３月３０日　もうひとりの娘の誕生日でした。

産声を上げることもできず、静かに生まれてきたかわいい娘。

あの日の出来事を、一生忘れることはできないと思います。

自分の身に何が起きているのか理解できないまま

嘘であってほしいと何度も何度も願ったあの日

もうこれから先の人生なんてどうでもいいから、娘と同じ場所に連れて行ってほしいと願いながら過ごした日々

あれからもう８年。

生きていれば小学２年生になっているのか・・・と思ってしまう。

戸籍にも残らない、誰とも思い出のない娘の話は出来る人も限りなく少ないので

家族で「今月は葵ちゃんのお誕生日だね」とはならず、毎年一人こっそり娘に思いを寄せているのですが

今年は不思議な体験をしました。

寝室で家族みんなで寝ていたときに、私の後ろには誰もいなかったのに、背中に小さな手が触れて、そこがすこし温かいんです

振り返ったらいなくなっちゃうと思ってじっとしていましたが、じーんとして嬉しくて涙が出そうになりました。

でも、夫には信じてもらえないだろうなと思って黙っていたら、翌日の夜は、明らかに物理的に力が加わらないと落ちない棚の上のおもちゃが急に落下して、夫だけが目を覚まして。

最初は幽霊！？と怖かったみたいですが、「あ、今月葵ちゃんの誕生日だ」と不思議に感じられて、一緒にいるんだなぁと思いながら眠りについたそうで、翌朝話をしてくれました。

きっと年々家族が増えていくなかで、「私のことも忘れないでね」とメッセージを送ってくれていたのだろうな～なんて夫婦で数年ぶりに葵の話をすることができて、とても嬉しかったです。

満開の桜を見ると当時のことが思い起こされて悲しい気持ちにもなりますが、病院から家まで涙を流しながら帰ったあの道を、

今年は娘と桜が綺麗だねなんて話ながら通ることができて、なんとも言えない気持ちになります。

未だに自分のせいで娘はなくなってしまったと責めることもあります。

でも、外の世界を知ることができなかった娘に私ができることは、精一杯生きて、いつか娘に迎えに来てもらったときに、たくさんの出来事を話してやることくらいなので、悲しいけれどやっぱり一生懸命生きていくしかないのだなと思っています。

一生懸命生きていくことが、娘に果たせるせめてもの責任なのかなと。

天国にいる娘が沢山の人に愛され、幸せに暮らしていることを、心から願っています。

姿形は見えなくても、思い出が少なくても、大切な可愛い可愛い娘。

歳をとって娘に会えるのが今から楽しみ。

あの子の分まで頑張って生きていこう。

天国にいる娘へ