幼少時、転校が多かった私、そのせいでぽっかり『世界史』の知識に穴が空いております。
つまり、転校する前の学校ではまだ習っていなくて、転校した後の学校ではもう終わってたっていう(^_^;)
そして高校では選択科目になっておりまして、世界史は人気が高かったというか、むしろ地理の人気が低かったため、第二希望であっても『地理』の二文字を書いた人は自動的に地理クラスになってしまうというシステムだったため、きちんと世界史を学ぶ機会を逸してしまったわけなのです。
で、なんでそんな話をしているかっていうと、この本の主人公は2千年以上の時を越えて生きている(しかし肉体的には永遠の22歳を維持!)魔道僧=『ドルイド』 (←ケルトの司祭らしい) なんですね。
なので鉄器時代とか、そんな言葉も飛び出してきて、あ~、なんか聞いたことあるような気がしなくもないけどよくわからん(^_^;) とか思ったわけなのです。
ドルイド自体がケルトに属するものであるらしいので、ケルトの神々も登場するのですが・・・
ケルト民族自体よく知らないんですよね。
ただ、占い好きの私はタロットの『ケルト十字展開法』とか、ケルトという言葉を耳にしたことがないではなく、いわゆる魔法とか呪術とか、そういうのの素になっている文化を持った民族なんだな~くらいの認識はあり。
具体的なことはわからないまでも、このお話を楽しむことは普通に出来ました(^ ^)
知ってたらもっと楽しめるのかな~? って思ったのですけどね。
RPG化してほしいくらい、剣と魔法とファンタジーの世界です。
ケルトの女神たちのウフ~ン(もしくはアハ~ン)な描写もあるので、年齢制限入るかもですが(^_^;)
ゲームにしたら絶対面白そうなんだけどな~。もしくは映画化とか。
え~と、その長生きな魔道僧(見た目はあくまで22歳)は、名前を偽り身分を偽り、アメリカのとあるところに暮らしているのですが、彼の持つ伝説の魔法剣を求めて、ケルトのある神様が執拗に刺客を送ってくるわけですね。
つまりは取り戻そうとしているわけなのです。
どちらの言い分が正しいのかは図りかねますが、お互いに自分のものだという主張を譲らないため、そこに争いが起きます。
でもほら、一応舞台は現代社会なわけですよ。
いろいろとね、ありえないことが起きると不都合もあったりして。
なんとか巨人族の追撃をかわして殺したら、人間の目にはどう見ても人間にしか見えない(という魔法が巨人族にかけられている)ので、見つかると殺人犯にされてしまう、とか。
もちろん刺客を送った神様の方でも、そうなってくれた方が都合がいいからこそ、わざわざそうなるように仕向けているわけで。
そんな、いろんな敵の多い主人公ですが、他方、別の神様や仲間にに守られたり協力してもらったりもしていて。
だからこそ2000年なんて長い時を生き延びられているわけですね。
でも、そこまでしてなんで逃げたり戦ったりしているのか、相手の欲しがる剣を渡してしまえば、そんな生活ともおさらば出来るんじゃないかと思わないこともないんですけど・・・2000年という長い間に築かれた確執は、そうカンタンには終われないものがあるんだろうな。
きっと恨みつらみが蓄積されているに違いなく(^_^;)
剣を渡したところで、おとなしく帰ってくれる相手ではなさそうですから、生き延びるためにはやっぱり逃げるなり戦うなりしないといけないんだろうなぁ。
また、敵味方は別として、神々や魔女など、敵対する可能性のある存在とのやりとりが面白いです。
神様は基本的に怒らせないこと。
怒らせないように相手を立てつつ、自分の要求もある程度主張して、それを叶えてもらうには相応のものも差し出さなければならないこともあり、そのあたりの交渉術というのかなぁ、勉強になります(^_^;)
そして魔女に対してはとにかく体の一部を--たとえ髪の毛一本、皮膚の一部、血の一滴でも与える隙を作らないこと。
それさえあれば彼女たちは魔法で相手を抹殺することが可能だから(恐)。
とはいえ(見かけは)女性的に魅力的な上に、彼女らも100歳とかそれより上だったりするわけで、狡猾とうかそれなりに知恵は持っていて、さりげなくそういう類のものを手に入れられるように誘導するのがお上手で、なかなか手強いのです。
魔道僧も魔法は使うけれど、それは魔女たちの使う魔法とは種類の異なるもので、殺すとか呪うとか、そういった方面のものはないのかも?
どちらかというと身体能力の増強だったり、邪悪なものを阻むものだったり。
だから戦いになると、そういった補助魔法的なものや回復魔法だけでは勝てないから、基本的に剣術なり格闘技のワザがものを言うようになり、そっち方面にも主人公はまたそれなりに秀でているため(というか、永年培ったという感じ?)、多くの場合自分の命を守ることが出来る程度には強いんです。
でも、なにせ相手が人間じゃないですから(といっても2000年生きている彼ももはや人間からだいぶ遠ざかっている気がしなくもないですが)、無傷で勝利というわけにもいかず。
知恵と体力を駆使して戦う感じです。
最終的に、神々の戦いの駒にされた節があるので・・・手のひらで踊らされたみたいな。
ちょっと不憫ではありますねぇ(^_^;)
でも、奔放な神々相手に命があっただけでもラッキーなのかも?!
この巻はこの巻でお話きれいに終わってますが、『1』となっているからには続刊があるということで、まだまだ彼の災難は続くのかもしれないですね。
それを楽しみに・・・したら気の毒ですが、楽しみにしちゃうかな(笑)。