◆アートと社会◆ 10月22日
これから「文化」の話をしよう。 文化庁長官 近藤誠一


なかなか面白い授業メモが発掘されたのでさらしてみる☆
時間が出来たら読みやすく編集しなおすかもです。




・経済だけでいいのかと、いう疑問。外務省の文化交流次長になり、文化を勉強し始めてその思いが強まっていた。マイケル・サンデルの白熱教室に行った。
「正義」の話をしようは「文化」の話をしよう、でも言えるのではないか。どうしたら文化の力を発揮できるか。ちょうどサンデル風やりたかったから、部下ではなく私がきた。(笑)正解はないから、安心して意見を言ってください!!

■どうして「アートと社会」、文化でも芸術でもないアートという言葉をつかったのか。
文化というのは非常にあいまい。芸術というのは素人にはわからない崇高な感じがあるからアートというもう少し、観る人と作るひととの間につながりがあるような言葉をつかうことが多い。しかし、ここで近藤さんが使う芸術の言葉はアートの意味で使う。

■文化とは何か
(1)シンデレラ
(2)人魚姫
どこが同じでどこが違う?
⇒シンデレラはハッピーエンド、人魚姫はアンハッピー。かたやアメリカンドリーム、もうかたや最終的には魂は救われるキリスト教的発想? 究極的には救われるという点では両方ともハッピーエンド。

(3)勢州阿漕ヶ浦(文楽)
征夷大将軍、坂上田村麻呂。http://www.bunka.go.jp/aisatsu/houkoku/index.html
法、秩序と義理、人情などの葛藤。シンデレラや人魚姫のような、明確なメッセージはない。


*自分が決めた正しいこと、自分以外の人が決めた正しいこと。前者が大義、後者が正義。この話は正義はみな侵したが大義は守った美しさが描かれている?


*正義は二種類。義務としての正義、功利主義としての正義。いつも正義は正しいとは限らない。時と場合によっては、義務としての正義の方が正しい時もある。
ベンサム、カント、アリストテレス。
モラルという点からみた時、この話はどうだろう。自由という点からみてどうだろう・・。
ようするに国によって、文化によってその裏にある価値観が違う。アメリカの文化作品はアメリカンドリーム色が強いし、キリスト教文化圏ではこの世では救われないけど魂は救済されるといったものを描いてくる。日本のこの作品は現実でのしがらみ。
◇文化というのは単にエンターテイメントというわけではなく、その背景にある価値観などからさまざ
まなことを考えされてくれるもの。


■文化とは人生に必要か?
どういうものだから人生に必要なのか??
(5)ラスコーの壁画
食べ物もまだ十分ではなく、寒く野獣におびえていたころに人間がどうしてこんなに素晴らしい作品を残したのか。何かを伝えたいという思い。
仕事が忙しい、文化は後回しという人が多いと思う。苦しい時だからこそ文化をやるという発想にはなりにくいと思うけど、苦しい時こそ文化が大事なのではないだろうか。日本の技術など日本の文化はトップクラスなのに幸福度はデンマークが1位で日本はなんと90位。客観的なデータと日本人の感覚の大きな開き。芸術を作っている人間はいるのに、それを国内で評価できていない。楽しんでいない。本来の幸せを忘れてしまっている。クロマニョン人は外的に苦しかったが芸術を楽しんでいた。それが生の力につながっていた。われわれは??

■文化の役割
*「思想とか思想の集合体を化かす」
⇒文化はどういうものに使われるものか。美術館もあるしクリエーターもいるしそれでほっといていいのか。文化を使ってなにができるか。
*⇒
・思想が変わる。思想からの解放。
・単純に楽しめればそれでいいのでは。
・日本の文化は多様性がある。文化から議論がうまれる。コミュニティを作る。
・思想を残す。人生の参考。
・文化はチャンネル。ミクロの視点から言ったら、個人の思いを発散するチャンネル。マクロな視点で行ったら国として他国に発信するチャンネル。国のイメージを作るもの。
・精神障害者のひとで50年とか60年入院している患者さん。自分のお父さんが宇宙人と思っていて、宇宙人のお父さんと通信するために素晴らしい絵を描く。世間からはみ出ている人が文化なら評価される。お金を稼ぐ手段にもなる。

1、個人のempowerment
2、社会的役割
3、経済効果、地域振興
4、国際的役割
・ナショナル・ブランド
・相互理解の増進

人間の遺伝子の98%くらいは使われていない、と言われている。笑いが糖尿病に効くということを研究しているアメリカの学者。心は科学的かはわからないが、心の動きが身体に影響することはわかっている。笑いは病気に勝つようないい遺伝子をオンにするのではないか。笑いだけではない、他の感動なども影響するのではないか。

玉三郎さんが大変難しい中国の金劇をやってものすごく受けている。上海万博でもやって、みんな泣いた。文化が日中間のつながりを作っている。韓流などはいい例だ。

■文化発展の担い手

・鑑賞者の質を高める。教育が大事。
⇒アーティストと鑑賞者だけにまかせておいていいのか?
・「文化発展の担い手」を育成していく必要性。どうやって活かすか、という点においてはまだまだ未発達なのでは。
⇒国がやるべきか?
・営利ベースにのった方がいい。本来お客さんが入らないけど、いいアートといった時にそれは本当に影響力があったと言えるのか。基本的には市場ベースに則って、見過ごされてしまったものを国が救う。
(1) 放っておく
(2) 国家(中央政府)
(3) 地方自治体
(4) 企業(営利目的、メセナ、CSR)
(5) NPO
(6) 個人

■文化の社会活動のコストの担い手
たとえば歌舞伎が世界に行くというのには億という金がかかる。文化庁が出している。
(1) 国家(自治体)-税金
(2) 企業
ただし、企業が出したら、自分の好きな分野にだけ金を使うから本当にバランスの文化発展ができるかは・・。
■資金の配分
(1)誰に配分するか?
トップアーティスト
全体の底上げ(赤字補てん)
経済振興に役立つ個人・団体
国際交流に役立つ個人・団体
(2)誰が選ぶか。
・資金提供者(国、自治体、企業、個人)
・マーケット
・専門家によるscreening
(その専門家を誰が選ぶか)