日本のヨーロッパ遠征2連戦が終わったわけですが、
世界レベルにおける現在のザックジャパンの位置がよくわかった結果となったのではないでしょうか?
今回は第1戦、フランス戦をレビューしていきます。
両チームのスタメンはこちら。

日本は本田がケガのため中村憲剛がトップ下に入り、右サイドバックには内田ではなく、
酒井宏樹が起用されました。
1トップには前田の代わりにハーフナーマイクが入ります。
【フランスの前プレに戸惑う日本】
試合はフランスの積極的な前線からのプレスにより、日本はボールを落ち着かせることができずに進みます。
いつもは長谷部、遠藤でボールを落ち着かせて日本のペースにするのですが、この日はヴォルフスブルクで出場機会に恵まれない長谷部が試合感覚を取り戻せず、ミスを連発してしまうシーンが多かったですよね。
フランスのプレスはジルー、ベンゼマ、メネズを中心に日本の最終ラインまでガツガツと来ていたのですが、マテュイディ、シソコも前線のプレスに後ろから続いていたためフランスの中盤にはスペースができていました。しかし、日本は序盤このスペースを上手く使うことができず、GK川島からのビルドアップもロングボールをマイクに向かって蹴ることが多く、自分たちの時間が作れませんでした。
【日本の悪循環】
前半15分過ぎたあたりからようやく日本は落ち着いてきて、清武がマテュイディのいないスペースでボールを受け、チャンスを作るシーンも見られました。
しかし、清武、香川、憲剛がボールを受けて前を向いたときにマイクのボールを受けようとする動きが圧倒的に少ないため、日本が得意とする短い距離で細かいパスをつなぎながらゴールへ向かうことができませんでした。前田と同じ役割をマイクに要求するのは厳しいのですが、彼が得意とするプレーというのはもちろん高さを活かしたサイドからのクロスであったり、ハイボールを使った攻撃です。
長友、酒井(内田)という攻撃力のあるサイドバックを使っていくサイド攻撃もザックジャパンでは得意の攻撃パターンの1つなのですが、香川、清武がキャプエの両サイドのスペースでボールを受けることが少なかったので結果的に両サイドバックが香川、清武を追い越して上がっていくスペースが作れず、良いクロスに直結することが少なかったのだと思います。
(これはキャプエの両サイドのスペースにCBやボランチからのパスがフランスのプレスにより供給されなかったという理由もあったと思います。しかし、後半は良くなったので後で解説を。)
【ベンゼマ、メネズを中心に攻め続けるフランス】
一方、フランスの攻撃ですがベンゼマ、メネズを中心としたサイド攻撃をひたすら続けていましたね。
ベンゼマとメネズがサイドでボールを受けてそのまま自分で仕掛けたり、中央や逆サイドまでボールをもらいに来て、空いたスペースにクリシー、ドュピシーが上がってくるというシーンが多く見られたと思います。ベンゼマ、メネズの2人がボールをとられることはあまりなく、状況によってはマテュイディやシソコがサイドへ上がってくることもありました。
フランスの右サイドのドュピシーは気になる選手でした。非常にこの選手がクロスをあげるシーンが多く、長友同様スタミナ、攻撃力のある選手ではないでしょうか?
フランスの攻撃はサイドだけではなく、CBからのロングボールもとても効いていたと思います。これはマイクがプレスに行くのか、それともしっかり引いてブロックを作るのか、よく分からないポジショニングで守備をしていたため、フランスの最終ラインから自由にロングボールを蹴られてしまい、ジルーが競り合ったり、DFラインとボランチの間でボールを受けてもしっかりとキープのできるベンゼマ、メネズがいたため効果的でした。
前半は日本はいつものような攻撃ができず、シュート数では遥かに上回るフランスも決定機はあったものの両チーム無得点のまま後半へ突入します。
【遠藤のビルドアップから生まれる日本のリズム】
フランスは後半、ベンゼマ、ドュピシー、マテュイディに代えてヴェルブエナ、ジャレ、シャントム。
後半もフランスペースでゲームに入るが、後半10分くらいから日本は良い形を作り始める。
遠藤(長谷部)がボランチの位置からCBの位置まで下がり、プレスの少ない位置から前線にボールを送り始める。香川、清武もこれに合わせて前半は少なかった、中のバイタルでボールを受ける動きを多くし始めます。そしてSBが上がるスペースができあがるという日本の理想?の形へ。
こんな感じ。

