お久しぶりです!

この数週間爆裂に忙しくてブログは書けないわ、装置作りは進まないわでもう大変でした

30代半ばに差し掛かると仕事も家庭も多忙極まりますな。。

おまけに体力も落ち始めるし。。



とはいえ多忙のピークを抜けてつかの間の緩い日々が訪れました

この隙を逃すまいとブログを書くことにします



前回記事では、風洞の部品となるアクリル板の図面におこし、アクリル板加工業者に発注するところまで記事にしました


今回はその続きです


  アクリル板が届く!

図面を描いて、業者に送り、見積りからの発注

開発職やってたときもこんな感じだったなぁ、となんだか感慨深くなりました


そして数日後、品物を受領!

「アクリルショップ はざいや」さん

迅速かつ丁寧でいい仕事されます

↓こんな感じで届きました


表面に保護フィルムが貼ってあります

なのでこの時点では茶色い板に見えますが、

組立時に剥がします


いやぁ

やっぱりモノが目の前に届くと、妄想が具現化されたような感覚になりますな

構想を練り始めてから半年近く経って、ようやく形ができ始めた訳です

少し感動しました


  仮組み

とはいえこのままではただの板でしかありません

とりあえず完成イメージを持つために、各板を接着せず仮組みしました

仮組みといっても、単に箱状に板を立てて並べただけですが、こんな感じになります



本組みの際には、各板を接着固定します
さて一般的にアクリル板の接着には、専用の先着材を使うことになります
↓こんなの

ただこれ、有機溶剤系の接着剤なんですよね
いわゆるプラモの接着剤みたいなのかなと(詳しくないから知らんけど)

業者発注前の、図面を描いてる段階からこの点は悩みどころでした
1歳になったばかりの娘のことを思うと、あまり溶剤接着剤を自宅に置いておきたくないなぁ
という事情があるのです…


どうしたもんかと悩んでいたのですが、ふと「そういえば修士のころ強力な両面テープを色々と活用したな」ということを思い出しました

その視点でAmazonを漁ってみると、良さげなものがあるではないか
これで各板をペタペタと貼っていこう!


ただ両面テープの場合当然テープの厚みがあります
なので、テープの厚み分を考慮して風洞の内寸が当初の計画通りになるよう図面を描いておきました


  いよいよ本組み

さて、いよいよ本組みです
まずは両面テープを各板の接着面の大きさに合わせて細長く切ります

そして各板のフィルムを剥がし、板の端面(接着面)に両面テープを貼り付けて、板同士をペタペタペタと貼り合わせます
段々箱(筒)っぽくなっていきます


  整流装置を載せる

おっと大事なものを忘ていました(実際は忘れていません)


風洞の中には、整流装置を設置します
整流装置とは、乱れた空気の流れを整える(整流する)装置です
装置というかフィルターみたいなものですね

今回の実験装置は、DCファンで風洞内に空気を引き込みます
つまりファンの回転によって空気を引き込むわけです
すると、風洞内に引き込まれた空気は、旋回するような流れになります
綺麗に真っ直ぐ流れる流れを"層流"と呼びます
対して、真っ直ぐではなく、蛇行したり渦を巻いたり、旋回したり、ランダムに乱れた流れを"乱流"と呼びます

試験体には出来るだけ層流となった空気をぶつけたいのです
というのも、今回の試験(振動発電)で扱う振動は少し特殊な振動なので、振動を発生させること自体に工夫が必要です
乱流の場合再現性が低下することから、あまり好ましくありません
このため、風洞内に整流装置を配置して乱流を整流する必要があるのです

さて上述したように、整流装置はまぁ特殊用途品です
Amazonで市販されているような汎用物ではありません
市販品として探したところで、電子部品の整流器(交流を直流化する回路を組み込んだ機器)しか出てこないのです

基本的には専門業者へ発注する一品制作ものになります
一般的な整流装置は、ハニカム構造にメッシュを貼り付けたようなものになります
ハニカム構造ってものとして結構精密なものなので高くなるんですよね…
整流装置そのものでなく、単にハニカム構造だけをどこかで入手しようとしても結構値がはります

でもね、整流装置は自作できるんですよ
整流装置の自作には色々と手法があると思いますが、ここではストローを使って作ることにします

ストローを使った整流装置はネットで調べればちょくちょく情報が出てきます
どこかにちゃんと整流効果を証明した論文もあったはずです(出典不明な状態でごめんなさい)
修士時代もストロー整流装置を自作して使ってました

  整流装置を作る

ということで、突然な流れですが整流装置を作ります

突然といいつつも実は必然なのです

というのも、風洞内に整流装置を置く訳です

整流装置はフィルターみたいなもんです

風洞内に入り込む空気が全て整流装置を通過してもらわねばなりません

ということは、風洞内の開口断面をみっちり埋めるような状態にしなければならないのです

つまり、風洞の組み立てた後に風洞の外から中に整流装置を入れ込むようなことはできません

となると必然的に、風洞の組み立て段階で、風洞内部に整流装置を作り込むことになります


というわけで、整流装置に使うストローを準備しました
今回は風洞の開口断面が小さい(30mm×30mm)ので、できるだけ径の小さいストローを探します
といってもストロー選びなんぞに費用と手間をかけたくありません
すたこらさっさと近所の百均へ行き「この店で1番小さいもの(ストロー)を…」と定員さんにオーダーしたりせず、自分で物色
そして発見!これぞまさしく百均のストロー!



くぅーいいプラッチック(おじさんの発音)感です


透明なアクリル筒内に配置するので、シンプルな見た目がいいのです

できれば単色が良かったのですが、こんなアラカルト的なやつしかありませんでした

仕方ないのでこの中から単色のストローを選んで使うことにします



さてこのストロー、内外径のどちらかわかりませんが、半径4mm(多分外径4mm?)だそうです

風洞の開口面積は30×30mmなので、横に7本並べるとほぼピッタリになります

計算上両端に1mmずつ隙間ができるはずでが、ストローの撓み等で案外ピッタリです

7本一列として、この列を上に積んでいってもいいのですが、そうするとストロー同士の隙間が大きくなります

上述したように本来ハニカム構造が好ましいので、ストロー同士の隙間は極力なくしたい

ということで、7本の列と、6本の列とを交互に並べます

すると、7本のストロー列に対して、それぞれのストロー同士の隙間にはまり込むように6本のストロー列を配置できます

格子状の配列ともいえるでしょうか

縦も横も同寸法なので、横6〜7本、縦7本分ストローが並びます



ということは、40〜50本のストローを使うことになります

このままでは長すぎるので、長さ30mmで切ります

そこそこな精度で50本ストローを切るの、めんどくせぇ…

と思いながらちまちまちまちま。。

するとついうっかり…


ぎゃーす!!!


袋ごと落としてしまい、床にストローをぶちまけてしまいました…

あぁめんどくせぇ……

なったストローを一列に並べ、両面テープ(アクリル用とは別の一般的な薄っぺらいやつ)で固定します


そして1時間ほどかけて、こんな感じに↓(まだ天面を接着していない状態です)



斜めから見ると、↓こんな感じ
写り込んだキーボードの大きさから、サイズ感も伝わるかな…






そして整流装置とは反対側にDCファンを配置して、天面を接着!

そしてついに風洞完成!↓


ところどころスリットを入れていますが、これはおいおい説明します



いやー!感動ですな

やっとここまできました


さて次は、頓挫している風速計作りの続きです!

実はソフト面もハード面も、風速計完成してます!

風速計作り、結構大変でした…


ですが、今回はここまで!

では!また!