先ほどの己のつたない文章力で書いた小説もどき的なものは少しでも楽しんでいただけたでしょうか?

結果はどうであれ最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。

 書いてるうちに、楽しくなってきちゃって、勢いで終わらせてしまいました。


 主の茶番につきあっていただきありがとうございました。



出会ったのはずっとまえ。美子の親が主催の学会兼パーティーで会ったのが始まり。家とあの娘の親は仲が良くて。
小さかった私たちは同い年の子供がいるのが嬉しくてすぐ仲良くなった。
 ずっと一人だった私には彼女が自分を救いに来た小さなマリア様みたいに見えた。
元気で天真爛漫で人懐こくていつも私の名前を呼んで駆け寄って来て。
 気がつけばかけがえない存在になってた。
でも絶対に結ばれない関係だった。
あの娘はもうすぐ結婚してしまう。
それ以前に女同士で。
 自分でいうのもなんだけど身分の高い家同士の結婚は普通でも取り立たされる。
女の子同士なんて公表されたらどうなるかわからない。

変えようのない状況に言いようのない怒りが込み上げる。
あの日私の孤独に光を差し込んだ私のお姫様。

何があっても守るって言ったのに。
私は愛するひとの一人も自分から言った約束も守れずに
ただ、その日を待つしかなかった。



次の日、起きて鏡の前に立った。
最近は良く眠れなくてひどい顔だ。

着替えて部屋を出ようとドアに近づくと向こう側からドアが開いた。

「おはようございます。」と、にこやかに挨拶して来たのは数年前に私の家に来たメイドさん。
すごくおおらかで優しくてなんでも話せる私のよき相談相手。
 なんでも話せるっていう1番の理由は彼女にも女性のパートナーがいるから。
そんな訳で私と美子の関係を知ってるのも彼女だけ。
 
「おはよう、朝からどうしたの?」

「最近、元気がなさらいようなので、お悩みでもあるのかと思いまして。」

「聞かなくても分かってるでしょ?」
美子の事と寝不足が相俟って不機嫌な調子で答える。
「明日は、本当に行かれないんですか?」

「行かない。」
 
明日は美子の結婚式。
家には招待状が届いていた。

「諦められるんですか?私はお嬢様に幸せになってもらいたいです。」

「無理よ。私には、どうすることもできない、、、。」

こんな姿美子に見せたらどう思うだろうか。
無力を悔やんで動こうとしない私を
彼女はかなしむだろうか。怒るのだろうか。

「う~ん。じゃあ、さらっちゃうなんてどうですか?」

「は?」

突拍子もないこと平然と言われて動揺する。

「かけおちです!」

語彙を強くして彼女が簡潔に言い直す。

「本気で言ってるの?からかってるなら怒るよ?」

「からかってなんて、至って真面目な提案です。」 真っすぐな目がその発言の真面目さを表した。
「自分の言ってること分かってる?かけおち唆したなんて知れたらただじゃ済まないよ?だいたいどうやって、、、。ってまさか!?」
「そのまさか!明日の結婚式がお嬢様と美子様のであえる最後の日です。明日を逃せば美子様とは永遠に結ばれないのですよ?」

 確かにそうだった。
結婚式の10日程前から準備と警護のため美子の家には家族と警備員、当家のメイドしか出入りが許されていない。
結婚後も彼女は公用以外では殆ど外出を許されないだろう。

そうとは知りつつあまりに突然の無謀な提案だったので決心には至らない。

「今の生活を捨てて二人で生きるか、このまま抜け殻のように一生を過ごされますか?そんなお嬢様を毎日見たくはありません。」

「だって、、、。」

私だって美子と一緒にいたい。
でも、私が彼女を無理に連れ出してうけいれてくれるだろうか?
もしかけおちが成功してもその先の生活は今までと比べものにならないくらい苦しいだろう。
世間から身を隠しひっそりと暮らすことになるし。
その時美子は私から離れていってしまわないだろうか。
 不安が胸を駆け巡る。
どうすれば後悔せずに済むか分からなかった。

