以前、技能実習生の入国後講習の施設で働いていたことがある。
技能実習生は入国してきてから会社で働きだすまでに1カ月、日本の生活になれるように、日本語や日本で生活するのに必要な情報や法律などについて講習をうける。監理団体によっては、自前の講習施設やマンションなどをかりて監理団体の職員が講習しているが、講習施設に業務委託することが多い。

正直、どの講習施設も、ちゃんと朝から晩まで講習をしているかというと疑問。私が以前、勤めていた講習施設も結構、自習をさせて時間稼ぎしていた。講師の先生が急に休みになるとか、講師が確保できない時間帯を自主勉させるのだ。宿泊費と講習費は実習生一人あたり6万円~10万円かかる。その上、生活費として6万円以上の手当も支払われるので、実習生ひとりあたり入国して一ヵ月、毎日、だらだら講習施設で時間つぶされても、12万以上、会社は負担しないといけない。

日本の生活に慣れるための教育は、1ヵ月必要なのか・・・?。正直、1,2週間で十分に思う。日本語が全くできないで入国してくる実習生もいるが(中国人が多い)、日本くるのに日本語を覚えてこない人達に、1ヵ月おしえたところで上達しない。彼らは勉強する気もないのに会社は費用負担しないといけない。実習生とは名ばかりで、実際、稼ぎに来てる彼らです。一日も早く日本で稼ぎたいでしょうし。会社も一日でも早く働いてほしいでしょう。

入国してくるまでにN5、できればN4レベルに教育してもらっていれば、入国後講習は1週間でもいいと思う。
入国後講習施設が、日本中、どんどん増えてきているが、教育施設なのに認可もいらず、指導している内容も施設によりさまざま。基準などない。
監理団体は1ヵ月間、そんな施設にまかせっきり。講習施設が悪質ならまともに勉強せずに、母国語のYouTubeみたりSNSで家族と友人と話して時間をつぶしているのに会社は費用負担させられるわけ。本当にお気の毒さまである。

しかも、施設で指導している人は、日本語講師の資格がない素人が多い。素人でも日本人の先生ならまだしも・・・、通訳が日本語を教えていることが多く発音がめちゃくちゃで、ベトナム人通訳がカンボジアやインドネシア人を教えていることだって多い。カンボジア人の実習生がベトナム人の発音で日本語を覚えていたことがある・・・。せっかく日本に来たのに、ネイティブ先生じゃなくて実習生もがっかりしてます。例えば、「スーパー」→ベトナム人の訛りだと、長音、パ行音が苦手だから「すぅば」。文法などの教え方は、素人の日本人の先生より、留学生だった外国人のほうがうまかったりするんだけど。それでもね。

そもそも、1ヵ月の講習、住むところ、学ぶところ、一緒になって6万円~って安すぎませんか。子供の塾の冬期講習ですら、2週間で十万以上するこのご時世に。まともな教育が施されるわけがない。常勤の先生なんて雇えるはすない。
しかも、以前の私の職場は、実習生のシャワーは外、6帖もないようなせまい部屋に2段ベッドを2つおいて4人で寝させていた。ひどい時は、集会所に、布団2枚で3人寝かせて、50人以上収容したり・・・。毎月、50から120人が入れ替わり入ってきてた。儲かるわけ。50人でも120人でも、先生は全員パートでしたから人件費は安くつくし、光熱費は、実習生から一人5千円徴収していたから、講習費6万円がほとんど利益。

こういう入国後施設がどんどん増えているのは、実習生を預かれば、たいした教育してなくても施設には実習生一人あたり6万円~のお金が入ってくるから。いわゆるボロい商売ってやつ。

新制度にかわり、入国前の日本語教習費まで会社が負担することになるような動きだと聞いた。入国させるまでに一定の日本語レベルをつけさせることは必須であると思うが、そうなれば、入国後講習なんて1週間で、労働法、入管法、日本の交通ルール、ごみの分別、買い物の仕方、病院の受診の仕方など生活の案内だけで十分だと思う。受け入れる会社の負担も減る。

日本政府には、新制度開始のときに、認可制にするなどして悪質な入国後施設にメスを入れてほしと願う。