その日から彼女が来ることはなかった
一度も、
そして時は過ぎていった
卒業式の日
久しぶりに学校に行った
教室に入り、生徒の目線が一斉にこっちを向く
そしてすぐその視線は戻る
みんな自分たちの世界に戻っていく
私の存在なんて元からなかったように
自分が空気にでもなったようなそんな感覚だった
チャイムが鳴る、
卒業式がもうすぐ始まるのだ
聞いたことのある音楽がなり生徒がゆっくり歩く
順に名前が呼ばれていく
小林由依の名前を除いて、
そして自分の名前が呼ばれ
最後に後付けのように小林由依の名前を付ける
代表が卒業証書を受け取って
校長先生の話やらなんやらをを聞かされ
吹奏楽部の音楽とともに退場した
私は小林由依に会えるんじゃないかと少し期待していた
いや会えるだろうと、
教室に戻り自分の席に座る、
担任によばれた
ろくに返事もせず担任の元へ行く
手紙を渡された、裏にはきれいな字で小林由依と書かれていた
嬉しい気持ちやなんやらがごっちゃになって
でもなんともないふりをした
その後はもう何があったとか何も覚えていない
びっくりするくらい学校が早く感じた