ww
 
■ところで、よつばはカラス除けの目玉柄を極端に怖がる。
何かのトラウマが有るのは間違いないし、それがよつばの出生や小岩井との出会いにまで関連する重要な伏線だろうと当然読者は思う。
初期の巻であんなに何度も描いてるんだから、いずれ詳しく理由が描かれることになろう。と。
今回、みうらは目玉柄のフリスビーを持ってきてた。
かつて目の玉花子に変装してよつばをパニックさせた張本人がだ。
みうらは其れで弄る事も無く、よつばも何の躊躇も無くフリスビーに飛びついた。
なぜだ。
 
■もうひとつ不思議に思うのは、小岩井父と綾瀬父同士の会話が今まで一度も描かれていない点。
これだけ濃密に付き合ってる者の世帯主同士、1~2度くらいは有るはずなんだけど。
今回は玄関先で初めて出会ってるが、同士の会話が無かった。
綾瀬氏にとって一番可愛いはずの 父想いの賢い末娘をキャンプに送りだす大事な時にもかかわらず。
なぜだ。
 
■最後の朝の場面で やんだの瞼、描き忘れてましたね。油性マジックできのう書いたやつ。
なぜだ。

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よつばと!⑥巻 はいたつで頑張る回
 
1000円牛乳をひとりだけ飲めなかった風香。
気の毒に思って、大好きな風香にコレを届けてやらねば、、、よつばの中の任侠心が斜め上にスパークする一篇。
ベタだけど終わり方も筋が通ってて、いちおう良い話だったって事でw
 
ラストでとうちゃんが「綾瀬家に預けとけばよかったじゃん(ゴツン)」 よつば(; ゚Д゚ )
、、、って〆ればただのギャグ漫画になってたろう。
しかし「よつばと!」は子供のトライ&エラーを描くのが主軸の一つだろうから。
冒険イベント+しつけを描くために ああいう展開にしたんだろうな。
 
子供が誰かのために痛い思いを我慢する話は心臓にクル。

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よつばと!⑫巻 ちょうちょ結びの回
 
「よつばと!」登場人物中、一番自分に近いのは うどん屋のおやじか、虎子だ。
言葉が足りない者は何か別の方法で伝えようとする。おやじはうどんで。虎子は写真で。僕は絵。
 
表現が不器用な虎子。
この人は傍観者でいたいんだろうが、毎回よつばが寄り付いて来る為に手こづる事となる。
折りたたみ自転車の説明で(⑥巻)あさぎに いじられるのも面白かった。
あの時は言葉で伝えられない分、やってみせてた。
今回も よつばに時計の読み方を上手く説明できない虎子。
長針の単位は「分」で、あの細かい目盛で数える云々、、、とか言っても解らないだろうし
スマートに喋れない自分への自己嫌悪もあったのか、少し凹む。
 
その後ちょうちょ結びを教える事になるんだが、ここからがすごく良い。
よつばの手を取り根気強く説明する虎子に母親の幻影を見る。
つくつくぼうしの回(④巻)で姿形がどう違うか教えるのを面倒がり「セミだよセミ」と片づけてたあさぎとは対照的だ。
このあさぎと虎子の対比描写が毎度うまいなぁと思う。
温暖化した地球を冷気で冷やすから、クーラーは良い物なんだよとよつばを丸め込むあさぎの話があったっけか。
そんな能力は虎子には無い。
 
最後のよつばの台詞「やったぁ」は虎子の表情に被せてある。普通ならよつばの表情に被せるだろう。
これは虎子の中の台詞でもあるからだ。
どうにか導くことが出来た自分自身へのやったぁ でもあろうか。
この回は⑫巻で一番好きだった。