※注意。俺はひみつのアイプリのアニメ途中参加勢なので、1期の10話~20話の話をまだ観ていない。
イントロ
俺が初めて観たプリティーシリーズ、ひみつのアイプリ。
主人公たちアイドルプリンセス(通称アイプリ)が、アイプリバースという場所で歌とダンスを磨き、アイプリの頂点であるスターアイプリを目指す物語だ。
その1期が先日最終話を迎えた。
物語を視聴していく中で、もっとも印象的だったキャラクター、真実夜チィについて書こうと思う。
真実夜チィとは
真実夜チィ(まみやちぃ。以下、チィ)とは、私立パラダイス学園に通う中学一年生のキャラクター。
主人公、青空ひまりや、星川みつきと同じクラスで、チィもアイプリである。
しかし、チィは劇中に登場する他のアイプリとは決定的に違う面を持っている。
ズバリそれは、大会で優勝したことが一度もないのだ。
サビ無しのアイプリ、真実夜チィ
チィはクラスメイトや他のアイプリと接する時には、非常に自信家で強気な話し方をする。
そして大体チィの思うように事は運ばずに、ギャグ要員として扱われていることが多い。
しかし、実はかなりの努力家でもある。
また劇中のアイプリがほぼ集団でトレーニングをしている中、チィだけは一人でトレーニングを行う様子があり、アイプリに対する熱意が人一倍強いことも伺える。
そんなチィだが、前述した通り大会では一度も優勝したことがない。
それどころか、物語に登場する8人のアイプリの中で唯一、バズリウムチェンジというライブパフォーマンスができず、そのため登場からしばらくの間チィの曲はサビまで流れないのが当然になっていた。
周囲のアイプリの中で、自分だけがバズリウムチェンジできず優勝もできない。
周囲のようなキラキラしたアイプリにはなれず、それが虚勢だとしても強気な自分を周囲に見せつける姿に、俺はじわじわと関心を持つようになっていた。
鈴風つむぎとの出会い
1期前半のチィは回を増すごとに悲壮感漂う描写が多くなる。
中でも特に衝撃的だったのは【第9話結成!アイプリ探偵団】での鈴風つむぎ(すずかぜつむぎ。以下、つむぎ)との出会いだった。
つむぎは「ライブをしたことがない」とチィに話すと、チィは「自分が見てきたアイプリの物真似をすればいい」とアドバイスを送る。
すると、つむぎは言われた通り自分が見てきたアイプリの物真似をしただけで、バズリウムチェンジを成功させてしまうのだ。
つむぎがバズリウムチェンジをできたのは、特別な存在だったからだと後に判明するのだが……。
本物の天才を見つけてしまったことや、その天才を世に送り出したのは他でもない自分自身であること。
この時のチィの気持ちを想うと非常に辛くなってしまう。
約束の一番星
※以下、ネタバレ注意
チィが優勝に固執する理由。それはまだチィが幼い頃に交わした約束にあった。
チィが幼い頃、一緒に遊んでくれた親戚のあかねという人がいた。
しかし、あかねは遠くに行ってしまう。
チィはあかねに対して何度も手紙を書いて送るも返事はなく、唯一届いた返事には「いちばん星になってね」と書いてあった。
この手紙が届いたのと同時期にチィはスターアイプリのライブを見て
スターアイプリになってライブをすれば遠くにいったあかねにも見つけてもらえると思い、今まで努力を重ねてきたのだ。
あかねが今も生きているのか。それをチィは知っているのか。
1期の情報でそれらはわからない。しかし、それらがどうなっていてもチィの行動は変わらなかっただろう。
一番星であるスターアイプリにならなければ、アイプリになった意味もないと語るチィだが
主人公たちに、大切なのは自分を応援してくれている人に気持ちを届けることだとアドバイスを受ける。
一番星は一つじゃない。自分を見てくれている人にとっての一番星であればいい。
気持ちを新たに、チィはアイプリバースへと向かう。
この回でチィは人生で初めてバスリウムチェンジを成功させた。
学校や社会に出ると、どうしても自分が最初描いていた夢のようにはならないことが多い。
自分よりあらゆる点で優れた人間は、この世にごまんといるからだ。
しかし、そんな自分でも誰かにとっては一番星の人間なのかもしれない。
煌々と輝くアイドルのようになれなくても、すぐそばで困っている誰かの手を取ることはできるかもしれない。
俺はチィの活躍を振り返ってそんなことを思った。
鏡の中のダークチィ
無事、バズリウムチェンジを成功させたチィ。しかし、チィの苦しみは続く。
