「起きて。」
そう言うと、彼はカーテンを開けた。
入り込んだ日差しは、私のちょうど目にかかって眩しい。
「まだ寝る...」
声にならない声で言いながら布団をかぶると、簡単にはぎ取られた。
そして、彼の優しくて大きな手が、私の背中に添えられ、丁寧に起こされる。
これは、私たちの休日の日常である。
目を擦りながらリビングへ行くと、テーブルの上には朝食が並んでいた。
私も彼もパンが好きで、毎朝パンを食べる。
今日のパンは、クロワッサンだ。
休日の朝は、彼が近くのパン屋さんで買ってきてくれる。
その日の彼チョイスだ。
顔を洗い、歯を磨き、食卓についた。