一人暮らしの方や、ご親族が遠方にいらっしゃる方にとって、避けて通れないのが「自分が亡くなった後の事務手続き」です。

 

「任意後見人や成年後見人がいるから大丈夫」と思われている方も多いのですが、実は後見人の任務は、ご本人が亡くなった瞬間に終了します。 つまり、その後の葬儀の手配や未払い金の精算などは、原則として後見人の仕事には含まれません。

そこで必要になるのが、生前にはカバーできない「死後の実務」を託すための「死後事務委任契約」です。

 

遺言書ではできない「身の回りの片付け」

「遺言書に書いておけばいいのでは?」という声も聞かれますが、遺言は主に「誰にどの財産をあげるか」を決めるためのものです。 以下のような「実務」については、死後事務委任契約で定めておく必要があります。

  • 行政機関への届け出(死亡届の提出など)
  • 家族・友人への連絡
  • 葬儀・火葬・埋葬の手続き
  • 医療費や施設費用の精算
  • 遺品整理・住まいの片付け・解約手続き(電話、電気、ガス、SNSなど)
  • ペットの引き継ぎ(新しい飼い主への橋渡し)

これらは相続手続きとは別物であり、たとえ遺言に書いてあっても、法的な強制力を持って速やかに執行されるとは限りません。

 

周囲への「迷惑」を最小限にするために

「自分が死んだ後のことはどうでもいい」と考える方もいらっしゃいますが、何の準備もないと、最終的には近隣住民や遠方の親族、自治体の担当者などが、多大な時間と費用をかけて調査や片付けを行うことになります。 特にお一人暮らしの方は、孤独死によるトラブルを避け、周囲に負担をかけないための「最後のマナー」としてこの契約を検討される方が増えています。

 

契約のポイント:公正証書と「遺言書」との整合性

死後事務委任契約は、信頼できる第三者や専門家と結ぶ契約です。 トラブルを防ぐためにも、「公正証書」で作成することを強く推奨します。

ただし注意点として、遺品の処分などを契約に盛り込む場合、もし「相続人」と「受任者」が異なると、内容の相違からトラブルになる可能性があります。必ず遺言書の内容と矛盾がないよう、セットで設計することが大切です。

※相続人がいる場合は、その方たちの理解をあらかじめ得ておくことが、受任者がスムーズに動ける秘訣です

(具体的な契約例はこちら)

 参考:新日本法規WEBサイト

 https://www.sn-hoki.co.jp/shop/f/img/items/pdf/sample/5100161.pdf

 

おわりに

これまでご紹介してきた

  1. 財産管理等委任契約(身体の不自由に備える)
  2. 見守り契約(孤独や異変に備える)
  3. 任意後見契約(認知症に備える)
  4. 死後事務委任契約(死後の手続きに備える)

これらをパズルのように組み合わせることで、老後の不安は驚くほど軽減されます。 

あなたが最期まで充実した人生を送り、安心して旅立てるよう、まずは身近な専門家に相談してみませんか?

 

それではまた次回、お会いしましょう。

 

 

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これまで「任意後見」や「財産管理等委任契約」についてお伝えしてきました。 しかし、「今はまだ元気だし、財産管理を任せるほどでもない。けれど、もし急に倒れたら? 認知症が始まったことに誰も気づいてくれなかったら?」という不安を抱えている方も多いはずです。

そんな「もしも」の異変にいち早く気づくための備えが、「見守り契約」です。

 

見守り契約とは?

見守り契約とは、任意後見が始まるまでの間、支援者が定期的に連絡を取り合うことで、ご本人の健康状態や生活環境を確認する契約です。

定期的なコミュニケーションを通じて、急激な体調の変化や認知機能の低下を察知し、適切なタイミングで「任意後見」へとバトンタッチする役割を担います。また、万が一の際の孤独死を防ぐ、大切な命綱でもあります。

 

なぜこの契約が必要なの?

