毎年楽しみにしているイタリア映画祭ですが、今年も2作品見てきました。

全作品見ている人も割として、うらやましく思うのですが、今のところはこのあたりがちょうどいいかも。


「至宝」(Il gioiellino)


「湖のほとりで」のモライヨーリ監督作品。


企業の粉飾決算の話なのですが、見ているうちに、

「あ、パルマラートの話か」と当時の報道などを思い出しました。

こういう話は過去には日本の企業でも大なり小なりあったのかもしれませんね。

決算書の改ざんなど、一度手を染めてしまうと、「なんだ、これでつじつまがあうじゃん」と

なってしまうのかもしれませんが、結局はキャッシュフローがどうにもならなくなるのでしょうね。


そして、一度手に入れたものを手放すことをためらい、どうにもならなくなる、

というのは企業のみならず社会のいたるところで硬直化を招いているのかなぁと。


重たいテーマではありますが、ユーモアもうまく交えて鑑賞しやすかったです。


「そこにとどまるもの」(Le cose che restano)

(7月に岩波ホールで「ジョルダーニ家の人々」の邦題で公開)


名作「輝ける青春」のスタッフが再集結。


でも、一瞬行くかどうか迷いました。

上映時間6時間39分・・・。

劇場でこれほど長い映画を見るのは、「ファニーとアレクサンデル」以来です。


結論としては行って良かったです。

長いと言っても日本のテレビドラマのように説明が過剰なこともなく、

一つ一つのエピソードがきちんと語られていて、とても面白かったです。


思ったことをつらつらと・・・・。


○末っ子の交通事故死は、運転しながら携帯をいじるなど自業自得の面があったかなと思いました。

 特に最近日本で頻発している自動車の過失運転を考えると、車が歩行者に突っ込んでいたら、

 本人だけの問題では済まなかったと思います。もちろん、遺された家族は悲しいのですが。


○自分の死が近づいている時に、見苦しい姿を親しい人に見せたくない、というのはよくわかります。

 でも、やっぱりそばにいてほしい・・・。そこに正解はないのだと思いますが、

 その決断の潔さ、一方で素直にもなれる、それが人間らしく、感情移入できました。


○親も子も、お互い気に入らなかったり理解できなかったり、気に入らないところが自分に似ていたりすると

 余計にうとましく思ってしまうのだと思いますが、いつ何があるか分からないので(特に親)、

 早い段階で歩み寄れるといいですね。

 日本人の習慣にはないですが、ボディコンタクト(抱擁やキスなど)はうまい言葉が見つからなくても

 いろんな気持ちを伝えられるのでいいのかな、と思いました。


「輝ける青春」はイタリア語字幕付きのDVDが発売されたので、この作品もぜひ発売してほしいものです。