「決めるのはお嬢様です。美子様は必ず受け入れてくれます。」

不安と動揺で返事ができない。

「お一人でよく考えられて下さい。」

そういって彼女は部屋を後にした。

その日一日わたしは答えの出ない選択に悩まされた。 朝がこなければいいのに。

そんな思いで眠りに落ちた。


夢をみた。
 小さい時の夢。
美子が転んで泥まみれで泣いてて。
 私は駆け寄って美子をおんぶして家まで連れて帰る。
 美子は泣き止むと私の背中でこう言った。
「守ちゃんわたしの王子様みたい。」
「私は女なんだけど。」
 照れ隠しに当たり前の返事をする。
 美子は笑って私に捕まる腕にぎゅっと力を入れてぴったり背中に顔を引っ付けた。
 夢が覚める。
人生最悪の朝が始まる。

時計の針は丁度9時を指している。
美子はそろそろウェディングドレス着てるかな。

ドレス姿を想像して頬が赤くなる。
だけど隣に立つのは私じゃない。

結局答えは出なかった問題はまだ私の中でぐるぐる回っている。
落ち込んでいるとベッドの横に綺麗な箱と紙切れが置いてあるのに気付いた。

紙を手に取る。
何か書いてあるみたい。
お嬢様へ
私が彼女に想いを伝えた時に着た服です。
よかったらお召しになってください。

箱を開けると
中は真っ白な品の良いタキシードが入っていた。

わたしの中で何かが弾けた。
外は晴れ。私の心みたいに。




タキシードに袖を通す。ぴったりとフィットして動きやすい。
胸の部分も広く作ってあって作り手の愛を感じた。
着替えが終わって家を飛び出す。
今から町にでて馬車を捕まえていたら間に合わないかもしれない。でも諦める気はなかった。
そんな気を知ってか知らずかうちのメイドさんが馬車にのって走ってきた。
「おじょーさまー!」

「憐さん!?」

「そろそろ、来られると思いました!良くお似合いで。」

 状況を理解した私は彼女にお礼を言うとたずなを引いた。
「お幸せに。」

憐さんの言葉を背中に受けて私は眩しい日差しのなか風を切って走り出した。
「待ってて。美子!」



今日は私の結婚式。
結婚式でウェディングドレスを着てる花嫁はみんな幸せなんだろうけど私は違った。
結婚式前日にあった良く知らない男性の元に私は嫁がされる。

他に愛している人がいると誰にも言えずに。

憂鬱な顔をしていると私にメイクをしている人が不思議そうにしていた。

緊張とは違う顔色だと分かったのだろう。

「自分の気持ちに嘘をついたらいけませんよ?」

はっとしてメイクさんを見た。

「何年も花嫁さんのメイクをやってるとわかっちゃうものです。たいていそういう顔されてる方は長続きしませんから。」
 
「そうなんですか。」

でも私にはこの結婚をなかったことにはできない。
閉じ込められたら壊すことのできない鳥籠。
私はいまから、そこに入るのだから。


準備が終わり式場の門が開く。

パイプオルガンの音色が響く式場の中をレッドカーペットをふみながら歩く。
牧師さんが誓いを読む。
「誓いますか?」

隣の男性が応える。

「誓いますか?」

今度は私に答えが求められる。

守との記憶が走馬灯のように涙と一緒に溢れてくる。

 ごめんね。守。

震える声で応えようとする。

「誓いま―」

「私と誓え!」

式場の門が勢いよく開くとともに忘れようのない声が私の耳に響いた。

「一緒に来て!美子!」

静まり返った式場に少女の声がこだまする。

「ま、、、もり。」

信じられない状況だった。
 私は一瞬動揺したけどすぐに何倍もの嬉しさが込み上げてきた。
私は最愛の人の元に走っていった。
 迷う理由も余裕もない。
守は手を差し出すと私を抱き抱えて走った。

馬車に乗ると彼女はおもいっきり鞭を打って馬を走らせる。
その時の守の顔は一生忘れないだろうと思った。

守に見とれていると状況を理解した親族一同が追ってきた。
凄い形相で獲物を追う虎みたい。
「ねぇ、守!追いつかれちゃうよ!」

「大丈夫!良いタイミング!」

町をぐるぐる回って踏切がある通にはいった。
馬車が通れるぎりぎりの高さまで下がった踏切を通り過ぎる。

後続は踏切に遮られ見事私たちは逃げ切った。

守に抱えられたまま質問を投げかける。

「ねぇ?なんでさっき汽車が通るのが分かったの?」
「美子は覚えてないの?ひどいなぁ。私達の初デートであそこ通った時にすっごい踏切でまたされたじゃない?だからもうあの時間にあそこの踏切は通らないって決めてたの。」