特に以下のようなケースでは、見守り契約をセットで結んでおくことを強くおすすめします。

  • 任意後見人を頼む相手が、遠方に住んでいる
  • 親族ではなく、弁護士や行政書士などの専門家に依頼している
  • 一人暮らしで、日常的に顔を合わせる人が少ない

普段から接点を持っていないと、支援者は「いつから後見をスタートさせるべきか」を判断できません。見守り契約があることで、支援者は責任を持って「今がその時だ」と見極めることができるのです。

 

具体的な内容と費用の目安

見守り契約の内容は、ご本人の状況に合わせて柔軟に決めることができます。

  • 安否確認の方法:月1回の面談、週1回の電話通話など
  • 費用の目安:専門家に依頼する場合、面談1回につき5,000円〜数万円程度が一般的です。

「財産管理までは必要ない」と考える方でも、任意後見契約とセットでこの見守り契約を結んでおくことで、将来への安心感はぐっと高まります。

 

おわりに

今回ご紹介した「見守り契約」は、他の制度と組み合わせることで真価を発揮します。 これまでの記事(任意後見や財産管理等委任契約)についても併せて確認したい方は、ぜひこちらのリンクからご覧ください。

任意後見について

 

財産管理等委任契約について

 

個別のケースによって最適なプランは異なります。より詳しく知りたい方は、お近くの専門家へ一度相談してみてはいかがでしょうか?

 

それではまた次回、お会いしましょう。

 

 

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年を重ねるにつれ、「もし病気やケガで寝たきりになったら、銀行や支払いの手続きはどうしよう」と不安になることはありませんか? 頭ははっきりしていても、身体が思うように動かなくなると、日常生活のあらゆる手続きが困難になります。

こうした「身体能力の低下」に備える仕組みが、「財産管理等委任契約(任意代理契約)」です。

※銀行などの金融機関では「公正証書でないと代理人として認めない」という運用も多いため、金融機関でのスムーズな手続きを望むなら公正証書がおすすめです。

 

委任状をその都度書くのは大変!

身近な親族に代わりをお願いする場合でも、窓口では「本当に代理人か?」を確認されます。その都度、委任状を準備するのは大きな手間ですし、急ぎの支払いの時にスムーズにいかないこともあります。 あらかじめ契約を結んでおくことで、こうした事務手続きを包括的に任せることが可能になります。

 

財産管理等委任契約で「できること」

この契約は、判断能力がしっかりしているうちから支援を受けられるのが特徴です。主に以下のような内容を依頼できます。

  • 金融機関の口座管理(生活費の引き出し、記帳など)
  • 公共料金や介護サービス費の支払い
  • 住民票や戸籍謄本などの代理取得
  • 不動産の家賃の受け取りや管理
  • 身の回り品の購入手続き

 

任意後見制度との決定的な違い

「任意後見契約をしていれば安心」と思われがちですが、実は大きな落とし穴があります。 任意後見は、「認知症などで判断能力が低下した後」にしかスタートできません

つまり、「頭はしっかりしているけれど、体だけが動かない」という時期には、任意後見人は動けないのです。 この「任意後見が始まるまでの空白期間」を埋めるのが、今回の財産管理等委任契約です。この2つをセットで結んでおくことで、老後の安心が途切れなくなります。

 

 

注意点:監督人がいないというリスク

任意後見制度には、家庭裁判所が選ぶ「監督人」がいますが、財産管理等委任契約には公的なチェック機能がありません。 代理人が正しく仕事をしているかは、ご自身で確認する必要があります。そのため、信頼できる親族や、職業倫理のある行政書士などの専門家を代理人に選ぶことが非常に重要です。

 

おわりに

「任意後見」と「財産管理等委任契約」。 この両輪を揃えておくことで、身体が不自由になっても、判断能力が衰えても、あなたらしい生活を守り抜くことができます。

自分の場合はどちらが必要か、あるいは両方必要なのか。 気になる方は、ぜひお近くの専門家へ相談してみてください。

 

それではまた次回、お会いしましょう。

 

 

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今回は前回の続き、任意後見制度を実際に利用するための具体的なステップについてお話しします。

 (前回の記事はコチラ:[【任意後見制度①】元気なうちに「将来の味方」を決めておく])

 

まずは、全体の流れをおさらいしましょう。

  1. 制度の利用を検討する
  2. 支援内容(何を頼むか)を決める
  3. 支援者(誰に頼むか)を決める
  4. 公証役場で契約手続きを行う
  5. (将来、判断力が低下した時に)家庭裁判所へ申し立てる
  6. 利用開始(サポートスタート!)

