エイジレスの347回 遅発性アルツハイマー病の重要な遺伝的リスク

 

 

 遅発性アルツハイマー病というのは、アルツハイマー病の大部分を占めるほどの病気です。

 

 インパクトが強い分、若年性アルツハイマー病の方が有名ですが、普通にアルツハイマー病と言えば、遅発性です。

 

 にも関わらず、遺伝子研究では、若年性アルツハイマー病の方が進んでいます。

 

 今回のお話は、遅れていた遅発性アルツハイマー病の遺伝子研究が遅れを取り戻すため(?)の研究です。

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 APOE4は、1993年に遅発性アルツハイマー病の強い遺伝的リスク因子として見つかったが、アルツハイマー病にどのような仕組みで関わるのかは、いまだにほとんど解明されていない。

 

 

 APOE4が、アルツハイマー病の重要な誘発因子であるアミロイドβタンパク質の脳内での沈着に影響することは知られている。

 

 しかしこの変異体が、アルツハイマー病のもう1つの重要な特徴であるタウの異常にも関係するかどうかは不明である。


 D Holtzmanたちは今回、タウオパチー(脳内でタウタンパク質がもつれて凝集し、害を及ぼす)のマウスモデルを使って、APOE4タンパク質がタウの病原性に影響を及ぼし、神経の炎症やタウを介した神経変性を悪化させることを明らかにした。

 

 マウスでは、APOE4がこれらの病理過程に“有害な”機能獲得型の作用を示すことが分かった。

 

 一方、APOE4がないことは防御的に働き、タウを介した神経の炎症や神経変性を弱めるらしい。

 

 これらの知見が臨床に活かせるかどうかを判断するにはさらに研究が必要だが、今回の知見が示唆するように、APOE4は、タウが関わる神経変性を抑制するための有望な治療標的になるかもしれない。

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 四半世紀も前に見つかったAPOE4ってやつが、悪さをしていることが、ようやく証明されました。

 

 しかし、本研究に基づくお薬の開発は、これからですので、随分先のことになりそうです。

 

 ということで、まだ罹患していない方は、早めに睡眠することをお勧めします。

 

 アルツハイマー病の重要な誘発因子であるアミロイドβタンパク質が脳内に沈着しても、睡眠中の11時~2時ぐらいの間に、排出されるらしいので。。。