アンダースタンド

アンダースタンド

突然、ガンだと聞かされた父と家族のことを書いていきます。

Amebaでブログを始めよう!

私は職場の休憩室でずっと気になっていた男性がいた。

男として気になるというより、人間として気になっていた。

アジアン系なお店で働いていた彼は

色が白くて目が大きくて背が小さい。

猫のような人だった。

以前から挨拶程度は交わしたことはあった。

なぜかその日は話しかけてみようという気になった。

本当なんでだろう。


このくらいの布売ってますか?


今でも覚えている。

なんでこんなことしかでてこなかったんだろ。


…布? どのくらい?


彼は笑いながら話してくれた。


その次の日だったかな。


誕生日いつ?てきいたはずだった。


なのに彼は、15日でここ辞めるんだ。

と言ってきた。


え?いきなり何いってるんだろうと思った。

どうやら辞めて夢をもう少し追いたいらしい。

せっかく話しかけて、これからいろんなことはなせると思ってたのにな。

餞別を何かあげたいなと考えたが何も思いつかなかった。

デパートをふらふらしていると私の最近はまっていた音楽が流れてきた。

あ、CDにしよう!

邪魔になるものではないしいいかなと思い、12日頃彼に餞別としてCDを渡した。


もう会うこともないだろうなーと考えながら働いていたら

はい!と彼が店にやってきて袋を渡してきた。

家に帰って袋を開けてみると、一枚のCD-Rが入っていた。

表には手書きで女の子の絵が書かれていた。

中をあけてみると、おそらく彼が好きな曲をピックアップしてやいてくれたのだろう。

曲名がずらーっと書かれていた。

このとき、私は彼の夢が何かわかった。


入っていた曲はほとんどしっとりした曲で普段私があまり聞かない曲ばかりだった。

だからか聞いているとどんどん彼に興味を持っていった。


15日、私は仕事が休みにも関わらず、仕事場までいき彼に携帯の番号を渡した。

20歳を過ぎてからこんな行動をしたのは初めてだったからすごく緊張した。

その日の夜かな。

彼から電話がきた。


なんだろう。

すごく落ち着けたんだよね。

彼ののんびりな空気と低すぎず高すぎずの声に。


それからのみにいった。

彼は大学時代のことや今までの彼女のこと家のこととかたくさん話してくれた。

すごく楽しかった。


そのあとカラオケいこうとなった。

そこで彼の歌声をきいた。

鳥肌がたった。

彼の声が私の心を癒してくれた。

きれいごとに聞こえるかもしれないけど、彼のLet it be はすごい。

あと、HONEYという曲があってそれが私は一番好きだった。

大橋トリオさんのうたです。


それからも彼にいろんな歌を教えてもらい聞いて癒された。


父が事故をおこして帰ってこなかった日も私は彼の電話の声に元気づけられた。

あ、この頃には長く付き合っていた彼とは別れていました。

その彼はとても優しい人で今まで私が振り回してばかりでした。

またこれからも振り回しては可哀想だし私もそんな自分が嫌だったのでお別れしました。

かといって、そのアジアン系な彼と進展があったかというと

特になく、親友になりましたね。


彼との出会いは私にとって支えになりました。

笑うと八重歯が見えて可愛いんです。

いつまでたっても大切にしたい一人です。

ありがとう。亮ちゃん。


さて、父が起こしたという事故ですが

信号で止まっていたけど、青になったから前の車が動くと思って発進したら動かなくて

どん!とぶつかってしまったんです。

そこで車とめて謝罪して修理代だせばすんだかもしれなかったんですが

父は逃げてしまったんです。

きっといろんな思いがあったんだろうと思います。


帰ってきた朝、父は少し寝てから母と一緒に警察に行きました。

帰ってきてからも父はどこか気が遠くにいったような発言ばかりでおかしかった。

昨日のことを聞いていくと、高速道路で走らせてたらガス欠で車がとまって

JAFがきたらしい。

そのとき他人と話すことで少し我を取り戻したのか

母と電話が繋がったのだ。


本当どうしようもないなと思ったが、そう思うのはこれだけではなかった。

そして病気の恐ろしさを感じていく。