私は幼少期、両親が離婚して

父親に育てられた。


とにかく凶暴な父だった。

職人で、毎晩酒を浴び、

帰ってくると家で暴れた。


母性と言ったら、母方の祖母に

よくご飯のお世話になっていたけど

小さい頃から自分は、他の子と違うと感じる事が多かった。


父からの暴力などから逃れたくて

叔母の紹介で、ある宗教を信仰していた。


そのお陰だろうか、

イジメにはあった事はないし

学生の頃の友達は、みんな優しかったし

中学までは、とても楽しかった。


でも高校に入ると同時に、鬱病と過食、そして摂食障害に悩まされた。

そして不登校になった。


苦しながらに、信仰は続けていて

二十歳頃まで続いてた摂食障害はそのおかげで良くなったし、

不登校にも関わらず、担任に恵まれた為

留年することなく卒業できた事には感謝しかない。


高校を卒業すると同時に、私は家を出た。

最初は友達の家に居候しながらキャバクラで働いていたが、そのような生活が長続きするはずもなく、寮付きの仕事を転々とした。


鬱は当時もずっと続いていて、

死にたいという気持ちが常にあった。




2年ほど経った頃に、

実の母親が、末期ガンだと言う事を知らされる。


母は離婚してからずっと、祖母の家にいた。

が、母親という自覚は元々あまりなくて

一度ガンを患ってから、精神的におかしくなっていた。

独り言を言いながら、街を徘徊するような感じだ。


そんな母が、四十歳そこそこで

末期ガンで死ぬ………?という事が

とにかく愚かで可哀想で、私は三日三晩泣いた。

そしてガンで亡くなるという事の恐ろしさも知った。


「私は絶対母のようにはなりたくない!」

そう深く心に誓ったんだ。