アベ監督の記事の流れを無視しつつ、勝手に時間を遡らせまして…
昨年(2012年)夏の終わり、鶴岡八幡宮例大祭の日だと知らずに出かけたシナハン(シナリオハンティング)。鎌倉の街はすごい人出でした。

写真は北鎌倉・円覚寺前。
劇中で関智一さん演じる人力俥夫と土屋太鳳ちゃん扮する女性客の出会いの場所となるここは、ご当地鎌倉を走る観光人力俥で唯一、本作で人力俥監修をお願いした青木登(有風亭)さんのみが客待ちを許された特別な場所でもあります。
この一ヶ月くらい前、初対面ながら「一緒に何か撮りましょう」という話になり、僕が「以前から人力俥で何かやれないかと思ってるんです」と言うと「実は鎌倉で何か撮りたいと思っていたんですよ」とアベ監督。
驚くほど速く話がまとまったのですが、さらに驚いたのは、アベ監督のフットワークの軽さ!
僕などが数年来「いつかそのうち」と思っていた現地取材、そして話を聞くならこの方、と決めていた青木さんへのコンタクトまで、わずか数日。
ざっくりとしたお話のイメージを共有したところでシナハンに出かけたわけですが、残暑の鎌倉を丸一日かけて歩き回り、現地の空気を吸いながらとくに弾んだのは「人物のディテール」についての話。
よもや、そのとき話していた「理想のキャスティング」のまま本当に映像化できるとは、アベ監督も僕も思っておらず(関さん、太鳳ちゃん、ありがとう!)、その秋、円覚寺前での出会いのシーン撮影を迎えたときは、炎天下のシナハンを思い出して感慨深かっ・・・

・・・たです、と言いたいところなのですが、実際の撮影現場で自分は「人止め係」としての任務に必死で、あまり感慨に浸っているヒマがありませんでした(笑)
そのあたりの初体験談、次の機会にでも書かせて戴ければと!