一つずつ詳しく見ていきましょう。

 

① 制度の利用を検討する

スタートのタイミングは、「今、元気であること」が条件です。将来、自分の判断能力が落ちた時のリスクを自覚し、「準備をしておこう」と決意した時が始めどきです。

 

② 支援内容(何を頼むか)を決める

あなたのライフプランに沿って決めます。「自宅で最期まで過ごしたい」「施設に入るなら○○のような場所がいい」といった希望をもとに、具体的なサポート内容をリストアップします。

 

③ 支援者(誰に頼むか)を決める

あなたの思いを「腹を割って話せる人」が理想です。家族や友人のほか、行政書士、弁護士、司法書士などの専門家が選ばれます。

【気になる費用の目安】

  • 後見人への報酬:親族なら無償でも可能ですが、専門家に依頼する場合は、契約時の事務手数料(十数万円〜)に加え、開始後は月額報酬(数万円〜)が発生するのが一般的です。
  • 監督人への報酬:家庭裁判所が選ぶ「任意後見監督人」への報酬も必要です。これは管理する財産の額に応じて裁判所が決定します。

④ 公証役場で契約手続きを行う

内容が決まったら、最寄りの公証役場で「公正証書」を作成します。 作成後、公証人が法務局へ「任意後見契約の登記」を申請します。これにより、あなたが誰とどのような契約を結んだかが公的に記録され、証明できるようになります。

 

⑤ 家庭裁判所への申し立て(将来、支援が必要になった時)

認知症などの症状でサポートが必要になったら、家庭裁判所へ申し立てを行います。 ここで裁判所が「任意後見監督人」を選任することで、契約のスイッチが正式に「オン」になります。

 

⑥ 利用開始(サポートスタート!)

これでいよいよ制度の利用開始です。 特に不動産や会社経営をされている方など、守るべき財産や権利が複雑な方にとっては、非常に心強い制度です。

 

おわりに

2回にわたり任意後見制度についてお伝えしてきました。 この制度は、いわば「将来の自分へのプレゼント」です。自分一人で抱え込まず、信頼できるパートナーを見つけることが大切です。

より詳しく知りたい方や、自分に合った契約内容を考えたい方は、ぜひ専門の先生に相談してみてくださいね。

 

それではまた次回、お会いしましょう。

 

 

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これまで「終活は元気なうちに」とお伝えしてきましたが、それには大きな理由があります。

それは、「判断能力」が低下した後のリスクに備えるためです。

 

体力は衰えが目に見えますが、判断力の低下は自分では気づきにくいもの。 もし一人で正常な判断ができなくなると、大切な資産を減らしてしまったり、悪質な詐欺に巻き込まれたりする恐れがあります。そんな不安を解消するためにあるのが「任意後見制度」です。

 

任意後見制度とは?

一言でいうと、「将来、自分の判断力が衰えた時に備えて、あらかじめ支援者(任意後見人)と、支援してほしい内容を自分で決めておく制度」です。

認知症や脳梗塞、事故などは誰にでも起こりうること。「誰に」「何を」頼むかを元気なうちに自分で決めておくことで、将来も自分らしい暮らしを維持することができます。

 

任意後見人がサポートする「2つの柱」

後見人が行う業務は、大きく分けて以下の2つです。

 

1. 財産管理 

あなたの大切な財産を守り、活用します。

  • 預貯金の管理や金融機関との取引
  • 不動産の管理や売却
  • 税金の申告や生活費の支払い
  • 遺産分割の協議 など

2. 身上保護(身上監護)

生活の質(QOL)を守るための契約や手続きを行います。

  • 介護保険の申請やサービスの契約
  • 病院への入院・施設への入所手続き
  • 自宅の修繕や環境整備に関する契約 など

「ダブルチェック」で守られる安心感

任意後見契約は、公証役場で「公正証書」を作成して締結します。 しかし、契約したからといってすぐにスタートするわけではありません。実際に判断能力が低下した段階で、家庭裁判所に「任意後見監督人」を選んでもらうことで、初めてサポートが始まります。

この「監督人」が後見人の仕事をチェックすることで、間接的に家庭裁判所があなたを守る仕組みになっています。まさに「安心のダブルチェック」ですね。

 

利用開始までのステップ

任意後見制度を利用する際の大まかな流れは以下の通りです。

  1. 制度の利用を検討する
  2. 支援してほしい内容(何を頼むか)を決める
  3. 支援してくれる人(誰に頼むか)を決める
  4. 公証役場で契約手続きを行う
  5. (将来、判断力が低下した時に)家庭裁判所へ申し立てる
  6. 利用開始(サポートスタート!)

