となりの怪物くん感想(原作既読鑑賞2回目後)(※ネタバレ)(辛口) | Wの日常

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菅田将暉メイン。最近は将暉くんの絵を中心にイラスト教室で描いた絵を載せてます。感想とかイベントレポもすこし。

惜っしいな~!ほんと惜しい
春がいなくなった間に自分の気持ちに向き合って自己完結した所へ、春が現れて、春も同じ気持ちだったと確信してメデタシメデタシ
ということなんですね。
2回目でそういうことなんだな、と思いつつ見たらなんとか納得しました。
ただこの春が戻ってきた後、も~少し丁寧に表現してほしかったです。
がっちりと心が通い合う瞬間を心の動きだけじゃなくてシチュエーションとして。
これが少女漫画だからと言われても少々納得するのに一工夫必要かと。
あと10分足せばここの不意に終わる感が緩和されてより良い作品になったと思うので、ほんと惜しいと思います。


と、ここで原作10巻から12巻をざっと読み返しました。
雫が春に劣等感を抱いたところ、春が雫には俺の気持ちはわからない、とケンカになった後。3週間を1年にしちゃったのはまあ、仕方ないとして。
それでもなんとかお互いが謝って、雫が個人的な問題だったといったことが、春にとっても問題なんだと、言ったくだり。
さらにそれから雫が堰をきったように本音を話すくだり。
嬉しくて雫が涙するのは最初の春の涙にリンクして、集大成、って思えたのに。
本音をぶつけても春の「俺は離れて行ったりしない」この台詞欲しかったな~。
ここを丸々カットするというのはせっかくの雫と春のの世界を無視した非常にもったいないラストでした。
できると思うのよ?
まるで最初に力とお金を使いすぎて最後まで持たなかったみたいな仕上がり。
エンドロールはお茶を濁してるとしか思えませんでした。
優山の誕生会をしたついでに結婚式も撮ればよかったのに。


優山の誕生会も納得いかないところがあります。
後継者を春にする、という所。
原作ではうすぼんやりと優山より春が優秀、とはあったけど、春を後継者に決定するようなそぶりは感じられませんでした。
そんなあからさまに長男をないがしろにするかな、という不自然さがぬぐえませんでした。
春の特殊性を鑑みても、政治家に向いてるとはいいがたい。
実はこの辺から???なんで?という違和感がぬぐえなくてスッキリと見れませんでした。
春の家庭環境のとってつけた感と何も解決してないところがツメが甘すぎると思いました。


ギミックはいらなかったと思います。
最初のケンカにしても、怪物らしさを表すためとはいえ、さほど大袈裟にする必要は感じませんでした。ワイヤーアクション下手すぎて気に障ったし。
ラストの雫がジャンプするくだりも普通に飛びついてハグでよかったと思います。
少年漫画じゃないんだし。派手演出はなかった方が良かったと思います。


春はとても春でした。
ただ少し将暉くん曰くの「6歳の純粋さ」
わかるにはわかるんですけど、少々オーバーアクションだったと思います。
もんじゃに行きたいと駄々をこねるしぐさは違和感を感じました。
6歳の知能という訳ではないと思うんですよね。
無邪気さを表現するのをがんばったとは思うのだけど、やりすぎかなと思いました。


所詮、少女漫画、という枠組に入れてみてもダイジェスト感が否めなかったです。
原作通りのシーン、台詞はありがたかったけれども、心に響くかというとやはりその前後があっての事だったので、サラ~っと過ぎてしまったのがもったいなかったです。


それでも全体的にやさしく暖かい気持ちになれたのは、監督の手腕かなと思いました。
絵面もとてもきれいでしたし。


総じてもったいない、惜しい映画でした。