(自分の備忘録として記すので細かいです。

でもほんとにこういうのって忘れちゃうから細かく書いておくとあとで結構楽しいんです。)




その日はいつもと変わらない一日を過ごしてた。


8月5日金曜日夕方、日本の友達とチャットしてたら

わたしと全く同じ予定日(8月19日)の友人が明け方(日本時間の6日未明)出産したことを知った。


その時の私は

わわー めっちゃ早い!びっくり

わたしもいよいよだなー、ちゃんと入院準備いい加減しないと・・・


と思ってその場で下着や化粧道具など詰め込み始めました。

でもその晩に必要になるなんて思ってもみなかったわ・・・





8月6日 0時30分ベッドで横になってブロ友のブログを見たりしてのんびりしてて

さー 寝ようかと思ったら

んん? なんか濡れてる?

触ってみると確かに濡れてるし、量が多い。

先日の破水事件 の時より明らかに多い。


頭真っ白。

10秒くらい真っ白。


レックスの部屋でレックスと一緒に寝込んでしまった夫の名前をとりあえず叫ぶ。

4度目で夫来た。


とりあえず動くとお腹が痛い感じがするしお水もじゃーっとでちゃいそうになるので

動かず夫にいろいろ持っていくもの、準備するものを指示。


しっかし、母親が日本から来るのは8日だし、義両親は11日までノルウェーから帰ってこないし

レックスはLDR(多分Labor & Delivery Roomの略・・・ 陣痛、出産までするお部屋)出入り禁止だから

どうするか・・・ めちゃくちゃ夜中だけどやっぱり病院近くの知人に預けるしかないよな・・・

彼女は私が会計事務所で働いていた時にアシスタントをしていただいてた方で

申し訳ないけど・・・ 病院でチェックインしたら電話するしかないか。


股にあてていたタオルはかなり濡れている。

とりあえず黒のマキシドレスがちょうどいい。



1時30分

病院へ出発。 病院はパサデナ。自宅はレドンドビーチなのでこの時間車で30分くらい。

この時はすでに陣痛が始まっていた。

わたし、ひじょーに冷静でした。夫の方がちょっとてんぱってたな。

そんなにスピードださないでいいってば、と何度か言ったな・・・


2時すぎ

パサデナのハンティントン病院到着。ERの前で降ろされる。

iPhoneのappで陣痛の間隔をはかるやつがあるのでそれでひたすら時間をはかる。

もうこのとき陣痛の間隔3-5分くらい。

今から思うともう結構早いよね、間隔。 でも陣痛自体は15秒くらいかなぁ。


夫が車をパークさせてる間、ERから出てきた家族がわたしに車いすをくれた。

うれしい。


黒人のセキュリティーの人が話しかけてきて

これから出産すると話してたら夫とレックスがやってきて

セキュリティーがわたしをLabor & Deliveryまで押してくれた。

うれしい。


チェックインカウンターで保険のやりとりなどをちょっとして

ここで夫とレックスと別れる。子供は中に入れないので・・・


ちょっと心細い。 お腹痛いのに・・・さみしい

知人に連絡はわたしがするねー と遠くになった夫に叫ぶ。


Triage Roomに行く。

トリアージ部屋・・・調べてみたら緊急医療の優先順位振り分けと出た。

とりあえずここで妊婦の様子を見て出産が近いと見たらLDRに行けるらしい。

前回のエセ破水 はここでかえされた。


まず陣痛の間隔を聞かれ、3-5分と言うと10が一番痛みのMAXで今どのくらいか聞かれたので

日本の出産を経験していたわたしは6か7という。


ここで病院の薄い服(背中があいたやつ)を来て、陣痛と赤ちゃんのモニターをつける。


知人に電話する。発信記録をみたら2時29分だった。申し訳ない・・・

破水入院したことを伝えて夫がレックスをドロップしたい旨を話して

お家への行き方を口頭で教えてもらうも途中陣痛が入って頭に入らず・・・


その後待合室にいる夫に電話するも10回電話してもでないので、めちゃくちゃキレル!!

なにやっとんじゃ~~~~怒怒


(あとで聞いたら全然鳴っていなかったらしい)



子宮口チェックされる。

まだ入り口が後ろの方にあるらしくちょ~~~~うぐりぐりされて悲鳴をあげる!

ごめんねーごめんねーと言いながら長いし!!


すでに4.5cm開いてるって。 

へぇ~ なんか微妙?とかその時は思ったけど今思えば結構ひらいてるよねー、まだ破水して2時間なのに。



2時45分

LDRに移される。

わーい、わーい、わたし初のLDRだわー とちょっと感動。

モニターもあるし、赤ちゃんを温める機械や体重計、その他テレビとかシャワーとか完備で

ちょっとゆっくりしたい感じ・・・ 


でも無理な話。


いろんな人がやってきて点滴の針をさしたりや血圧計ったり、腕にバンドされたりね・・・

質問も20-30くらい項目があった気がするな・・・

陣痛と陣痛の間は和やかムード。


恒例の1から10の痛みチェックは7から8と答える。

まだ我慢できる程度だったけど、エピドゥラル(無痛の薬)を用意するのに時間がかかるの知ってたし

あまり遅すぎると入れられないの知ってたから、もう入れてほしいとお願いする。


今日何人の人がチェックインしてるのか聞いたらなんと今夜はわたしだけですと!

