◆最終章:図書室の外へ
ある晩、私は奇妙な夢を見た。
図書室。
例の席。
そこに座っていたのは、佐藤美希。
泣いていた。
「わたしじゃないの。
わたしは、あの子に押されたの。
ずっと、みてたんだよ……」
言葉が途切れた時、背後に“もう一人”の少女が立っていた。
佐藤美希の首を掴み、ゆっくり横に傾ける。
そしてこちらを向いた。
「つぎは、あなた」
私は飛び起きた。
翌朝、学校に行くと、図書室は封鎖されていた。
事故調査と森川失踪の関連性が疑われているらしい。
閉ざされた扉の前で、私はあるものを見つけた。
例の席の椅子が、扉の隙間から少しだけ見えている。
誰も座っていないのに、ゆっくり揺れている。
まるで——
誰かが、
“新しい人を待っている”かのように。