初めての個別サイン会備忘録
8月12日土曜日
OCHA NORMAの個別サイン会に行く。
あやちょを推していた時は学生で田舎に住んでおり、個別に参加する機会が無かった。
一旦現場に行く事が無かった時期を含めても5年ほど経つが、初めてである。緊張する。
今回参加するOCHA NORMA田代すみれちゃん(最推し)は前日から喉の調子が悪く、お話し会は参加せず、チェキ、サイン、グループお話し会も様子を見て参加との事…心配である。
少し前に体調を崩していた時も喉からだった。シングルリリースイベントに加えて個別イベント、夏のツアー、アイドルイベントと忙しく、そりゃ体調を崩すであろう多忙さ、個別に行くのが少し申し訳ない。
サイン会は推しが書いている時お話しが出来ると聞いていたが、まあ…無理だろうなと思いながら会場へ。
暑い。
信じられないくらい暑い。
灼熱である。顔も前髪も服も、推しに会う為に可愛く作ってきた。しかし、全てベショベショ、前髪は見る影もない…悲しい。会場に入れるのは、スタッフさんが待機を案内してからなので日陰の中で呼ばれるのを待つ。暑い。
サイン会の待機列を作るという案内が聞こえる。頑張ってサインに書いてもらう名前の記入用紙を用意したが、会場で配られる物とサイズが違い、不安になったので用意していたものを破いた。
無駄な行動をしてしまった。
というか、A5ってコンビニだとサイズが無いので、A4で2枚印刷出来るように最初からサイトに貼って欲しい。A5のままだと頑張って上手いことスマホで編集が必要なのである…私は失敗したけど。
とりあえず、コメントをする際に使用する流星群を記入する。漢字でいつも見ているので、平仮名の状態を見るのは不思議な気持ちだ。
流星群という名前を使用したのは、前日にブログコメントで参加すると書いていて、もしかしたらブログのコメントを見た時にこの人来ていたな〜と思うか、もしくはサインを書いている時にこの人ブログのコメントしてる人だと思ってもらえるかもしれないという下心がめちゃくちゃあったからである。
下心マシマシの名前選択である。
そうは言っても、個別に初めての参加であるし、応援し始めて3ヶ月経ったくらいの人間である。
その程度の人間、覚えている訳が無いという気持ちもあった。自分以外にもファンはたくさんいるし、すみれちゃんは可愛らしく、人気があるメンバーだ。自分以外にもまあまあの人数がブログにコメントしており、体感として、平均で70件はコメントがあると認識している。
その中の1件、しかも最近増えたファン。
覚えてもらえているかもなんて自意識過剰。
そんな淡い期待を持ちながら列に並ぶ。
建物に入ると感じる冷気。素晴らしい。
冷房無しでは生きていけないなと実感しながら会場入りを待つ。
体の火照りが落ち着き、ふと考える。灼熱の外から来た私は快適だけれど、メンバー皆寒いのでは??申し訳ない気持ちがまた込み上げる。
そんな事を考えていると会場入り、入ってすぐすみれちゃんのブースがあった。
荷物を置いて並ぶ。金属探知機で調べられ、列に並ぶ。
緊張の一言に尽きる。
少しづつ近づくと、パーテーション越しに聞こえる咳。初めての個別で推しが万全の状態で無いことは残念だが、自分の為にサインをしているという状況を噛み締めようと思った。
遂に自分の番だ。
黒いカーディガンを羽織り、マスクを付けたすみれちゃん。
可愛い。細い。自分と同じ性別である事を疑いたくなる程の可愛さである。
体調がよろしく無いだろうし、寒い中ありがとうと思いながら書き終わるのを見ていると、何故かすみれちゃんが近くに寄れと言うように手招き。
この時、手招きの意図が本当に分からずとりあえず屈んで耳を近づけてみる。
💜「いつもブログコメント見てるよ」(マスクを下ろして)
私「?!ありがとうございます!!ありがとうございます!!お大事に〜!!!」
一瞬何が起こったか分からなかった。
喉の調子が良くないすみれちゃん声は小さく掠れていた。
なんということだろう。私の名前を覚えていてくれて、辛いだろうに声を発してくれたのである。
体調が万全で無い中、最後にファンを喜ばせようとしてくれる心遣いが嬉しい。優しい推しである。こんな優しさに触れたら更に好きになってしまう。
あまりの衝撃に目に焼き付けたはずのサインの光景が曖昧になってしまった。夢のような出来事に全ての記憶があやふやな気がする…なんという威力。
本当は最後に「サインありがとうございました。お大事に。」と、丁寧に尚且つ、冷静に大人っぽく去るつもりだったのだ。
そう、心の中でスピードワゴンはクールに去るぜ…と呟きながら。
全くもってその通りでなかった。動揺しかしていない。
だが、それでいい。どうせサイン中お話し出来ていたら同じように動揺して最後照れながら逃げるようにブースを出ていただろう。これも初めての素晴らしい経験である。
それにしても自分を覚えていた。これが認知というものかと噛み締める。
顔まで認識されていないとは言っても、名前が推しの頭の中の片隅にあるという事実。筆舌し難い高揚感。認知とはなんと甘美な響きだろうか…。
推しに認識される為に努力するオタクの気持ちが深く分かってしまう。
しかし、私ごときに脳のリソースを使っているのは申し訳ない気持ちにもなる。
それに、この体験を経てオタクとして常軌を逸した行動をとって、推しの迷惑にならないように、好きという気持ちを免罪符にすみれちゃんが不快になる言動をしないようにと心掛けなければと思う。
コメントもちゃんと読んでいるのだ。画面越しの推しが読んでいると考えてコメントしなければいけない。
まだチェキとお話し会が控えているので、戦々恐々としている。万全のすみれちゃんと話してチェキを撮って…幸福すぎて自分がどうにかなりそうだ。
とりあえずチェキまでに自分の体積を減らそうと思う。