エイジレスの373回 海水の減少を示唆
地球には約 40 億年にわたり海が存在し生命が育まれました。
が、なぜ海が 40億年ものあいだ存在し得たのか、また今後も海は持続的に存在し得るのか、まだはっきりとしていません。
海水の量は、水を含んだプレートの沈み込みによる減少量と、火山などの脱ガスによる排出量のバランスによって決まります。
プレートの水の取り込みは、これまで最上部の海洋地殻に限られると考えられてきましたが、近年の海底地震波探査では、海溝付近のアウターライズ断層にそって水の浸透が海洋マントルまで達していることが指摘されています。
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岩石の水の通りやすさをあらわす浸透率は、圧力(深さ)の増加と共に低下する傾向が見られ、このことは断層からの水の広がりは深さと共に減少することを意味しています。
また,水の広がりは海水が供給される時間にもよるため,海
洋マントルで形成される蛇紋岩の分布は時間とともに拡大します(取り込まれる水の量も増大します)。
これらの実験結果に基づき,海洋プレートによって地球内部
へ運び去られる海水量を見積もったところ,年間 2.5×109 トンにも値し,これは火山などの脱ガスにより水が地球内部から排出されている量よりも多いことがわかりました。
今回の研究成果は,地球内部の水循環を明らかにする上で重要なモデルであり,アウターライズ断層にそってより多くの海水が海洋プレートに取り込まれることで,海水が現在減少傾向にあることを示唆しました。
現在の海水の総量は 1.4×1018 トンになるので,単純計算では約 6 億年後に地球では海が消滅することになります。
現在,荒涼とした砂漠が広がっている火星においても,過去には地球のように青い海に覆われていた可能性が指摘されていますが,地球も火星と同じ運命をたどり,海のない乾燥した赤い惑星になる将来が待っているのかもしれません。
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地球温暖化により、氷河が解けたり、海水温度の上昇による海水の膨張で、海水面の上昇が懸念されていますが、長いスパンでみると、むしろ、海水は減少する傾向にあるようです。
因みに、5億年後には、太陽の膨張の影響を受けて、人類が大変なことになっている予定なので、海がどうのこうのという話は、忘れ去られているかもしれません。。。