そもそもチィがバズリウムチェンジを成功させた段階で、既に他のアイプリは2つ目のバズリウムチェンジを会得しており、
中でもつむぎに関してはチィがバズリウムチェンジを成功させた後に3つ目のバズリウムチェンジまで披露してしまう。
そんなつむぎのライブを見て、チィはつむぎには敵わないと涙を流し絶望してしまう。
その心の隙を突いたかのように、チィはアイプリバースに入れなくなる。
それは時同じくして現れたチィのような格好をした別の存在、ダークチィの仕業だった。
ダークチィはつむぎを幽閉し、アイプリバースを闇に染めようと画策する。
チィは見てくれる人のためにライブをすると心に決めたものの、スターアイプリを目指すのを辞めたわけではなかった。
しかし、実情としてチィよりライブが上手なアイプリがいるとスターアイプリになることは叶わない。
「自分よりライブが上手いアイプリが誰もいなければ、一番になれるのに」
そんなチィの暗い側面がむき出しになったのがダークチィと言えるだろう。
人間だれしも、自分より何かが上手な人間を尊敬する気持ちもあれば、同時に疎ましく思う気持ちもあると思う。
チィはつむぎを『素敵なライブができる友達』と『スターアイプリになるための障害』の2つの見方で捉えていたのだろう。
そして今回は邪魔な障害を消すという方法がダークチィによって執行され、チィは友達を失ってしまった。
一時のネガティブな気持ちに振り回され暴走してしまえば、本当に大切だったものを失ってしまう。
この話の教訓は現代社会に響く警告のように俺は感じている。
自分の中のダークな部分はなるべく抑えるに越したことはない。
真の勝利とは?
チィは再びアイプリバースに入れるようになり、ダークチィとのライブバトルに挑む。
普段のライブバトルであれば審査員がジャッジを下すのだが、今回は審査員無しで対戦者同士でジャッジするとのこと。
(この回のライブバトルは本当に好き)
ライブ終了後、ダークチィは自信満々に立ち、チィは膝から崩れ落ちてしまう。
チィはライブバトルでは、ダークチィに敵わなかったという様子だった。
しかし、チィは負けていなかった。
応援してくれる人や、アイプリが好きという気持ちがあるなら、それに応えるために頑張るしかない。
その気持ちを、絶対に負けたくない相手に敗北してもなお、失ってはいなかったのだ。
ダークチィはチィを絶望させられなかったのを理由にチィを勝者と認め、姿を消した。
ダークチィが消えたと同時に、つむぎも解放されたのだった。
人の内面には様々な感情がある。尊敬する気持ちや憎む気持ち、頑張ろうという気持ち、何もしたくないという気持ち。
だがそれらに折り合いをつけるのは結局、他でもない自分自身だ。
夢や目標に対して、それを途中で投げ出す理由はやっていれば無限に湧いてくる。
それらはダークチィのライブのように『覆すことができない実力差』として襲い掛かってくるかもしれない。
しかし、感情はそんな事実ですら時に吹き飛ばす強い力になる。
チィの発言は人間の奥底に眠る強い力を示してくれているのだと俺は思う。
一条寺サクラの評価
アイプリバースの危機も去り、ファイナルグランプリでも一次予選で敗退してしまったチィ。
しかし、そんなチィに新しい展開が待っていた。
新学期が始まり、中学二年生になったチィは、
スターアイプリでもあり前年度生徒会長でもあった一条寺サクラから次期生徒会長に任命されたのだ。
ファイナルグランプリでサクラはチィのことを「この一年で最も成長したアイプリ」と評価しており
サクラの元にはスターアイプリになった後輩もいるが、総合的に判断してチィを指名したと推測できる。
チィは一番星になるための努力を続け、本人の中でそれはまだ道半ばなのかもしれないが、
その努力を確実に評価してくれる人がいて、本当に良かったと思った。
俺も仕事や人生で悩んだり、苦しむことがあっても、チィのように最後は前を向いて生きていこう。
俺のことを応援してくれる人や、俺が好きだと思う大切なもののために。
2期でのチィの更なる活躍を願う。
考察
【チィ】は中国の言葉で『目には見えない力』という意味があるらしい。
(Qi充電について調べる過程で知った)
チィは作中でかなり異色の扱いを受けており、特に人には見えない心の中の葛藤や、希望、絶望といった
感情の描写が強いキャラクターだったと俺は思う。
名字の【真実夜】も合わせて、一見夜空には見えない【チィ】でもそこにあるのが真実。
つまり『わかる人にはわかる良さがある』みたいな意味合いのネーミングだったのではないだろうか。