土星がただ今、天秤座の15度とちょっとの位置にいます。
ようやく、私のアセンダントの度数から過ぎ去っていってくれるところです。
約1年間、私のアセンダントの前後に滞在していました。
今まだ影響のある度数ですので、この1年で土星が自分に何を残してくれたのか
を考えている最中です。


さて、土星が出生の太陽や月、アセンダントをはじめとする天体にアスペクトを形成する時
人それぞれではありますが、まずはまちがいなく「試練」がおこります。
土星は私たちに骨と皮を与えてくれている天体。
その土星がトランジットでパーソナルな天体に影響を及ぼすことにより
私たちは、心に、魂に、筋力をつけるようなことがらに遭遇するのです。
「試練」と先ほど申しましたが、他の配置によって、試練とはあからさまにでない
うれしいケースもありますね。
たとえば、土星=責任感 という意味もあります。
実際、私の夫は出生の太陽にトランジットの土星が合だった時に結婚することを決めました。
長い独身のフワフワした身軽な生活からの脱皮ですね。
結婚といえば、お祝いごとのはずなのですが、男性にとってはやはり「重責」を負うこと
なのでしょう。
その他、土星=孤独(孤立・独立)という意味もあります。
余分なものを排除するエネルギーもそなえていますので
土星の影響下で人間関係ががらりと変わる人もいますし
家族からの独立、ひとり暮らしを始める人も多いですね。

また、土星の影響下にある時こそ、やっておきたいのが「勉強」です。
すぐには結果はでないかもしれませんが、土星というのは過ぎ去ったあとに
必ず大きなギフトを残してくれる天体ですから、後々、あの時がんばっておいてよかったなー
と思えるはずです。

ですので、土星=不吉な天体、という解釈はまちがいです。
試練は感じるかもしれません。
責任ある仕事を任されて、プレッシャーとなることもあります。
人によっては他の天体の配置により、感情面になんら影響を及ぼさないことも
多々あります。
ただし、共通していえるのは「土星の影響下で冷静に努力し
自分を客観的に見つめた人にたいしては
土星という師はすばらしく大きなプレゼントを与えてくれる」ということです。

感情に流され、土星の与えてくれた課題を放棄する(逃避する)ことを考えるのではなく
冷静沈着に土星のエネルギーを受け止め、「自分を固める」つもりで過ごすことが
大きなプレゼントを受け取るコツです。

そして、土星が過ぎ去った後は、与えられた「ギフト」がなんであったのかを確認し
以降、その「ギフト」を決して手放すことのないように努めましょう。

土星というのはちょっと厳しめの恩師であり
心を強くしてくれる苦い強壮剤であり
「自分史」を綴るためのインクだと考えていただければいいと思います。

土星はまだ当分天秤座に滞在しますので
蟹座、山羊座、天秤座、牡羊座の半ば以降の度数にパーソナルな天体を持つ人は
大切な成長の時だと思って、どうかがんばってください。

不必要なものを捨て、自分自身を見つめ、できるだけの忍耐と努力をするー
そんな魂の歪みを矯正するためのストレッチ期間だと思ってくださればよいと思います。

また、土星の影響下では「自信をなくす」ことや「がんばっているのに他者から評価されない」
などということも体験するかもしれません。
しかし、これは後に「他者に寛容になる」ための自分づくりだと自覚するとポジティブに働きます。
自分が体験する感情は必ず他人も体験している、ということにさえ気がつけば
自らの苦労や忍耐がやがて他者への「慈悲」や「共感」に変化するはずです。
そのように、日々、意識して「心のストレッチ体操」をおこなうとよいと思います。

そして、なによりもご自身にとって大切なこと。
それは、どんなにつらい時でも、また、その逆に上昇気流に乗っている時も
「これもまた宇宙の変化により過ぎ去る現象である」ということを冷静に認識することですね。
そうすれば、絶望や傲慢から身を護ることができます。

土星はなによりも、自制をうながす星であることを覚えておきましょう。