一攫千金を夢見て、はるばる佐渡島までやってきた。

10万円も払って、二泊三日の大勝負!西部開拓時代のゴールドラッシュ体験ツアーに参加したのだ。


砂金をたくさんゲットして金持ちになりたい。

ノーマルラーメン大盛りではなく、

躊躇なく、チャーシュー麺の麺少なめか、全部入りの麺少なめ(つまり麺より具材で腹を満たすってわけ)を注文できるビルゲイツみたいになりたい。


意気揚々と東京駅から新幹線、いや、ビッグサンダーマウンテンに乗り込み、新潟駅からマークトゥエイン号に乗り換えて両津港へ。そこからさらにグランドサーキット・レースウェイを運転して佐渡金山に向かう予定。

一緒に向かう連中は僕のような荒くれ者かと思いきや、高齢者夫婦が多い。おいおい、大丈夫かと心配になるが、荒くれ者はぶっきらぼうだが性根は優しいと相場が決まっている。

俺がこいつらを守ると心に誓った。


さて、旅行初日。

トロッコで佐渡金山に乗り込むかと思いきや、まずはトキの森公園でトキの鑑賞をするとのこと。

「おい添乗員!こっちは砂金を掘りに来てるんだ!クラブツーリズムの佐渡ハイライト3日間じゃねーんだぞ!?」高齢者の魂を込めた怒号が飛び交い、観光バスの車内は修羅場と化した。


いざ現場に到着すると、トキが思いのほか遠くにいて、スマホのカメラでは豆ツブみたいにしか撮れない。

こんなこともあろうかと思い、コンデジの雄、SONYのサイバーショットを持ってきて良かった。

初日に金は取れなかったけど、キンが撮れて満足であった。


俺たちの砂金掘りは始まったばかりだ。

続く