エイジレスの368回 毛包と表皮の形成における亜鉛の役割
亜鉛は、生命活動に必要な微量元素の 1 つであり、生体内における亜鉛は、皮膚・骨・筋肉に多く存在しています。
何らかの原因によって生体内の亜鉛量が減少すると、皮膚炎や骨密度の低下などを発症する「亜鉛欠乏症」となります。
特に、皮膚表皮の脆弱化や脱毛は亜鉛の欠乏によって現れやすい症状として知られており、これらの組織の形成や維持に亜鉛が重要な役割を果たしていると考えられています。
今回は、まだよくわかっていなかった毛包と表皮の形成における亜鉛の役割が解明されたとのお話です。
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皮膚の毛包に発現する亜鉛の輸送体(亜鉛トランスポーター)
「ZIP10」に注目し、その役割について、マウスと培養細胞を用いた実験から解明に挑みました。
その結果、ZIP10 が欠損すると表皮の形成が著しく阻害され、皮膚バリア機能が失われることが分かりました。
また、毛包の形成も阻害されて、ZIP10 の欠損が毛の形成にも支障をきたすことが判明しました。
さらに詳細に調べると、毛や表皮などの上皮性組織の形作りに重要な転写因子である p63 の活性が、ZIP10 の欠損によって低下することが分かり、ZIP10 が輸送する亜鉛が、p63 の活性制御に関与していることが明らかになりました。
今回の成果は、亜鉛トランスポーターZIP10 が毛包や表皮の形成に必要であることを示しています。
今後、ZIP10 の機能を詳細に調べることで、毛や皮膚に関連する病気において、ZIP10 が有用な治療ターゲットとなることが期待されます。
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どうやら、亜鉛をしっかり摂取していても、ZIP10が不足していると、結果的に亜鉛欠乏症になってしまうようです。
若くして、毛髪が寂しくなっておられる方がおられますが、ひょっとすると、ZIP10欠乏かもしれません。
試してみては、如何でしょうか?
因みに、日本テレビの 『ZIP!』とは、何の関係もありません。。