個性なんて、たたいても伸びてくるもの

こんにちは。

柄沢由理（リー）です。

タイトルの『個性なんて、たたいても伸びてくるもの』は

もう１５，６年前に、職場の先輩が言った言葉です。

もう定年間近だったその大先輩とわたしは

当時、同じクラスで１歳児クラスの担任をしていました。

（わたしは保育士でした）

その頃はもう

『子どもの個性を大切にしましょう』

『個性を伸ばしましょう』ということが声高に言われている時代。

わたしも、そうだよなと思いながら日々の保育をしていました。

保育士というのは毎月

次の月のねらいや、ざっくりとしたカリキュラム、大切にしたいこと、配慮などなどを考えて書面にして共有します。

これはクラスとしてだけではなく、小さい子だったら一人ひとりについて話して共有します。

周りにいる大人が、視点を同じにして子どもを見ることが大事だからね。

時間をとって話すことは難しいので

この日も、子どもたちがスヤスヤとお昼寝をしている横で

『来月は・・・』なんて話をしていたら

それぞれの個性を大切に・・・というくだりで

その大先輩が言ったの。

『個性を大切にって言われるといつも思うんだけど

個性なんてさ、大切にしてもしなくても伸びてくるものなんじゃないのかね。

伸ばすんじゃなくて、叩いても叩いても伸びてくるのが個性なんじゃないの？

どんなに押さえても伸びてくるから、個性って言うんじゃないの？

ねぇどう思う？柄沢ちゃん。』

個性を伸ばしましょう、という時代に

『叩いても伸びてくるのが個性ってもの』という

なかなかに過激な大先輩の言葉に

わたしはとっさに言葉が出てこなくて

えーーー、そういうものですかねぇ、、、とかなんとか言った記憶があるのですが

この言葉はその後もずっとわたしの中に残り続けました。

そして今では、確かにそうかもしれないなと思っています。

『叩いても』

これは実際に叩くとかではなくて

やめさせようとしても、とか

怒っても、という意味に近いと思うのね。

つまり、どんなに言ってもやってしまうこと

どんなに言ってもやめられないことは、その人の個性。

あなたがもし、小さい頃に繰り返し怒られたことがあるとしたら

それは間違いなく個性です。

怒られてもやめられなかった

怒られても変えられなかった

怒られても、どうしてもそっちにいってしまう

叩かれても踏みつけられても、横芽を出してでも伸びようとする

それが、個性ではなくてなんだろうということです。

よくね

いま注目されている人のドキュメンタリーとかやってますよね。

あれを見ていると、当てはまる人がたくさんいる。

やめなさいって言われたけどやめられなかった

みんなと同じようにできなかった

合わせようとしたけれど無理だった

その時はたくさん苦しい思いをして

嫌な気持ちもたくさん感じて

それでも自分を変えられなくて

そうやって叩かれ続けてきたものが、いまの自分を支えている

個性として喜ばれるようになった、とね。

個性っていうと

なんだか謎にキラキラした、できるもの、褒められるものを想像しがちだけど

本当は『質（しつ、たち）』と呼ばれる、ただの持ち前のものなのだと思うのです。

キラキラしているどころか

時に、気持ち悪い、普通じゃない、頭がおかしいとまで言われることがあるもの。

でもそれこそが、まぎれもない個性。

だから

ずっと怒られて、それをダメだと思ってきたけれど

どうしても変えられないということがあるのであれば

それはあなたの個性として

そのまま見てあげたらいいのではいいのではないかなと思います。

あぁ、

いま書いていて思ったけれど

『個性を伸ばす』のは自分の役目ですね。

叩かれても伸びてしまう個性を

これが自分の個性だな、とそのまま見ることができたら

これをどうやって伸ばしていこうか、と考えていける。

叩くのは他人

伸ばすのは自分、だねぇ。

でね

こうやって書くと

わたしは怒られてこなかったんだよなーって人もいますよね。

怒られてもやめられないどころか

怒られることがそもそもそんなになかった、みたいなね。

怒られることを回避できるというか。

わたしもどちらかというと、このタイプです。

じゃあ、このタイプに個性はないのか。

そんなことはなくて

例えば、怒られないように回避できるのなら

それが個性なんですよね。

怒られるのがそんなになかったのが

周りに目を配ることができたからなのであれば

それも個性です。

人のことばっかり見て考えていたのなら

それも個性。

時に

自分がない、つまらない、ありきたり、その他大勢

なんてことを思ったりもするだろうけれど

それがわたしの個性だ、と自覚できたら

伸ばすことができます。

そのことで喜ばれることは、確かにあるから。

わたしもいま、そういう自分の個性を仕事に生かしているなぁと思う。

個性とは

持っている質。もちまえの質。

だから、付け足すものでもなく

削っていくものでもなく

磨いていくものですね^^

あなたの個性、ぴかぴかにしよう^^