『遺伝子は自分の子孫を多く残す事のみを考える』
                    リチャード・ドーキンス


研究所で、ある実験が進められていた。
それは最強の新人類を生み出すこと。

成人では、生み出された時点で体が耐えられず崩壊する。
だが子供の場合、成長期に遺伝子細胞を変化させると、体が耐えられるようになる。
子供はクローンから作られたものである。

しかし、子供が成人を迎えるとその時点で成長が止まり、体が耐えられなくなる可能性が高くなる。
よって、殆どの実験体である子供が命を落としていった。



異例が出現したのは、今年であった。

実験体番号902617号。彼女が異例の実験体であった。特殊な肉体を持ち、後頭部に角等がある。彼女の事を研究者たちは『Diabolus』ディアと呼ぶ。


しかし彼女は遺伝子改造手術終了直後、特殊な能力で医師や看護師などを惨殺した。
サイコキネシスである。

その強大な能力の末、監視者に見張られながら深く眠っている。