ricky3desuのブログ

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子どもの時から子どもが大好きだった私。
兄妹がいたらいいのに、と子どもながらにいつも思っていた。
ある日母から「妹か弟が出来たらどう思う?」と聞かれて「嬉しいなぁ。弟でも妹でも仲良くしたいしたくさん遊びたいな。同じ学校に一緒に通ったりして。楽しいだろうなぁ!」とニコニコしながら話した。「そう。」と、微笑んだ母の顔は今でもなんとなく覚えている。

それからしばらくして母に「今日はあるところに行こう」と誘われて出かけた。

ついた先はなんだかよく分からないボロい一軒家。(失礼)

今でこそ助産院だとわかるが、当時はさっぱりなんだかわからなかった。

そこで、机に向かったおじいさんに「こんにちは。これ、誰だかわかる?」と分厚いアルバムをめくって見せられた。そこには赤ちゃんと自分の母の写真。私「これ、私?」
医「そうだよ。大きくなったね。もう小学生になったんだね。」
母「あなたはここで生まれたんだよ。あなただけじゃなくて従姉妹もここで生まれたのよ。」
私「病院じゃなくて先生の家で生まれたんだ?」
母「家っていうか、助産院ていう、赤ちゃんとお母さんのための病院みたいなところ。先生に見てもらったらね、赤ちゃん出来たんだって。どう思う?」
私「え、本当に!?嬉しいよ、凄く嬉しい!!赤ちゃんいつ生まれるの?男の子?女の子?早く生まれないかなぁ?」

と、嬉し涙で顔を濡らしながらまくし立てるように喋った。

先生は「男の子か女の子かは産まれるまでのお楽しみだよ。赤ちゃんはね、夏に生まれる予定だからね。それまでお母さんのお手伝いを沢山して手伝ってあげるんだよ。お母さんが大変な時がきっとこの先たくさんあるから、あなたがお母さんを助けてあげるんだよ。お腹の中の赤ちゃんもとっても喜ぶよ。」
と言った。
別に両親離婚してた訳では無いけど父は仕事が忙しくてなかなか帰ってこれない人だった。だから、普段は母と私の二人でいることが多かった


子どもの視点から、妊婦の母のことはあまり記憶にないが日に日に大きくなるお腹に、お腹を蹴る赤ちゃんを一緒に手を当てて感じる日々。
毎日が楽しみで楽しみで仕方なかった。

時は流れて夏の暑い夜中、寝ていた私は父に起こされ3人で助産院に向かった。

助産院では、父と2人で落ち着かない時間を過ごした。何度も「ねぇ、様子見に行こうよ。大丈夫か心配だよ」と言っては止められた。


少しするとドラマのような赤ちゃんの泣き声。

「あっ!!泣いてる!生まれた!!」

待合室でウロウロ立っていると看護師さんと一緒に母が歩いてきた。
「赤ちゃん女の子だったよ。もう少ししたら先生が連れてきてくれるよ。」

母がゆっくり歩いてベッドに腰掛けた。先生はなかなか来なくて、「まだかな?まだかなぁ?」とソワソワしていた。
しばらくして、先生の腕の中で小さな小さな赤ちゃんが眩しそうな、眠そうな表情でやって来た。

「抱っこしてみようか。」

「いいの?抱っこしたい!」

私にとっては可愛くて可愛くて仕方ない妹の誕生だった。
父も母もニコニコと見守っていた。もちろん、先生も。


それから何日だろうか、数日たって赤ちゃんと母が帰ってくる日。
学校の授業が長くて長くて、授業が終わると一目散に走って帰った。
「ただいま!!!」
「おかえりー!待ってたよ!」

あぁ、いつものお母さんがいて、赤ちゃんもいる。
あぁ、なんて幸せだろう。
これから赤ちゃんとたくさん遊べるんだ!
公園に行ったり、コンビニにお買い物に行ったり、沢山いろんなことするんだ!!
胸が踊って、色々な事にワクワクした。