エイジレスの375回 花の青い光冠に引き寄せられるハチ
アリは、一般にはハチとは全く違うかのように扱われますが、分類学上は、アリはハチの中の1分類群です。
アリは、一般に翅がなく、多くのハチは翅をもつが、ハチの中でもアリガタバチやアリバチなど成虫(特に雌)が翅を持たない種もあり、それらは外見上アリに類似しています。
また、アリの女王と雄アリは翅を持ち、結婚飛行を行う。
このときの姿はまさにハチで、特に雄アリはハチに似ています。
また、一般にはアリは針を持ちませんが、一部にはヒアリやハリアリ等、針を持ち、刺されると痛むものもあります。
アリは、基本的には肉食で、狩りバチの系統から、地上生活へ進み、独自の進化をしたものらしいです。
アリの話みたいになってしまいましたが、アリもハチも毒を持っているので、注意したい昆虫です。
とうことで、今回のお話は、何かの役に立つかもしれません。
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一部の花は、花弁に線条が入っており、これによって光が散乱して構造色が生じ、花粉媒介生物が感知できる信号が生じる。
このナノスケールの線条は、秩序にある程度の乱れがあり、一輪の花の線条パターンは大きさと間隔が多様化している。
今回、Beverley Gloverたちの研究グループは、いろいろな種類の被子植物について、こうした線条を分析し、このナノスケール構造のバリエーションにもかかわらず、全ての線条における秩序の乱れの程度が類似していることを明らかにした。
このように秩序の乱れた構造に太陽光が当たると、基調的な色素色が何であっても、紫外光から青色光の光冠が生じる。
ハチ類は、青色に引き寄せられることがすでに明らかになっているが、青い光冠がハチ類を引き寄せる視覚的特徴なのかどうかを判定するため、Gloverたちは、天然の花に見られるナノスケールの表面パターンのある造花とない造花を作った。
次いでマルハナバチの行動実験が行われ、マルハナバチは、青い光冠を生じない造花よりも、青い光冠を生じる造花の方を早く見つけられることが実証された。
Gloverたちは、花におけるナノ構造のバリエーションは独自に進化したが、全ての花が、花粉媒介生物の目を引くような際立った視覚信号を発するようになった、と結論付けている。
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ヒトと昆虫では、目に見える光の波長や見え方、感じ方も異なるので、青い光冠の何が良いのかは、ハチさんに聞いてみないとわかりませんが、造花でも効果があるとのことですので、困っておられる方は、試してみては如何でしょうか。