今日は、私にとっての人生の転機の一つである、カミさんとの出会いについてです。
まぁ、こんなこと、おおっぴらにするのも気が引けるのですが、予告してしまったので。。。
話は私が大学を卒業する前、4年生の冬のときから始まります。
既に就職が決まっていた私は、一つ大きな決断をしました。
それまで約1年付き合っていた彼女と別れることを、です。
最初の頃こそ、始めて付き合う彼女に浮かれていた私でしたが、だんだんお互いすれ違うことが多くなってきていました。彼女は、控えめですが積極的な行動派。忙しくて会う時間もそれほど多くなく、私は心の中で「この関係はいつか終わるだろう」という予感めいたものがあったのです。
大学卒業を前にした今、けじめをつける時だと思いました。
私は彼女に「別れよう」と電話をしました。
彼女も薄々気が付いていたとは思いますが、でも電話口の向こうで泣いていました。
彼女を泣かせてしまった・・・。
このことは、長い間私の心にトゲとして突き刺さっています。
今でも、この思いは消えていません。
こうして、大学時代住み慣れた世田谷を後にしました。
そして次に住むことになったのが、会社の独身寮がある東村山でした。
会社の独身寮は7階建てのワンルームマンションでした。
私の会社はそこの6階部分を独身寮としたもので、他の階は別の会社の寮のようでした。
それまでお風呂が無い部屋に住んでいた私は、お風呂付、エアコンつきの夢のワンルームに大喜び!同じフロアの同期達とも直ぐに仲良くなり、楽しい独身寮生活が始まりました。
夜な夜な飲み明かしたり、まるで学生時代の続きみたい。ほとんど社会人っていう感覚では無かったですね。
ところで、私は当時から250ccのバイクを持ってました。このバイクは学生時代から乗っていたもので、寮ではマンションの駐輪場に置いていました。このマンションでは他にもバイク乗りがいるようで、他にも数台同じように置いてありました。同期の中にも一人乗っているやつがいて、彼はI君といいました。
I君とは、よく駐輪場でバイク談義に話を咲かせる仲でした。
ある日、I君と駐輪場で話していると、一人の女性が駐輪場にやってきました。その女性はI君と知り合いのようで、I君は親しげにその女性と話しています。
私は、なんだか邪魔しちゃ悪い気がして、少し距離をとって自分のバイクの手入れを黙々と続けました。
もしかして、I君の彼女かな・・・?
でも、特にI君に聞くことはしませんでした。
それから暫く経った、その年の7月のことです。
私がバイク乗ろうと思って駐輪場に行った時でした。
駐輪場からバイクを出そうとしている女性がいました。
さっきのI君と話していた女性です。
彼女は、バイクを駐輪場から出そうとしていたのですが、駐輪場の出入り口に車が止まっていて通り道が狭く、バイクをうまく出せなくて困っている様子でした。
私は慌てて助けに行きました。
だって、その彼女は凄く小さいのに、動かそうとしているバイクは普通の250ccバイクなんです。とても危なっかしくて見てられませんでした。
「ありがとうございます」
彼女はそういうと、ヘルメットを取り出し、自分でかぶりました。
え?もしかして、これ乗るの?
彼女の背は私の肩よりも小さいんです。まさか、ほんとに彼女がこのバイクに乗るとは信じられませんでした。
びっくりしている私を尻目に、彼女はさっそうと・・・ではなく、かなりぎこちなくバイクに跨ると、そのままぶ~ん!と行ってしまいました。
大丈夫かな・・・あの娘・・・。
これが、カミさんとの最初の出会いでした。
そして、その日の夜。
理由は忘れましたが何か用があったのか、なんとなく外に出る機会がありました。
ちょうどマンションの入り口のところです。
すると、なんとそこにちょうど彼女が、いやカミさんが帰ってきたんです。
カミさんは友達のところに行ってきたようでした。
どこまで行ったのかと聞くと、結構遠く、確か川崎まででしたか。
えーっ!ほんと!?
びっくりしながら、私たちは、しばらく玄関の前でおしゃべりを続けました。
私は普段無口な方なのですが、この時はなぜかべらべら色んなことをしゃべり続けました。
今から考えても不思議です。どうして奥手な私が・・・(笑)
カミさんは、マンションの3階に住んでいました。
カミさんの会社の寮が、そこだったのです。
つまり、私たちは最初から同じ屋根の下に暮らしていたわけですね。
それから、カミさんとばったり会う機会が多くなりました。
それは偶然だったのか?
正直、「またあの娘に会いたい~!」と念じていました。(^^;
きっとその願いがかなったんでしょう。
ある日、I君と3人で会う機会があり、じゃ三人で飲みに行こう!ということになりました。近くの居酒屋で飲み会です。
でも、私はほとんどカミさんとしかしゃべってなかった気がします。それはそれは楽しいひと時でした。今から思えば、もうこの時に「この娘と結婚するかも」という予感めいたものを感じていました。それはそれまで全く感じたことが無いものでした。
こうして順調に交際を重ね、私たちは付き合うようになりました。
あれ?I君は?
すいません。すっかりI君は蚊帳の外になってしまいました。
きっと私たちのキューピット役だったのだと思います。感謝感謝。。。(^^;
ところで、カミさんは広島出身なのですが、就職したのは広島だったんです。その会社では研修を東京で行うことになっていて、研修が終われば広島に帰ることになっていました。しかし、幸か不幸か!?東京勤務は研修期間中だけ、というのは口実で、そのまま東京勤務が続くことになったのです。地元に帰れないことが分かったカミさんの同期の何人かは会社を辞めていきましたが、カミさんはそのまま残ってくれました。このとき、広島に帰ってしまったら今の自分は無いでしょう。。。これも感謝感謝です。
ちなみに、この寮での生活は最高でした。
だって、私の部屋が6階。カミさんの部屋が3階。簡単に行き来できるわけですよ。
ほとんどカミさんの部屋に入り浸ってましたが。(^^;
ただ、散々言われましたね。
私の同期に。うまい手を使いやがったな!って。(^^;
まぁ、これも運命だったんだなぁと、つくづく思います。。。
(おしまい)