1月1日の夜見た夢だから これ初夢だろうと思う
御岳でもなく阿蘇山でもなく なんていう火山かはわからない
僕はその火口から8~10Km離れたふもとの4階建て位の建物の
最上階にいた。
九州の火山ではなさそうだった。
何故僕がそこにいたのかはわからない。
呼ばれていっていた感じがする。
建物の周りは立派な針葉樹(杉?)に囲まれていて雪も少しでは
あるが残っていた。
火山性の微動が頻発していて、噴火するかもしれないと皆興奮気
味であったが身の危険を感じている人は誰もいなかった。
それは、火口からかなり離れているという事と、この建物がとて
も丈夫に出来ているというのが、その理由だ。
いただいた紅茶をすすろうとしていたその時、ドン という、も
の凄く大きな衝撃波が建物全体を揺さぶった。
皆 窓のほう、火山の山頂に目を向けた。
火口からは黒い大きな煙が立ち上っていた。
「噴火だ!」誰かが言った。 まだ声は弾んでいた。
僕のいた最上階の人たちは、わいわいがやがや 噴火について話を
していた。
その時だった
風を切る「ピュー」という甲高い音がしたかと思ったら、建物に衝
撃が走った。
その風切音は連続して重なって僕たちの周りを多い尽くし暫くした
後にいくつもの衝撃を感じた。
噴石が飛来してきたのだ。こんなに離れているところまで。
あたりは騒然となって みな机の下に潜り込んだ。
僕はといえば 足がすくんでしまって ただ飛来する大小様々な噴石
の軌跡を目で追っていた。
そのうちのひとつが 建物に一番近い針葉樹の幹を直撃し、折れたそ
の木の頭頂部が窓を突き破って部屋に入ってきた。
その木はちょうど私の目の前に止まった。
青臭い木の香りと ちょっと焦臭い香りがした。
僕は無意識に その木の頭頂部 10cmくらいを折ってポケットにしま
った。まだやわらかいその新芽は容易に折る事が出来た。
また木の香りが広がった。
誰かが気付いたのだろう、窓のシャッターというシャッターが全て降
りはじめた。
その重厚なシャッターはゆっくりと、でも噴石などもはじき返す位の
力強さを備えていた。
ただ、さっき飛び込んできた木の幹の窓のシャッターだけが完全に下
ろす事ができないでいた。
地鳴りはまだ続いていたものの、噴石の風切音は止んでいた。
皆も机の下から這い出してきて さっきここで起きた事を、さも4~5
日前に起こった事かのような話を始めた。
皆から この建物に対する絶対的な信頼感を感じた。
でも僕にはそんな安心感など微塵もなかった。
僕はシャッターの隙間から火山の方を見た。
確かに噴火は収まっていて ただもくもくと噴煙を吐き出しているに
過ぎなかった。
僕も少しは安心しかけた時 僕の目にある異様な光景が飛び込んできた。
針葉樹林の一番奥の方から煙が上がっているのだ。
それが何かを確かめるために 机の上にあった単眼鏡を取ってその森
の奥をのぞいた。
溶岩流だった。しかもその溶岩流は遅く流れたかと思うとその上から
粘度の低い溶岩流が重なるように流れてきてそれを繰り返していた。
僕は叫んだ「。*@+<・>。+*‘@@*!」(僕が言った事だけど
専門用語だったので覚えていない)
「早くここから脱出しないと取り返しのつかないことになってしまう」
その僕を諌めるかのように所長らしき人が言った。
ここはいかなる場合においても安全に設計されている最新の施設だ。だ
から闇雲にここを離れる事の方がよっぽど危険だ。 見たいな事を言った。
それでも僕は科学的に、また過去の事例を持ち出して必死に説明した。
この危うい安全地帯の脆さを。
確かに周囲は5mくらいの鉄筋のコンクリート壁で取り囲まれていて、
また1階部分にはほとんど窓はなく入り口も例のシャッターでふさい
でしまえば、正に難攻不落の要塞のようであった。
食料の備蓄も1週間分あり、この手の災害では十分すぎるほどであった。
でもさっき見た溶岩流の粘度の低さからするとまったくもって安心でき
なかった。
「199●年のアイスランドと同じなら*@+<・>。+*‘@@*!」
高校生の見学生100人もいた。こんな所でもたもたしていたら。
見たいな事を言った。
所長は繰り返す。
見学生は3階に非難させたし、今出て行くほうがよっぽど危険だと。
そうだな、そうかもしれない。
そう思ったときだった。
見学生の中の女子高生が 一人部屋の前に立っていた。
避難場所は3階だ。と僕が伝えた時だった。
「私を助けてください」 彼女はそう確かに言った。
長い髪を後ろでゴムで結っていて 今時珍しいセーラー服の、スカート
丈もひざ下の まじめそうな女の子だった。
3階にいけば大丈夫だ。見たいな事を言っている途中で彼女は話した。
火山の噴火で両親を亡くしていること。私が死んだら弟ひとりになって
しまうこと。加えて溶岩流の恐怖を。
彼女の右腕のひじ下に火傷の痕があった。
彼女のまっすぐ見据えた瞳から 涙がこぼれた。
私は急いでヘルメットを2個取り、そのうち1つを彼女の頭に押しやった。
「エスコートするのが こんなおじさんでもいいのかい?」
笑いを誘うために言ったのだが、真剣な彼女は下唇をかみ締めて小さく
うなずいた。
「よし 君を助ける。 僕が助ける。」
そう言って手を差し伸べた。
彼女も手を伸ばした。
僕は彼女の手を掴んだ。
彼女の手は少し冷たくて そしてとても柔らかだった。
こんな時に不謹慎な と心の中で叫んで頭を振った。
といったところで夢が覚めた。
もう汗びっしょりだった。しばらくボーっとしてたら寒くなってきた。
時計を見たら9時を回っていた。
なんなんだろうね?この夢って。
なんかの予知夢ってやつかな?
吉兆それとも凶兆?
わからない
でもここにこれだけ書ける位 リアルな夢で 途中で夢だとか一回も
思わなかった。
知った人も誰一人出てこなかったし、件の女子高生も清楚で美人では
あるのだが僕の趣味じゃなかった。
クラスに1人くらいはいる当たり障りのない美人だった。
それでも僕はその時、彼女を命に代えても守ろうと思った。
木の香り、焦げる様な匂い、音、振動、衝撃波
そして彼女の手の冷たさと柔らかさ
今でもはっきりと覚えている。