「そんなことまで覚えてるなんて、、、。」

「美子と過ごした時間は忘れないよ。これまでもこれからも。」

「プロポーズ?」

「そんなとこ。」
守は頬を染めて馬車を走らせつづけた。
⑥6
日も暮れて川辺で馬を休ませていた。

「これからどうするの?」
美子が守に問う。
「とりあえず、家と職を探さないとね。」

「あてがあるの?」

「これといって。まぁ、大丈夫。美子がいてくれれば。」

「嬉しいけどこのままだと二人とも飢え死にしちゃうよ。」

「う~ん、そうねぇ。」

二人して考え込む。
ふと、美子が守のタキシードの胸ポケットの封筒にきづく。

「?」

 開けると手紙だろうか。何か書いてある。

お二人へ

これを読まれているということはうまくいったようですね。
門出を祝ってお二人にプレゼントです。
この服は使い終わったらこの住所の質屋に入れてください。
 あとで取りに伺います。 当面の資金にはなると思います。
あと馬車に変えの服と少しだけ食べ物を乗せておきました。
機会があればまたお会いしましょう。

 PS
知り合いのメイドに働き口を頼んでおきました。

と質屋と職場の住所が最後に書いてあった。

「あなたのお付きのメイドさんって凄いわね、、、。」
「うん。私と美子を繋いでくれた恩人だよ。落ち着いたらお礼に行こう。」

「そうね。私も会ってお礼が言いたい。」

「寒いから中に入ろうか?」

「ええ。」

守が美子をエスコートして馬車の中に入る。

「ありがとう、美子。」
「お礼を言うのは私。来てくれてありがとう。」

二人とも朝とは考えられないほど幸せな気分だった。

目が合うとどちらともなく口づけをする。
二人の人生最高の夜が始まった。
気が触れてしまって最近の妄想を簡単に小説っぽくしてみました。
至らないとこだらけで恥ずかしいですがよろしければどうぞ。
注意
 紗良と楓とかいつぞやの連続ドラマなど参考にしています。


突然
5月1日私の運命の人が決まった。
私は世間からみたら誰もが羨むお金持ちのご令嬢。
お父さんは超有名な学者でお母さんはその助手。
助手っていってもお父さんくらい凄い人らしい。

そんな両親の元でなに不自由なく16年間を過ごした訳ですが。
やっぱり全部好きなようにはできないみたい。
それまでの自由と引き換えなのかも知れないけど私は自分の1番の望みが叶えれなくなった。

綺麗な服もふかふかのベッドもだだっ広いお風呂もいらないからあの人と一緒にいたかった。
それが私の望み。
初めて自分から願った思い。
そんな一途な想いは両親の意向で見事に砕けて散った。

「なんで一度も会ったことがない人と結婚しなくちゃいけないの!?」
 広い部屋に少女の叫び声が響く。
「美子、いい加減諦めてくれ。」
父が諭すように言う。

これで何回目だろうか。
 居間に集められ半ば政略結婚の説得をされるのは。
 なんでこんな事になってるかというと、家の両親の研究があるお偉いさんの目に留まりかなりの高評を得たらしい。
それから両親とその人は仲良くなって研究に莫大な投資をしてくれる事になった。
娘を嫁がせる条件付きでね。

家の親は私なんか二の次で研究の事しか頭に無いみたい。
なんだかお金で買われたみたいでですごく気分が悪かった。

「向こうのご両親は承諾ずみで日取りまで決めてらっしゃる。今、破談なんてことになったら相手方にも失礼だし研究も続けれなくなってしまう。」

「勝手に話を進めておいて、私の気持ちは無視するの?」
そういって私は自分の部屋に駆け込んだ。
 涙で顔を埋めた枕が濡れる。
もう逃げ切れない事は分かってた。
でも最愛の人を思う気持ちが他の人のところに行く事を最後まで拒んだ。

いくら拒んでもその日は近づいてくる。
自分にはどうしようもなくて、情けなくて。

会いたい、せめて今だけでも。
想っていない人に全てを捧げてしまう前に。
出来るならさらってほしい。
小さい頃からずっと一緒で守ってくれた愛しい貴女(ひと)

外は雨。私の心みたいに。