父親と母親が亡くなって、もう25年になる。
その3年前に家内の父親が亡くなった。兄も父母の1年後に後を追うように死んだ。
その後、しばらくして、バタバタと近しい人が居なくなった。
これほど集中して繋がりの濃い者が亡くなると、心にポッカリとした穴のようなものが空く。
その後の人生も何かしら寂寥感のようなものの中で生きている。何かしら力が湧いて来ないものだ。
そうこうしている間に、ヨメの母親が徐々にではあるが、認知症になり、もうかれこれ10年になる。今年、90歳だ。
もう自分の娘のことや孫のことも覚えてはいない。
義母は実母を2,3歳の頃亡くしている。覚えているのは、白い三角頭巾をした母親が棺桶の中にいたという記憶だけだという。
それでも、後妻さんに来た養母に、本当の娘のように育てられた。そういう意味では幸運な人ではある。