こうなる↓

中へ入ってきた香川がこの位置(黄枠)でボールを受け日本のリズムを作るというのが1番理想なのではないでしょうか?その香川の動きに合わせてタイミング良く長友が上がってきて、長友、香川、本田(今回は憲剛)の3人での絡みが個人的にはザックジャパンでは1番見てて楽しいですし、最も得点につながるチャンスが作れると思います。
結果的に3-6-1というフォーメーションになっていて、じゃあ最初から3バックでやればいいじゃないか?とも思うかもしれませんが、やっぱり長谷部や遠藤をCBとして使うのはリスクもあり、もったいないですし、選手たちが「今日は3バック」という認識を頭に入れてから試合に臨んでしまうと、過去に3バックを試したときのように「3バック」という言葉に縛られてしまい機能しなくなり、やっぱり4バックでいいじゃないか、ということになるでしょう。
なのでフォーメーションやシステムという机上のものにとらわれることなく、このように流動的な形で常にリズムを作れるようになればもっと日本は強くなると思います。まあ、言ってもフランス相手ですし、簡単にできることではないのですが・・・。笑
【点を獲りに来るフランス】
日本はこの良い状態のまま、憲剛に代えて乾、長谷部に代えて細貝が入ります。
これで香川がトップ下にいくことになります。(って言ってもあまり変化なし)
後半20分すぎ、なかなか点が獲れないフランスも動きます。
メネズに代わりリベリー、キャプエに代わりゴナロン。
入って早々、リベリーがサイドでボールを持ち、酒井と清武が2対1の状況を作りますが、日本人の若造2人など関係ないッ・・といったところでしょうか、見事に2人の間を強引に突破します。なんとかゴールには結びつきませんでしたが、さすがリベリー。格の違いを見せつけられましたねf^_^;
両者ノーゴールのまま迎えた87分、フランスはCKのチャンスが続きます。セカンドボールを拾った今野は、フランスが人数を日本のゴール前へ割いていたためできたスペースをドリブルで突き進みます!そのまま相手ゴール前mで運び、同じく自軍ゴール前から走り続けてきた長友へパス。長友はダイレクトで中へはたき香川が押し込み、試合終盤で日本先制ゴール!
今野はよくあれだけ長い距離ボールを運びましたが、長友のスタミナには脱帽でしたね~。
この試合、前半はドュピシーと張り合い、後半は前半出ていなかったジャレとのサイドの攻防も完封。なおかつ、香川の守備面でのリスク(攻撃面では中心の選手だが、守備時は清武と違いサボりがち)を運動量でカバーしていたのですから。それでラストにゴールからゴールの全力ダッシュですからね。笑
香川も長友のタイミングに合わせて上手くスッと相手を外しましたね。見事なカウンターだったと思います。
この1点が試合を決めるゴールとなり、日本は1-0でフランスに勝利。
まずはフランスになんとか勝った日本。
本田がいない中、ハーフナーマイクの0トップ化という現象が起きていましたが、最後までマイクを出していたザックの意図が分かりませんでした。笑
まあ結果としてフランスに勝ったことは素晴らしいですが、後半のようなパターンをアジアの国々相手ではなく、今回のような強豪相手にしっかりと作ることが求められると思います。
遠藤や長谷部からの縦へのパスだけではなく、少し見られましたが吉田、今野の2人のCBからの香川、清武へ直結する前へ向いて勝負するようなボールが要求したときに入るようになれば大分変ってくると思います。このCBからのビルドアップは今後の日本代表の課題の1つだと思っています。(吉田は最近良いボールを入れているときもある)
さあ、次回は王国ブラジルとの1戦をレビューする予定ですので、お楽しみに!
