リサside






ふーちゃんと交代しこばの家を後にした

ゆっくり考え事しながら家に向かう







こばは今、幸せかな…

楽しんでるかな







でも私が見る限りニコニコしてるし私がいなくても大丈夫なんだろうな






別れを切り出した時だって小声でボソッと何か言われ少しの沈黙はあったもののすぐにわかったとだけ言われた







こばに私は必要なかったのかもしれないと思った








「私ばっかり好きだったのかな…」








別れているのに今更自信をなくし虚しくなった







近くに公園があったのでそこでジュースを買いベンチに座る







この公園こばと寄ったっけ(笑)

コンビニでお菓子やら肉まん買って色んな話しながら2人で食べたっけ(笑)







泣いたり笑ったり色んな感情共有してたなぁ







「さっ!!帰ろっと」






私は再び家までの道のりを歩く






「…サ」





「ん?気のせい?」





「ハァハァ…リサ…」




辺りを見渡して声のする方に目を向けたらこばがいた





自分の膝に手をついて立っているのがやっとなこばに駆け寄る






「こばっ!!なんで!!それよりも熱!!また上がってるじゃん!!とりあえず帰ろ」





「リサ、ごめんね。何も知らずに酷いことばっかり言って…」





「全然話が読めないけど、とりあえずもう喋らないで熱が悪化するから!!」






私は急いでふーちゃんに電話する







「今すぐ近くの公園に来て!!こばが死んじゃう!!」





「えっ!!どうゆうこと!?」





「いいから急いできて!!」






私はパニックになりふーちゃんに強く当たってしまった






「私死なないから(笑)まだやりたいこといっぱいあるし(笑)」





そんな私を見ながらこばは冷静に突っ込んでくる

熱のせいでほっぺが赤くニコッと笑うこばが可愛い






やっぱり好きだなぁ

とりあえずふーちゃんがくるまでベンチに座る





呼吸が荒いこば





「こば、私の膝に寝ていいよ」





「ここ外だからそれは恥ずかしい」





「じゃあ私の肩に頭のせて」





「重いからこのままで大丈夫」







こばはこうゆう人だった

私は強引に自分の肩にこばの頭を乗せる






しばらくしたらふーちゃんが走ってきた






「走るの遅っ(笑)」





「これでも全力疾走!!ゆいぽん辛そう」





「さっきまで話せてたんだけどもう返事も返ってこないくらい辛そうなの…急いで家まで運ぶの手伝って」





「了解!!急ごっか!!」







私とふーちゃんでなんとかこばの家にこばを連れて帰りベッドへ寝かせた






「ねぇこばになんか言った?」





「…ごめん、話しちゃった」





「なんで!!」





「ゆいぽんの圧に負けた。怖かったんだもん」





「ウソだって言うしかないかな…」





「リサもうやめない?ゆいぽんは隠される事望んでないよ。ホントの事言って欲しいと思う。ちゃんと話した方がいい。お互いの為にも」





「でも…私はこばが大事。自分よりも。だから…」





「だからこそだよ。今の方がよっぽど傷ついてると思うよ。リサ見ててわかんない!?ゆいぽん笑顔減ったよ」





「ウソだよ…こばは私といる時よりも笑ってる」





「それは無理してだよ!!」







ホントは気付いてた

こばの笑顔が作っているものだということに

私は見て見ぬふりをしていただけ

こばの近くにいる資格を自分からなくしたから今更何を言えるはずもない






「リサもう逃げないで向き合いなよ!!まだ好きなら尚更。私は帰るからゆいぽんが起きたら話し合いな?ゆいぽんに真実は伝えなね?もう知っちゃってるから隠す事出来ないだろうし。私はリサにもゆいぽんにも幸せでいてほしい。2人が選んだ結末にちゃちゃをいれるつもりは無いけど自分の気持ちちゃんと言って欲しいとわ思ってる」





「ふーちゃん…」





「何があっても見守ってるからね」






それだけ言ってふーちゃんは帰って行った

再び高熱にうなされるこばを見守る





寝室をそっと出てソファに座らせてもらい色々と考える








由依side





目を覚ませば寝室の天井ということがわかる






「はぁ…話せなかった…」






涙が頬を伝うのがわかる





「ははは、リサ関係になると涙腺弱いんだよな…」






私は顔を手で覆い少し泣いた







「こば?大丈夫?どした?どっか痛い?」






手をどかせばそこにはリサがいて夢なんじゃないかと思った

途端にまた視界が滲んでくる






「…」





「泣くほどどっか痛い?」








私は頭を横に振る

言葉が出てこない…

言いたいことあるのに頭が回らなくて使い物にならない







「とりあえず薬飲もっか」






私はリビングに行こうとするリサの手をガッと掴む

我慢の限界がきて涙が止まらなくなっていた

私は今1番伝えたい事を言葉にする








「どこにも…行かないで…ずっとそばにいさせて…」








リサからはなんの答えも返ってこない

少しの沈黙のあとリサが口を開く








「どこにも行かない、だから薬飲んでもう少しだけ寝よ?」








どんな顔をして言ってるの?

意識が朦朧とする中見るリサの表情はあまり見えなくて薬を飲んで私は気付いたら寝ていた









再び目を覚まし部屋を見渡してもリサがいない







私はこの瞬間別れを切り出された時の事を思い出した







やだ…やだ…

目を瞑り、怖さを消し去るように自分に言い聞かせる

大丈夫、大丈夫…

落ち着け…










「こば?」






パッと顔をあげる

何も言わずに私のおでこに手を当てるリサ







「熱だいぶひいたね。よかった」





「ずっといてくれたの?」





「どこにも行かないって言ったよ?覚えてない?(笑)」









近くで見る久々のリサの笑顔

この笑顔が大好きで安心出来る









「覚えてるけどその時だけの気休めだと思ってた」





「あはは、こばの中の私は薄情だね(笑)」





「そんな事ない、ありがとう」





「全然」







寝室に沈黙が流れる






「「あのさ…」」






2人して顔を見合せて笑った






「こばから先にいいよ(笑)」





「うん…回りくどいの好きじゃないから単刀直入に言うね」





「怖いな(笑)」





「私はリサとよりを戻したい」





「ホントに単刀直入(笑)」






「私リサと付き合ってから人を好きになる気持ち知って、色んな感情を表に出せるようになった。それまでは隠すじゃないけど言いたいことあっても飲み込んだり自己消化してきてた。でもリサが何も発さない面白みのない人間にならないでって言ってくれてゆいにしか出来ない事あると思うよとか、思ってる事あるんじゃない?それ言った方がいいよって言ってくれてさ、すごく気持ちが楽になった」





「ははは(笑)こばにも思ってる事言って欲しかったからね。思ってる事色々あるとも思ってたし」





「そしたら狂犬呼ばわりされるようになったけど」





「それはそれでよかったじゃん(笑)」





「まぁ(笑)」





「こばのボヤキとか煽り私は好きだよ」





「ボヤキと煽りだけ?」





「それ以外にもだよ(笑)」





「私の事わ?」








私は思い切ってリサに気持ちを聞いた