半年前世界のすべてを巻き込んだ戦争が終わった。
その戦いで多くの事を人々は学び、二度と繰り返さないよう心に決めた。
それからというもの平和な毎日が続いていた。そんな日々が永遠に続くと思ってた。
だが、そうはいかないのが人の世。安全と水は無料という常識は完全に崩壊した。
そう戦争が起きたのだ・・・。
それもただ悲しいだけの不毛な戦い。一握りの特権階級の利権維持の為の戦い。
そんな戦禍に自分も巻き込まれた。
自分が配属されたのは法師団の023部隊。総員40人弱の小さな部隊だ。
前大戦の折編成された部隊とほぼ一緒だった。だが幾人かの姿が見えない。
聞いたところによると先の戦争終結後、傭兵となり仮面解放戦線に赴いたらしい・・・。生死は不明だ。
その代わり新顔も増えていた。だが詳しい事情は知らない。こっちからそれを聞くのはマナー違反だ。喋りたくなったら自分から喋るだろう。
部隊編成されて間も無く、部隊長から作戦の指示がでた。
内容は「チャイ国の独裁者K将軍の政権破壊」だった。
K将軍・・・。この人物を我々023部隊に所属する皆は知っていた・・・。
先の大戦において、我々は同じ命令を受けた。
彼の圧倒的権力による恐怖政治は凄まじいもので、徹底した思想統制で、かなりの人数の人が犠牲となった。
我々はその恐怖政治からの解放の為闘った。
敵の火力は圧倒的で、鉛弾が雨の如く浴びせられる中、我々は日本刀片手に突撃していった。
一度目の攻撃で味方の10人あまりが戦場の露と散っていった。自分はかすり傷一つ無かった。
が、二度目の攻撃にて被弾。そこで記憶は途切れている。今生きているということはそういうことなのだろう。聞いた話によるとそこでも10人近くの負傷者が出たらしい。
ともかくK将軍と我々は特別な因縁があるのだ。
作戦開始当日、我々に装備が手渡された。前回の日本刀よりは使えそうな拳銃だった。
そして作戦開始。部隊の大部分の者が将軍家の正門めがけて突撃していく中、自分と幾人かの者は裏口から進入した。これで敵の虚を突くという作戦だ。
が、虚を突かれたのは我々の方だった。通常、篭城戦において、攻める側が守る側の10倍は必要だと言うが、我々の人数は圧倒的に少ない。
また敵の武装も段違いで、拳銃で応戦できるような代物じゃなかった。
手元にある弾をひたすら撃ち込み、膠着状態を作っていたが限界が来た。弾が切れかかっている。
一人の戦友が「再履万歳!」と言って特攻していった。サラバ戦友。
しかし呑気に戦友に別れを告げてる場合ではない。自分も時間の問題となってきた。選択肢は3つ。弾を撃ちつくして徒手空拳による白兵戦を展開するか、弾を残し希望を胸に特攻するか、撤退かだ。
答えは決まった。撤退だ。自分は意を決して逃げた。
敵の追手を巻き安心していると、遠くの方で勝どきが聞こえた。多分作戦が成功したのだろう。
自分は結局何も出来なかった。敵のガス攻撃でなんだか胃が痛い。
戦争はまだ終わらない。