アジアチカのクチコミ

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話をしたかったが、監視が厳重で、そばへよれませんでした」
「そうか。ではおれが助けにゆく」
「まあ、お待ちなさい、機長。まだお話があるのです。彗星一号艇の乗組員に会いました」
「えっ、一号艇は無事か」
「艇は無事だそうです。私は児玉法学士に会って、それを聞きました」
「望月大尉は健在か」
「はい、大尉も、電信員の川上少年も、軽傷を負っているだけで、まず大丈夫です。児玉法学士は大元気です。彼は緑鬼どもと強い押問答をやって、待遇改善をはかっています。私は彼とよく打合わせました。われわれは、けっして緑鬼どもに頭を下げないことにしました。そして彼らの弱点をついて、あべこべに彼らをわれらに協力させるのです」
「できるか、そんなことが」
「それについて児玉法学士は、一つの方法を考えていました。彼はきっとうまくやるでしょう」
「どういう方法か」
「要するに彼らを説き伏せ、まっすぐな道を歩かせるのです。しかし、もしもこのことが不成功のあかつきには、われわれは即刻この『魔の空間』から引揚げないと危険なのです」
「それはどういうわけか」
「これは私の調べた結果ですが、ミミ族という生物は、われわれ人間とはぜんぜんちがった先祖から生まれたものです。ですから、性格がすっかりちがっているのです。あのココミミ君は、もっとも人間に近い性質を示していますが、あれは人間学を勉強して、あれほど人間に近い性質を示すようになったのです。しかしミミ族は、生まれつきひじょうに残酷な生物です。人情などというものはなく、まるで鉄のように冷たい生物なのです。そのかわり正直この上なしです。ほしいと思うものにすぐ手を出して取り、強い者には頭を下げ、弱い者はすぐ殺すのです」
「どうして、そんなことがわかったのか」
「私が見てきたのです。山岸中尉、彼ら緑鬼は、動物の一種でもなく、また植物の一種でもないのですぞ」
「なんだって」山岸中尉はおどろきのあまり、思わず大きな声をたてた。