春分の日、おめでとうございます。
今日のパリ時間の午前6時14分に太陽が牡羊座に入宮しました。
これは占星術上の話ですが、実際に太陽は分点に達しています。
私はアストロロジー愛好家として、この日をもうひとつのお正月と決めています。

今朝は太陽の昇る東の方向にむかって、チワワの桃子と少しお散歩をしてまいりました。
やっぱり、頭が少しすっきりしましたよ~。
3日ほど前から脳裏をかすめていたことが、今朝のお散歩でくっきりと心の内に
記憶として刻印されたような"すっきり感"がありました。

さて、その言葉とは・・・?
いかにも、自分という個人の出発点である「春分点」を通過した太陽からの
メッセージらしい言葉です。
"自分は変わり者でもいいんだ"
そのひと言(笑)
ずっとコンプレックスだったことです。

占星学に没頭したり、この世のものとは思えないものを見てしまったり、
子供の時から疳の虫が強かったり、
「自分はどこかおかしいのではないか?」という問いが頭の中に常に
渦巻いているのが嫌で嫌でたまりませんでした。

しかし、この歳になって、この春分の日の少し前にパリのサロン・デュ・リーブルという
「出版社の展示会場」にて、日本からいらしたある作家さんに出会い
"あれ?この人、本当に変わってるわ!でも堂々と変わってるわ!"
っていい意味で感動したんです(笑)

人って実はみんな変わり者なのかもしれません。
それをどうにか自己制御して、集団生活をつつがなく過ごしているフリをしてる。
そんな気もします。

いや、それにしても私は変わり者だと思います(笑)

ただ、このパリでは、幸運なことにいくら「変わり者」でも
善意のある、堂々と自分を表現している変わり者たちは社会に歓迎されるのです。
それはすごくありがたいこと。

日本も実はこのフランス以上にそのような傾向があります。
日本のサブカルチャーが発展したのもその所以なのではないでしょうか?
宗教についても政治についても、実は日本って世界で稀に見る自由な国なのではないか・・・
って、私はこのフランスに来て思ったぐらいなんですよ~。
皆さんには意外かもしれませんが。
フランスは学歴社会ですし、人々が途中で職業を変えることはいまだにめずらしいこと。
エリートが脱サラして、突然ラーメン屋さんを開くなんて発想はあまり一般的ではないんです。
大学を中退した人がジャーナリストや政治家になることもほとんどありません。
私はジャーナリスト養成のためのエリート校を出た男性が画家として成功した一例を知っていますが
その人は「僕の例はフランスでは非常に希有です」とおっしゃってました。

そう、日本には日本のよいところがあります。
そして、それを一部のフランス人たちは気がついているんですよ。

もちろんフランスにも日本にはないよいところはあります。
しかし、私たち日本人は今よりももう少し自分の文化および価値観、流儀、
歴史などに自信を持ってもよいのではないでしょうか。

先日、サロン・デュ・リーブルにて、大江健三郎さんが「あなたのアイデンティティとは?」
とフランス人インタビュアーに訊かれて、「僕のアイデンティティ?それはポケットの中に
詰め込んだ他人が書いた言葉ですよ」と言って笑ってらっしゃいました。
「日本人」ということでもなく、「四国出身」ということでもなく、
彼が長年暮らした東京がそのまま彼のアイデンティティ、ということでもないんですよね。
彼は彼の時代の日本(米軍占領下の日本)の四国で生まれ、欧米化した東京という四国ではない
他人のたくさん暮らす街に長く住んでいた・・・ようは他者の習慣や価値観、そして感動までをも
ポケットにいっぱい詰め込んで、そのポケットにあるものを「自分」と認識したのです。
いや、たぶん彼自身が認識したというよりは、他者が彼のポケットに詰まっている言葉を
「彼である」と認識しているのかもしれません。

私たちは、実体があるようでない・・・仏教的な解釈になりますが(笑)
私は実はそう思っているんです。
「自分」というものは、常に変わりゆく実体のないものと認識すればするほど
私は自分の未来に希望が持てるのです。

大江さんのおっしゃっていた言葉の解釈が正しいかどうかはわかりません。
もしかしたら、私の解釈違いかもしれません。
その場合はお詫び申し上げたいと思います。

しかし、私にはそのようなメッセージに聞こえたのです。

それでは、よい春分の日を♡らぶ

※去年から春分の日に家から東の方角に咲いている桜を探す習慣が身につきました♡
今日、桜の木の精霊さんからお福わけいただいたのはこちら。今年はまだ2分咲きです。
早速、押し花をつくります。