そんな事より早く準備をしなければ、我が眷属が待っているのでな。
素早くスエットを脱ぎ制服に着替える。
階段を光速に近いスピードを出して駆け下りる。すぐ横の部屋に置いてある。弁当……じゃない。我が肉体のエネルギー源を取りに行く。本当は動物の生き血の方が力が――。
トイレに行こう。朝日を直接浴びたせいで気持ちが悪くなってきた。
「ぐげえええええ」
何を吐き出したのかって聞くな。お前の身に災い――。
「ひーくん、早く」
うるさいな。少しは黙ったらどうだ。下界の人間共が!
ブツブツと文句を呟きながら靴を履き玄関のドアを開ける。
大きく息を吸い込むと新鮮な空気が俺の肺に入り込んでくる。今日も清々しい陽気だな。
「おはよう」
ニコッという効果音がピッタリな笑顔を幼馴染、姫乃ひとみが向けて来る。太陽の光に照らされキラキラと光りそうな美しい黒髪、可愛らしい顔立ち。高校生にしては大きく成長した女性らしい部分。ミニスカートから伸びる白い太腿。触れたくなる衝動を抑えながら、挨拶を返す。
「おはよう」
我が眷属よ。
「走るよ! 遅刻しちゃうじゃない!」
「俺に逆らったら死が――」
「うるさい! 厨二病が!」
俺様が厨二病。そんな事あるはずが無い。
「いい加減辞めたら」
「俺は厨二病なんかじゃないぞ。俺は本当に世界を変えられる人間なのだから」
「はいはい、分かった、分かった。明日までに開眼だっけ? しなかったら諦めるって約束忘れたの!」
「……覚えてるよ」
うるさいな、絶対に開眼して見せるからな! そん時に仲間にしてやんないからな。そんな反抗的な態度だと。