教育学を学ぶ学生へ。


そして、その学んだことを、「企業」という場で活かしたい

と思っている学生へ。


企業で教育をするということは、様々な側面があると思いますが、

一ついえることは、「その人のためだけの教育はない」ということ。


教育が、会社の利益につながっていないとだめだということです。


だから目の前の人がなにを学びたいかというよりも、

今、この層の社員が会社で最大限のパフォーマンスを

出すために何を教育すべきかという観点で考えるということ。


社員の声は参考にするとしても、一番は職場が何を求めているか

ひいては会社が何を求めているかである。


教育学を学ぶみなさんは、企業での教育にどんなイメージをもっているのだろうか?


日本は学歴社会という。


私が就職活動をしたのはおよそ2年前だが、

就職活動をする中でそれはやはり感じとれた。


多くの企業、特に可能な限り受験者を減らし、

効率的な採用活動をしようとしている大企業などは、

エントリーの段階で学歴によって数を絞り込む。


そして入社して思うが、入社後に必要なのは、学歴というより、

最低限の基礎的な学習能力であり、学歴=能力では

必ずしもないと感じる。


つまり、学歴はそのエントリーの段階で最も必要とされる

ものであると言える。


いくら自分に能力があっても、履歴書に書く大学がないと

会ってももらえないのだ。学歴社会というよりタイトルどおり

「学歴入口社会」だ。


中学、高校の時様々な事情があり、大学受験ができなかった人間が、

いざ社会人としてがんばろうと思ったときには

もはや、世間的に「いい」とされる入り口は用意されていない。


そうなると正社員になるには、ベンチャーのような小さな

会社しか残されていない。

(本当に優秀な人間はどこにいこうが活躍すると思われるが)


自分ではなく、卒業した大学だけでフィルターをかけられるのは

悔しいと思いませんか?自分だったらこのうえなく悔しいです。


まずは大学に、そしてできれば自分の能力より少し上でのチャレンジングな

大学にいき、刺激を受ける友達に囲まれるべきだと思います。


学生が勉強をする理由はこれだけでもいいと思います。


社会人が勉強する理由についてはまた別途書きたいと思います。


企業の中で、今までの培ってきた、よき伝統や考え方を体系的にまとめ、

それを次世代に伝えていこうとする手法としてway management がある。

たとえばトヨタ自動車のWAYは

・カイゼン

・現地現物

・チャレンジ

・チームワーク

・リスペクト


である。もう少し具体的な内容にしている企業もあるが、

あまり内容を限定せず、従業員に解釈の余地を残すものが多いように思われる。


各企業内で、いままでのサクセスストーリーを過去の経営者などから辿っていき

策定していくことが多いが、あまりにも現実離れしたWAYを策定してしまうと


「こんなのうちの企業で大切にしてる?」


「こりゃお題目だね」



みたいな感じになってしまい、浸透しない。


ある程度、


「確かにうちってこういう風土あるよなあ」


という妥当性があり、なおかつ企業内の制度もそれに矛盾したものであっては

ならない。(例えば、チームワークといっているのに完全に評価制度が完全に

個人の業績のみ反映など)


その企業の特性を踏まえつつ、社員がそれを目標としたくなるような魅力的な内容にする必要があり、

その策定はかなり慎重にならざるをえない。


昨今派遣切りなどといわれているが、雇用が不安定な中でのwaymanagemnetは

大変難しい。いくらwayを実践させようとしても明日クビになる恐れがある人には

なかなか実践への動機付けが厳しいものがある。


wayを実践しないと解雇するぞと強要するものでもないし。


昨今ではソニー、IBMの正社員解雇が始まっている。


IBMなどは「従業員を大切にする」という価値観を大々的に謳っていたはずだが

果たしてその考えと矛盾しないでリストラが断行できるのだろうか。


こういった厳しい状況だからこそ、wayを大切にしないと、のちのち消えない傷が

各企業に残ることになる。

「うちのwayは業績がいいときだけ通用するもの」というイメージが企業には残る。