次回は、このひとつひとつのステップについて、より詳しくお話ししていきたいと思います。

 

それではまた次回、お会いしましょう。

 

 

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今回は、終末期医療の先にある選択肢「献体」「臓器移植」についてお話します。 これらに共通する最も大切な前提は、「必ず生前に意思表示をし、家族の同意を得ておくこと」です。

 

1. 「献体」の流れと注意点

献体とは、医学・歯学の発展(解剖学実習など)のために、自分の遺体を提供することをいいます。

 

【生前の準備】 希望する場合は、医科・歯科大学や献体篤志団体に登録をします。申込書を郵送すると、後日「会員証」が届きます。 ※最近は希望者が増えており、病歴や地域、葬儀の形態によって受け入れが制限される場合もあります。

 

【死後の流れと家族への影響】 亡くなった後、大学等へ移送されます。通夜や葬儀は通常通り行えますが、遺骨が戻るまでには通常1~2年、長い場合は3年以上かかることもあります。 「すぐに納骨してあげたい」と願うご遺族との間でトラブルにならないよう、事前にしっかり話し合っておくことが不可欠です。

(詳しく知りたい方はこちら) 参考:公益財団法人日本篤志献体協会 http://www.kentai.or.jp/

 

2. 「臓器提供」の流れと意思表示

臓器提供は、病気や事故で臓器の機能が失われた方に、善意で臓器を提供し、移植につなげるものです。

 

【生前の意思表示】 「ドナーカード(臓器提供意思表示カード)」のほか、現在は運転免許証、健康保険証、マイナンバーカードの裏面にある署名欄、またはインターネットからも意思登録が可能です。 不慮の事故に備え、常に携帯しておくことが推奨されます。

 

【死後の流れ】 脳死下、または心停止後に、ご家族の同意を得て手術が行われます。 臓器の摘出は速やかに行われ、お体はできるだけきれいな状態に整えられてからご遺族のもとへ戻ります。その後の葬儀などは通常通り行うことができます。

(詳しく知りたい方はこちら) 参考:公益社団法人日本臓器移植ネットワーク https://www.jotnw.or.jp/

 

終末期医療のシリーズを終えて

全3回にわたり、終末期医療に関する準備についてお伝えしてきました。

  1. 事前指示書
  2. 尊厳死宣言書
  3. 献体・臓器移植

これらすべてに共通するのは、「自分の望みを明確にすること」が、結果として「遺される家族の迷いや負担を減らす」ことにつながるという点です。

みなさんの終活に、何か一つでもプラスになる情報はありましたか?

 この記事が、あなたの大切な未来と、ご家族との対話の一助になれば幸いです。

 

それではまた次回、お会いしましょう。

 

 

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今回は、終末期医療における「尊厳死宣言書」についてお話します。

 

近年、人生の最期まで自分らしく、人間としての尊厳を保ちたいと願う方が増えています。 ここでいう「尊厳死」とは、回復の見込みがない末期状態において、人工呼吸器などの生命維持装置による「過度な延命治療」をあえて行わず、自然な経過の中で死を迎えることを指します。

 

この意思を、判断能力がしっかりしているうちに書面として残しておくのが「尊厳死宣言書」です。

 

「安楽死」とはどう違うの?

よく混同される言葉に「安楽死」があります。 安楽死は、耐えがたい苦痛がある場合に、薬物投与などによって意図的に死期を早める行為を指します。現在の日本では、安楽死は法的に認められていません。 あくまで「自然な死」を目指す尊厳死とは、根本的な考え方が異なります。

 

尊厳死宣言書の内容と「公正証書」の重要性

宣言書は通常2通作成し、1通は医師への提出用、もう1通はご家族や信頼できる方との共有用にするのが一般的です。

また、最近ではこの内容を公証役場で「尊厳死宣言公正証書」にする方が増えています。 なぜ、あえて公正証書にするのでしょうか?

