そう彼は今まさに冷静と情熱のハザマに立たされていた。
こんな風に
いやいや
韓国人であるスチュワーデスさんを
今この場で夕食に誘うべきか否か
すべては彼の勇気ある行動にかかっていた。
そしてあっという間に時間は過ぎていった。
チャンスは何度もあった
最初のシートベルトのチェックの時
機内食を配る時
食後のコーヒーを配る時
しかし彼はいったいどうしたであろう事か
寝たふりを始めた。
なんて卑劣で姑息でちんけなやつだろう
彼の兄である花三郎さんも
さぞかし兄として恥であろう
しまいにはむくっと起きだして
おもむろに
パンツをかぶりだした。
「くさっ」と
床に投げつけてしまう始末だ
もうこうなったら誰にも手の施しようがない
あきらめかけたその時彼女が現れた。
私に任せて!!!!!
どうやらこの手には慣れている様子だった。
ものすごい信頼感、オーラ、酸っぱい匂いが半端じゃないくらいその場に漂っていた。
これはもしかしたらという期待を押し殺し
その場のみんなが固唾をのんで見守った。
案の定彼女は、やってくれた
当たり前のようにさらりと
その軽やかな身のこなしに、
憧れ、希望を乗り越え
嫉妬、劣等感、憎しみがちらりと皆の表情から垣間見えた。
人間とは恐ろしい生き物だ。
つくづくそう強く感じた日であった。







