璃花side






午前中の退屈な授業が終わりやっと昼休み






今日は特別な日。
週に1度のお弁当の日





学校全体の行事ではなく、私と美青ちゃんだけの特別な行事なのである
そう。週の真ん中水曜日に私が彼女である美青ちゃんに愛のこもったお弁当を作ってくる、それがお弁当の日!






最近は気温が高く水曜日は美青ちゃんは4時間目に体育があるので夏バテしないようなお弁当作りを心がけて作っている!







中「璃花今日機嫌いいね」







璃「え?そう?」







中「え、そう?とか言いながらニヤニヤしてるけど笑」







璃「だって今日はお弁当の日だもん〜」
「美青ちゃん喜んでくれるといいなぁ〜」







中「美青は璃花のお弁当ならなんでも喜ぶと思うけどね笑」







璃「そうかなぁ?」
「あっ、時間だ!渡してくるね!」







中「は〜い」







私と美青ちゃんはクラスが違うので美青ちゃんのクラスまでお弁当を届けに行く







璃「美青ちゃん〜」







美青ちゃんの席は1番後ろの窓側から2番目
そして美青ちゃんはいつもその席からにこにこでお弁当を受け取りに来る







しかし、、







璃「みお、ちゃん、?」







女子1「ねぇー美青ー一緒に購買行こうよーー」







女子2「そーだよ早く行かないと人気のパン売り切れちゃうよ?」







女子3「購買行くついでにパックジュース買ってこよ!」







的「いや、私お弁当あるんだって笑」







女子1「後で食べればいいじゃんー」







的「今食べたいんだってばー笑」







女子2「ねぇーお願い一緒に行こ!」








なにあれ
手なんて握っちゃってさ、





断ってるくせに顔はにこにこじゃん
そうだよね私のお弁当よりみんなと購買行く方がいいよね
楽しいもんね、





そっと持っていたお弁当を後ろに隠して自分のクラスに戻った。









中「おかえり〜早かったね?今日は一緒に食べてこなかったの?」







璃「美青ちゃん今日はお弁当の気分じゃないみたい、笑」







中「え、美青にそんな日があるの」







璃「どーしよっかなこのお弁当…」







中「私まだまだ食べれるから食べようか?ほら、あと純葉とか呼んでさ」







璃「うん。そうする、、」







隣のクラスからいとちゃんを呼んで3人でお弁当を食べることに




美青ちゃん今頃購買で楽しんでるのかなぁ…







純「うわ、うま!!なにこれ天才やん!!!」







中「何気に璃花のお弁当初めて食べたけどめっちゃ美味しい!」







璃「ほんと?良かったぁ〜」







2人には申し訳ないけど
ほんとは美青ちゃんに食べて欲しかったな、







純「ってか、美青どうしたんだろうね彼女のお弁当食べないなんて」







中「具合悪そうだったの?」








璃「いや、そーいうんじゃないというか…」







純「ん、なんか事情がありそうだね」
「なんでも言ってみな!お姉さん達が解決してあげるから!」







中「純葉同級生やん笑」
「けど、璃花何かあったならいいなよ?」








璃「実は…」







美青ちゃんのクラスで見たこと聞いたこと全て2人に話した








純「はぁぁぁぁ?なんでキッパリ断らないの美青」







中「え、じゃあ今璃花のお弁当食べずに購買のパン食べてるの?!」







璃「たぶん、?」







中「えーまじか、美青ってそんな感じなのか」







純「もっと一途なのかと思ってたね」







璃「いや、美青ちゃんは一途だよ?」







中「結構信じ難いけどそれ笑」







この2人がいてくれて良かった
あの光景を見た時正直泣きそうになっていた。逃げなきゃって思ってゆづのところに走って帰った








3人で楽しくお弁当を食べていると、、









的「なんで2人が璃花のお弁当食べてるの」








璃「え…美青ちゃん、」







的「意味わかんない。今日お弁当の日じゃん、なんで違う子にお弁当作ってきてるの」








純「いや、それは美青が…」







的「ねぇ璃花なんで?」






まるで私が悪いかのように問い詰めて来る美青ちゃん
悪いのは全部美青ちゃんなのに…美青ちゃんのせいなのに…






そう思った時には涙を流して教室を飛び出していた








的「璃花!!」







美青ちゃんが呼ぶ声が聞こえたけどそんなのどうでもいい
今は一緒に居ちゃだめな気がする






というか恥ずかしい
ただ友達と購買に行っただけなのに嫉妬してムキになって泣いて出ていったなんて恥ずかしすぎる








無我夢中で走っていて気づいたら屋上まで着いてしまった








璃「はぁ、、何やってんだろ自分…」







私と美青ちゃんが付き合ったのはほんの数ヶ月前。
入学式の時に私が一目惚れしたのがきっかけで、積極的に廊下や下駄箱で声をかけ続け連絡先を交換して仲良くなった。



初めて美青ちゃんがお家に遊びに来た時に手料理を褒めてくれてそれからお弁当の日ができた
毎週美味しそうに食べてくれる美青ちゃんが大好きで、幸せで嬉しかった




なのに今日はその美青ちゃんが見れない
私といる時より楽しそうに友達と話していた







嫉妬した
本当に嫉妬した
あんなので嫉妬するなんて重い女だって思われるかもしれない…
嫌われるかもしれない…






璃「美青ちゃんに謝らないとな…」







そう呟いた瞬間…








的「璃花!!」






屋上の入口には、はぁはぁと息切れして勢いよく扉を開けた美青ちゃんが立っていた
片手には私が美青ちゃんのために買った水色のお弁当を持っていた







璃「美青ちゃん…」
「あの、急にごめ…」







的「ごめん!!!!!」







璃「え、?」








的「純葉達から全部聞いた。本当にごめん」
「購買誘われたのにすぐ断らなくて、璃花に嫌な思いさせたよね、、」







璃「いや、私こそ仲良くしてるだけなのに嫉妬なんかしてごめんね、困らせたよね」







的「ううん、全く困ってないよ」
「これ、2人から少し分けてもらって食べたよ。今日のお弁当もすっごく美味しかった」







璃「ほんと、?」








的「うん!この世で1番美味しいお弁当だった!」








璃「じゃあ来週はちゃんと食べてくれる?」








的「もちろん!いっぱい食べるよ!」







璃「じゃあさ約束ってことで手繋いで?」







的「え、繋ぐ。もちろん繋ぐよ!」








璃「美青ちゃん大好き!」








的「私も璃花のこと大好きだよ」








その日は2人で手を繋いで屋上で残っていたお弁当を食べながらお昼休みを過ごした










Fin






-おまけ-





中「戻ってこないね」







純「え、どうする?今頃殴り合いとかしてたら」







中「なんでそんな物騒なこと考えるわけ笑」







純「てか、いとは卵焼き食べかけだったんだけど」







中「私もハンバーグまだ食べきってなかった」







純「ゆーづも作ってよいとはにお弁当」







中「え、絶対やだ。めんどい」