 

大きな理由は、「本人の確固たる意思であること」を公的に証明するためです。 万が一、第三者による書面のねつ造などの疑いがあれば、それは本人の意思に反する重大な事態を招きかねません。公正証書化することで、そうしたリスクを回避し、医師や家族が安心して本人の意思を尊重できる環境を整えることができます。

 

(以下、具体的なフォーマット等のリンクを掲載)

 参考:医学情報・医療情報 UMIN https://square.umin.ac.jp/endoflife/shiryo/pdf/shiryo03/01/301.pdf

 

実際の運用と、気になる「効力」

実は、医師がこの宣言書を提示されたとしても、直ちに「従わなければならない」という法的拘束力があるわけではありません。これは公正証書であっても同様です。

 

しかし、日本尊厳死協会の調査では、実際に宣言書を医療側に提示した際、その意思が尊重された割合は9割を超えています。(日本尊厳死協会アンケートより)延命治療を中止することが医師の倫理観に反する場合などを除けば、ご本人の意思決定を支える極めて有効な手段といえます。

 

最後に

大切なのは、書面を作ることだけでなく、その想いをあらかじめご家族や医師と共有しておくことです。

作成の手続きについては、信頼性の高い「公正証書」による作成を強くおすすめします。具体的な手順は日本公証人連合会のHPで確認するか、我々行政書士などの専門家へぜひご相談ください。

 

それでは、また次回お会いしましょう。

 

 

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今回は、終末期医療の重要な選択肢の一つである「事前指示書」についてお話しします。

 

現代の日本では、約8割の方が病院で最期を迎えます。 かつては本人に病名を伏せ、家族にのみ告知するスタイルが主流でしたが、現在は「本人の意思」を尊重し、本人へ直接告知を行う病院が増えています。

 

とはいえ、「一人暮らしで告知を一人で聞くのは不安」という方もいらっしゃるでしょう。 そんな時は、友人や看護師、医療ソーシャルワーカーに同席を頼んだり、許可を得て録音し、後で冷静に聞き直したりする手段もあります。 大切なのは、医療従事者との信頼関係を築き、「自分がどうしたいか」を伝え続けることです。

 

事前指示書とは何か?

もし病状が進み、自分自身で判断ができなくなった時、あなたはどのような医療を受けたいですか?それをあらかじめ文書で示したものが「事前指示書」です。

主に次の2点を明確にします。

  • 自分の代わりに判断してほしい人(代理決定者)は誰か
  • どのような治療を受けたいか、あるいは受けたくないか(延命治療の希望など)

普及の現状と法的効力

2022年の厚生労働省の調査では、事前指示書の作成に約8割の人が賛成しています。しかし、実際に作成している人はまだ一部にとどまっているのが現状です。

参考:厚生労働省HP(https://www.mhlw.go.jp/content/10801000/001235008.pdf)

ここで知っておきたいのは、「事前指示書には、現時点で法的な拘束力はない」ということです。 たとえ指示書通りに治療が行われなかったとしても、医師に罰則があるわけではありません。しかし、ご本人の意思が最優先されるべきという考え方は医療現場に浸透しており、作成しておくことは非常に大きな意味を持ちます。

 

具体的に何を書くのか?

統一された形式はありませんが、一般的に以下の項目を記載します。

  • 代理人の指定:判断能力がなくなった際、自分の代わりに意思を伝えてくれる人。
  • 内容の指示(リビング・ウィル):具体的な医療処置の希望。
    1. 心肺蘇生(心臓マッサージなど)の有無
    2. 人工呼吸器の使用
    3. 胃ろうや鼻チューブ等による栄養補給
    4. 点滴による水分補給
    5. 苦痛を和らげる緩和ケアの希望
    6. 最期を迎えたい場所(自宅、ホスピスなど)

作成後の「共有」が一番のポイント

また、人の気持ちは状況によって変わるものです。事前指示書は一度作ったら終わりではなく、何度でも書き直して構いません。 その都度、ご家族や担当医と対話を重ねていくことが、納得のいく最期への第一歩となります。

 

さて、今回は「事前指示書」という選択肢についてお話ししました。 次回の記事では、これに関連して、より公的な証明力を持つ「尊厳死宣言書」について詳しく掘り下げていきたいと思います。

 

それではまた次回、お会いしましょう。

 

 

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これまでに健康寿命のお話をしてきて、健康寿命を延ばして、自立した生活を長く送っていけるようにしていきましょうと綴ってきました。

 

