エイジレスの372回 赤潮原因プランクトンの北上を確認

 

 

 

 赤潮とは、海水中で浮遊生活している生物(プランクトン)の大量繁殖や集積によって、海水の色が平常時と異なって着色する現象です。

 

 湖沼に生じる同様の現象は淡水赤潮とよばれます。

 

 呈色状態は、生物の種、活性、密度によって多様であり、色合いの違いから、白潮(しろしお)、青潮(あおしお)、緑潮(みどりしお)とよばれることもあります。

 

 また、赤潮が水産業に大きな被害を与えるところから、厄水(やくみず)、薬水(やくみず)、くされ潮、苦潮(にがしお)などともいわれます。

 

 一旦、大規模化すると、数十億円規模の被害がでることもあります。主な被害は以下の通り。

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 鞭毛藻には有毒種が多く、魚類を斃死(へいし)させ、また有毒化した魚貝類を食べた人間が中毒したりする。

 

 人間の粘膜を刺激するガスを発生し、熱病の原因となる種もある。

 

 無害種でも魚貝類のえらに付着して窒息死させることがある。

 

 赤潮生物が急激に大量死すると、有毒細菌が繁殖したり、酸化分解のために水中の酸素が欠乏して魚貝類を斃死または逃避させる。

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 今回のお話は、これまで考えられていた以上に、温暖化が影響しているかもしれないというお話です。

 

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 温暖な海に生息する赤潮の原因となる植物プランクトンが,北海道周辺まで北上しており,さらにその量もこれまで考えていたよりも多いということが,水産学部附属練習船長崎丸の調査で明らかになりました。

 

 地球温暖化の影響で海水温が上がったことが原因と考えられます。

  長崎大学と山形大学の研究チームは,2016年8~9月にかけて,長崎県から北海道函館湾までの日本海側において,水深4 mの海水を3時間毎に採水し,計66カ所のプランクトンの組成を詳細に調べました。

 

 

 その結果,暖海性の鞭毛藻ディクチオカ・メサネンシスDictyocha messanensisが秋田県以北から函館湾で多数発見されました。

 

 この植物プランクトンは,赤潮の原因となる植物プランクトンの1種で,これまでは北海道などの北の水域ではほとんど見つかっていませんでした。

 

 近年の海水温の上昇が本種の生息域が北上したことの原因ではないかと考えられ,今後も注意深い調査が必用です。

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地球が温暖化して良いことは何もないような感じです。。