毎日 実家に、父に、電話を掛けた。


「もしもし~?」

父の声が聴こえるだけで涙が零れた。


「お父 変わりないか?」

話し掛けるだけで涙が溢れた。


ハキハキと話す日もあれば

呂律が回ってない日もあった。

安堵と不安が行ったり来たり...


毎日 電話をする私に

「なんだよ!休ませてくれよ!」

張り上げる威勢の良い不機嫌な父の声は

たまらなく嬉しくて

胸がいっぱいになり涙を流した。


父の声は 女泣かせの声だった。