しかし、病や老いというものは年齢を重ねるごとに迫ってくるものであり、入院や自宅療養が必要な時期が突然訪れるかもしれません。

昨今の高齢化と医療の進歩に伴い、闘病生活や入院期間が長くなり、受けられる治療の種類が広がっています。

終末期に医療や病とどう向き合っていくか、自分の理想の暮らしを実現していくかについてぜひ考えてみてください。

 

例えば、回復の可能性がなくても延命治療を行うか、余命と生活の質についてどのように判断するか、本人や家族の選択肢も増え、困惑することもあります。これらの事柄を事前に検討し、判断を表明することが終末期には必要になってきます。

 

ただし、「終末期の意思表示」=「決めておくべきこと」と考えるのはハードルがかなり高いです。

まずは気持ちの整理をし、現状の把握をした後に、家族との共有をしてみましょう。

以下のポイントから現状把握の参考にしてみてください。

  • 病名や余命の告知
  • 入院や手術
  • 延命治療
  • 緩和ケア
  • ホスピスケア
  • 入院や介護費用
  • 尊厳死
  • 臓器提供
  • 献体
  • 葬式
  • 葬儀内容について
  • 葬儀社
  • 葬儀費用
  • 遺言書
  • エンディングノート
  • 判断能力低下の際の契約
  • 家事サポートや見守り支援先
  • 自宅の処分
  • モノの整理
  • 財産目録作成
  • デジタル資産やアカウントの死後対策

 

いかがでしたか?現状の把握ができそうですか?

自分一人では分からない、家族と共有する前に誰かに相談したいといった方は、終活を扱っている専門の先生やかかりつけ医の先生などに相談してみてもよいかもしれません。

ひとりで抱えず、まずは悩みや不安を相談することから始めてみてください。

 

次回からは終末期の医療についてお話をしていきたいと思います。

 

それではまた次回お会いしましょう。

 

 

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R8.2月現在運用されている制度についての説明となっています。

後見制度の改正、見直し、施行などについては、最新情報をご確認ください。

 

前回や前々回に後見人というワードが出てきたので、一度ここで簡単にお話をしていきたいと思います。

 

後見人には法定または任意での制度が運用されています。

両者の違いは大きく契約を結んでいるのか否かです。

 

法定後見では、法律に定めがあるため、要件を満たすことで、法に規定された制度が開始されますが、任意後見では、契約内容を結んでおく、契約内容に必要事項を盛り込んでおく、といった要件を判断能力があるうちに事前に済ませておかなければなりません。

 

また、法定後見制度では取消権があるのに対し、任意後見ではこれがありません。

参考:民法(e-Gov法令:https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089)

7条  精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。

8条 後見開始の審判を受けた者は、成年被後見人とし、これに成年後見人を付する。

9条 成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。

 

法定後見制度では、後見人に専門の先生(弁護士、司法書士など)が就任してくれることが多いのに対し、任意後見では、自分で後見人を選定できるので、親族の方に就任してもらうこともできます。ただし、後見監督人を選任しておかなければ、家庭裁判所による実情把握ができなくなるので、任意後見制度を利用される場合は選任申し立てを忘れずに行いましょう。

参考:民法(e-Gov法令:https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089)

849条 家庭裁判所は、必要があると認めるときは、被後見人、その親族若しくは後見人の請求により又は職権で、後見監督人を選任することができる。

 

法定後見は前述のとおり、専門の先生が後見人として就任してくれることが多いので、家族の方も不安や悩み等を相談しやすく、手続き等もお任せにできることが多いと思われます。

 

任意後見では法定後見のように法律で定められている制度ではないので、メリットやデメリットを把握して活用をしていきたいところです。

 

任意後見メリット

・自分で必要な項目だけを契約に盛り込める。

 

任意後見デメリット

・死後の事務や財産管理をお願いできない

⇒死後事務委任契約に託すことによる解決策あり

・取消権がない

・同居人でない場合の利用タイミングが難しい

・後見人選択によるリスクを把握しておかなければならない

・後見監督人の選任を申し立てない場合のリスクを把握しておく

 

デメリットが多くなってしまいましたが、制度内容を把握して、疑問や不安点は専門の先生に相談し、自分に合ったものだと感じたのであれば、利用するのを検討してみるのも一つの終活になります。

 

任意後見についてはまた改めて綴っていきたいと思いますので、今しばらくお待ちください。

 

それではまた次回お会いしましょう。

 

 

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