ラッキー!!!

みんながわたしをお世話してくれるなんてこんなラッキーなことはないわ♪


夫と連絡がとれないと文句を言っていて今夜は私だけということもあって

本当は子供出入り禁止のLDRに夫とレックスを連れてきてもらった。



いろんな管につながれてたまに苦痛に顔をゆがませている母親を目の当たりにして

レックン硬直。 夫にだっこされたままじーっとわたしの顔を見てる。

いつもはいろんな人に愛嬌ふりまくのに、真面目な顔してた。 

そっかー、なんか違うと思うんだな。



3時過ぎ

夫がレックスをドロップしにいなくなる。

子宮口チェックされて、確か6cmくらいだったと思う。

陣痛が3回に1回くらい急にすごく強くなって

アクセルが下にずずずーっと下がってるんだなと思う。


日本で感じた痛みではまだなかったけど

近いものはあったな。


途中でなにかで読んだことを思い出す。

陣痛は痛みに耐えようとするんじゃなくて

その波に乗っかっていく感じにするとお産がすすむって。


だからやってみたらなんかいい感じ?

ちょっと痛みも和らいだような。 

どうしてもこわばってしまう体の力、抜いたほうがいいみたい。


陣痛もどんどん激しくなって間隔も30秒く~1分くらいだし

もう~ 早くエピいれてよ~ ってな感じになって

2,3分おきくらいに「エピまだなの?」って聞く。

あと10分くらいかな、とかあと5分よ、とか言うんだけど


今夜わたしひとりなら、今すぐに来い! と何度毒付きたくなったか・・・



ちなみにナースは常にそばにいてモニターチェックやら質問やらしてるんだけど

この陣痛がどんどん激しくなっていってわたしの声も大きくなっていく間

誰一人「がんばれ!」とか応援してくれたり腰をさすってくれたりする人がいなくて

ひたすらわたしひとりで勝負って感じで(エピだけが心の支え)

今思えばかわいそう、わたし・・・ 

夫や母がいてくれてたらよかったんだけどなあ。


廊下ではナースたちの談笑が響き渡って

今日は私だけだから暇なんだろうなーとかって思った。

でもこの和やかムードがちょっとわたしには心地よかったな。



3時45分頃

ようやく麻酔師登場。

ヨーロッパ人かな、男の医師。 

わたしはベッドのわきに腰掛けてナースに抱きつくスタイル。


背中にちょっとひりひりする薬品で消毒してから

ちょっとピリッとしてエピを入れる前の麻酔を注入、全然痛くない。

それから脊髄にエピを入れたんだけど痛くないよ、全然。

ただすごいプレッシャーを感じるから動かないようにナースに抱きつく。


麻酔師、消毒とかしてる間鼻歌歌ってるし、緊張感ゼロ。



エピ初体験で内心わくわくの私はこれすぐ効くんでしょ?と聞く。

麻酔師はおそらくあと1回か2回(の陣痛は)痛いよ。だって。


その後、3回目も4回目も5回目も6回目も・・・


痛いんですけど!!!! 


(この間麻酔師もわたしを監督)



どうやらエピがうまく効いてないので(よくある話)

もう一度やり直し。 そう、初めから、消毒から。

文句言ってる余裕もないので素直に従う。

この時も鼻歌歌ってたわ・・・yaa



2回目のエピは速攻効く。

気が付いたら寒くて歯ががちがち震えてたんだけど

(日本の陣痛室も出産室も暑いくらいだったけどこっちはエアコン結構効いてて・・・)

エピが入った瞬間、体がぽかぽか~っと暖かくなってきて

お腹も痛くなくなって気持ちもほかほか~ 


OH, I LOVE エピドュラル!!!わーいわーいわーい


もう、まさに地獄から天国~

この快感を味わいたくてもう一度お産してもいいなー(これってM?)



ちょうどこの時夫がレックスをドロップして帰ってくる。


ちぇっ、わたしが一番つらい時はいなかったな・・・




4時すぎ

エピが入って余裕で夫とおしゃべりタイム。

もうなんか楽しくなってきた。


陣痛は全く感じない。

だけどたまにずずずずずっと下半身でものすごい圧力を感じる。

ナースにものすごいプレッシャーを感じる・・・! というと

ベビーが下がってるのだと。

早速子宮口をチェックするともう9.5cm開いてると・・・!


