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権利は本当に守るべき時代なのか?

中部経済産業局からセミナー講演の依頼を頂いた。

ソフトパワー産業育成に関わる知的財産セミナーであり、その取り組みを支援することを目的としている。
様々な産業の経営者や知財やマーケティング担当者、デザイナーやクリエイターなどを対象に、戦略的なデザイン・マネジメント、そしてブランドマネジメントについての講演依頼である。



昨日は、担当の方々が弊社にわざわざ訪問して頂き、その概要をお聞きした。


ただ、若干主旨に違和感を覚えたので、率直に語ってみた。


勿論、この10年で企業での知的財産権の重要性は意識として高まったと感じる。

特に昔からモノづくりの企業の多い中部圏。
ブランドは勿論、意匠や特許技術、守るべき知的財産の宝庫かも知れない。

私自身も大手メーカーを経験し、自らメーカーを立ち上げ、そしてamadanaというブランドもゼロから立ち上げてきた。
ブランドというものがどのように進化し、世の中に広まって行くのか?
そのプロセスもずっと見てきた。
特にデザインというモノサシの無い付加価をエレキの産業の中で大きな差異化としてきた。

大きな波にのまれないように、必死に守ってきたものがあったのは、実は我々かも知れない。

だから、言ってる意味は誰よりも納得もできる。

権利は守るもの。
そしてその権利で経済的価値を生み出すもの。


ところが・・・・。


ここ1年本当にそれでいいのか?
という気になっている。

時代はソーシャルの世界へ大きくシフトしてる。

しかもそれは自然な流れで、感覚でソーシャル化されているということ。

一部の若者だけでも、渋谷だけで起こっていることでもないということ。



それによってマーケティングも大きく変わった。

モノはコモディティ化が進み、メーカーのビジネスモデルは大きな転換期に来ている。


権利は守ることで無く、世の中と共有して初めて価値に変わる時代。

そんな時代になったと思うのだ。





象徴的な出来事の一つがコレ

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1101/07/news074.html  


教授は韓国で行ったライブを全世界に無料配信した。

自らパブリックビューイングを推し進めた。

六本木のTOHOシネマズで実施されたパブリックビューイングのチケットは2,200円で即完売。


教授は、今までは音楽という権利を必死に守って、その枠に入ってくるならお金を取る、そんなビジネスだった。

しかし、これからは「情報」には何の価値もない、「体験」にこそ価値があると語ったという。


また、大手レコード会社は、ニコニコ動画に楽曲使用を包括で提携した。


時代はそんな時代だ。


自己完結、垂直統合よりも、いち早く世の中の周波数の合う人々と手を組んで行く。


権利は守るだけでは、何の価値もなくなる時代かも知れない。