小さくではあるが、まだ、残っていた。
その声は、雀の鳴き声のように、か弱い。
だが、確かに聞こえるものであった。
アナ「続いて入場して参ります三超人は、王位争奪戦にて、活躍した超人達です。
どうぞ!」
現れた影。
もう慣れてしまったが、やはり、顔はまだわからない。
影をみる。
トサカのようなものが頭に付いた者が、二人。
キン肉カッターか。
もう一人は、大きな鼻と、二つの牙。
象のような超人。
突然、一人が走り出した。
だんだん明るくなっていく。
迷彩服に身を包んだその超人の名は、
「キン肉アタル」。
自身では、
「キン肉マンソルジャー」
と名乗っている。
おぉ~。
パチパチ。
歓声と拍手が舞い上がる。
会場は、急に熱く、と同時に暑くなってきた。
真・友情パワーを唱えた彼の登場に、会場のボルテージは急上昇。
ならば、残る二人は。
走り出した二人。
大きな身体で走ってくる一人に大きな差をつけ、先にリングインする、キン肉族と思われる超人。
姿が明らかになった時、会場はピタリと静かになった。
いや、なっていなかった。
ドッ。ドッ。ドッ。
走る音が聞こえる。
やがて、止まり、正体が解った。
知性。
闘いにおいて、最も大切なものだという。
キン肉マン・スーパーフェニックス。
彼の名。
マンモスマン。
彼の名。
会場には、不穏な空気が漂っていた。
フェ「御安心ください。
わたくしたちは、先の戦いで、闘いにおいて最も必要なものは友情だとしりました。
そして、今、正義超人に所属しています。」
フェ「応援、よろしくお願いします。」
…。
…。
…。
パチ。
パチパチ。
パチパチ。パチパチ。
ワァァァァーー!
歓声が起きた。
最初は疑っていた。
だが、彼の言葉に決意を感じた。
正義超人としての彼の。
嬉しそうなフェニックスとマンモスマン。
その奥で、コーナーポストにもたれかかりわらうソルジャー。
笑っているのか、嗤っているのか。
影になって、よくわからなかった。