黒川 零SIDE
ピピピッ....。ピピピ.....。
「うぅん・・・朝・・・か。」
煩く鳴り響く目覚まし時計を止め、大きな伸びをし、ベッドから立ち上がる。
時計を見ると、午前6時半を指していた。
とりあえず、着替えを済ませ、一階のリビングに降りていった。
一階のリビングでは、母の梓が台所に立ち、朝ご飯を作っていた。
「母さん、おはよう。」
「あら・・・・零ね。おはよう。」
僕の挨拶に対し、母は料理から手が離せないのか僕に背を向け、とても、穏やかな声で返してくれた。
すると、母は続けて・・・
「ねぇ、零。怜奈、起きてる?」
今度は、ちゃんと後ろを向き僕の目を見て言った。
「いや・・・・・起きてないと思うよ。起こしてこようか?」
まだ起きていないのか、世話の焼ける妹だ。
「いいえ、大丈夫よ。7時になったら、私が起こしてくるわ。それよりパ・・・・・お父さん、起こして来てくれる?」
いま、パパって言おうとしたよね!?
「してないわ」
あっあれ?心の声漏れてます?まぁ、いいや。
「わかったよ。」
と、言い。一階の寝室に向かった。
ゆっくり寝室のドアを開けると、パ・・・父さんは寝相が悪いのか、
半分落ちかけるような体制で寝ていた。半分、床・半分ベッドで。
どう起こそうか。
1、蹴る
2、見つめる
3、落とす
4、普通に起こす
5、耳もとで叫ぶ
う~ん・・・1、2、5は無いとして・・・やっぱ、4か。
「父さん、起きて。朝だよ。」
「・・・・・・うぅん・・・」
おぉ、見事に起きない。
じゃあ、・・・3を試すか。
僕は、ゆっくり父さんを床へと押す。
どすんっ!!と大きな音をたてて床へ落ちる父さん。
「あ?う~ん・・・・」
と、声を上げ起き上がってきた。その前に仁王立ちをする、僕。
「おはよう、父さん。朝だよ。今日、早いんでしょ?」
と、笑みを浮かべ言う僕。
「おぉ!零か。おはよう、おぉ!!今日は早いんだっうあ!?」
父さんがこけた。もう、慌てるから。
「べっ、別に慌ててないぞ!?」
「何!?まさか、僕の両親って超能力者!?笑えないよ!?」
そう僕が叫ぶと、着替え途中の父さんがムカつく程のドヤ顔で。
「いやいや、零は顔に感情が出やすいんだよ」
何だと!?というか、着替えながらドヤ顔で言わないでよ。
「・・・・もう、いいよ」
寝室を後にした。
「母さん、父さん起きたよ。」
「あら、そう。朝ご飯出来てるわよ。あ、あと何か凄い音がしたけど
・・・・大丈夫?」
「・・・そう?何でもないよ。」
「まぁ、いいわ。早くご飯食べちゃいなさい。冷めちゃうわ。」
リビングに戻ると、朝ご飯が出来ており、ちなみに時刻は
6時48分。テーブルには、僕と妹と弟と父さんと母さんの分
の朝ご飯が置かれており、椅子には、なぁんと、双子の妹の怜奈と二つ下の弟の俊が座っていた。
「怜奈も俊も、珍しいね。早くから起きるなんて」
笑顔で言うと、俊はまだ、眠いのか目を擦りながら、
「・・・兄ちゃんが、起きるの早すぎなんだよ。」
「そうよ。零が早すぎるのよ。7時に起きても十分、間に合う
じゃない。」
う~ん・・・・。そう言われてもなぁ。
「癖なんだから、しょうがないだろ。」
といい、ご飯を食べる。怜奈達も渋々食べ始める。
父さんと母さんも椅子に座り、食べ始める。