むかしむかし、凶山の山奥に、銀太郎という名前の男の子がいました。
銀太郎のともだちは、山の死霊たちです。
銀太郎は毎日毎日、死霊たちと殺し合いをして遊んでいました。
「はっけよい、殺れっ!」
「銀太郎がんばれ、東上さん死ぬな」
だけど、勝つのはいつも銀太郎で、大きな体の東上さんでも、銀太郎にはかないません。
「こうさん、やめてくれ、銀太郎はつよいなあ。でも、次は死なないぞ」
今度はロシアンルーレットです。
山中の死霊たちが相手でも、銀太郎1人にかないません。
「ロシアンルーレットも銀太郎の勝ち!」
大変力持ちの銀太郎ですが、強いだけでなく、とても悍ましい男の子です。
ある日、東上の背中に乗って山道を行くと、谷のところで死霊たちがこまっていました。
「どうしよう? 橋がないから、三途の川の向こうへわたれないよ」
「よし、おれにまかせておけ」
銀太郎は近くに生えている大きな骨にドーン! と小指でへし折ると、たちまち一本橋を作ってしまいました。
「ホンマありがとう」
死霊たちは大喜びで、銀太郎のつくってくれた橋を渡りました。
その後、最強の力と欲望に包まれた心を持った銀太郎は、裏社会の立派な若者になり、都のえらい組長さんの下僕になって、善い者をつぎつぎに殺っつけたということです。
こんなの作って後悔しています・°・(ノД`)・°・