ナースもあわててドクターに電話する。

これから30分以内に到着するらしい。


うそん、もうちょっと早く来てよー 

かなりアクセル君ペース早いんだけど…


てゆーか、せっかくエピ入れてもらってちょっとゆっくりできると思ってたのに

もうさっそく出産準備でばたばたばた・・・


夫は寝むそう・・・(わたしが全然痛がってないのでこの人も緊張感なし)



この時夫にとってもらった一枚。エピが入ったので笑顔。

30分後出産でーす。(スッピン画像自粛中)



4時半頃

やっとドクター登場。

そうそう、わたしのドクターはちょうどバケーションに行ってて

代わりのドクターに来てもらったのでした。

おそらくインドとかその周辺出身の優しい女医さんでした。

(また女の先生でよかった・・・)



すぐ子宮口をチェック。

全開、10cm。


「赤ちゃん、すぐそこにいるから一回のプッシュででるわよ」
といわれる。

日本のお産の時にわたくし、プッシュが上手すぎて、

誰も予想しないくらいの早い段階でレックンの頭をだしたので

(そのせいでびりびりになりましたが)

プッシュには自信があった私。


一回で出すわ!


と思ったのだけど・・・


エピをいれたばかりで、下半身、なんとも感覚がなくて

お産の体制になって陣痛の波が来て

プッシュしようとしてもなんとも力をこめても入ってるのかよくわからなくて

3回目でアクセル君の頭がでました。



頭が出たとき、ブシュッっとすごい勢いで飛び出してきて(笑)

頭の後ろにあった羊水がびちゃっと出てきて

ひとりのナースさんにひっかかってしまいました汗

そのナースさん、豪快に笑いながら

「今日2回目だわ―、 浴びたの」と言ってました・・・


4時44分


アクセル君、誕生しました!


Rexy the King in LA
この出産直後の顔はレックスにそっくり~ 口が腫れちゃってるあたりも。

予定日と比べて出産が早いにつれてこの白い脂の量が多いんだって。

予定日以降に出てくる赤ちゃんってきれいにこの油脂がないらしいよ。



3,172g、51.5cmの元気な男の子です!



Rexy the King in LA



日本でレックスを産んだ時 は無痛じゃなかったので

正直言ってレックスを産んだ瞬間、感動とかそういうのではなくて


この痛みからやっと解放された~ 


って感じだったけど今回ははっきり言って


こんなに楽に産んじゃった~ ひゃっほーいるんるん

って感じでした。




もちろん、2人目なので産道は随分通りやすかったのはあったと思うけど

エピを入れた途端に子宮口が6cmから9.5cmまで一気に開いたのは

痛みがなくなって体がリラックスして筋肉の緊張がなくなり

お産が一気にすすんだのよ、とナースたちに口々に言われました。


頭がポンっっとまた出てしまったので少々切れてしまいましたが

その処理も2,3分で終わりました。しかも麻酔が効いてたのでNO PAIN!!

申し訳ないくらいいちいち比較しちゃうけど、

レックスの時はビリビリで複雑だったので麻酔なしに30分縫われるのはつらかった。



LDRで出産は産んだ後もベイビーの処置をする設備が部屋に整っているので

ベイビーを始め夫もみんな部屋にいてくれてよかった。

レックンの時はみんな体重とかはかりにささささーっとどこかに行っちゃって

わたしとドクターふたりきりでぽつーんで30分くらい縫われてめっちゃさみしかったから。





というわけで、無事に出産できました。

わたしは日本とアメリカ両方で出産を体験できて比べることができるのだけど

断然アメリカの方がわたしはよかったです。


自然に産みたい、薬はできたら使いたくないって言う人もいると思う。

それはそれでわたしは尊重したいと思う。 そういう考えの人がいても当たり前だ。

だけど、わたしは一人目のお産がすごく痛くてトラウマになっていて恐くてなかなか2人目を考えられないって言う友人を少なからず知ってる。 実際わたしも一人目を産んだ時、想像を絶する痛さで(多分誘発もしたからなのかな)もう無痛じゃなかったら絶対無理!って思った。


日本の現状をみると無痛分娩ができる施設、技術がある医師が少なすぎる。都内でさえ少ない。

日本の女性に無痛を選択するオプションがもっとあればいいのに、あるべきだと本当に思う。

わたしの出産した総合病院も無痛はなかったし、出産後次回は絶対無痛にする~なんて冗談とも本気ともいえないコメントをナースにしたとき、ちょっと嫌な顔をされた。

どうして無痛を選択することが女性として、母親として「痛みをこらえることができない女性、出産から逃げてる」と思われなくちゃいけない?もっと日本で無痛分娩ができるようになったら出生率上がると思うんだけどなぁ。


日本の我慢・努力が美徳、というのがやっぱり根本にあるのかな。

「痛みを伴わなくちゃお産じゃない」ってね。

確かに薬なのでリスクもあるけれど、どんなお産でもリスクは伴うし母体にも子供にとっても負担がかなり軽減されるし、産後の回復も早いのになぁ。




Rexy the King in LA

生まれた当日のアクセル君。髪の毛ふっさふさ。


次回は出産レポ~入院編でーす。



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