エイジレスの342回 オキシトシンを小腸で吸収する仕組み
オキシトシンは、アミノ酸が、9個くっついた「ペプチドホルモン」の仲間で、幸せホルモンとか、愛情ホルモンとか言われたりします。
その名の通り、主に男女間や親子間などの身体的接触により、脳の視床下部あたりから放出されます。
何らかの刺激により、一旦、オキシトシンが分泌されると、近隣や自己細胞のオキシトシン受容体を通じて、オキシトシン合成がさらに促進されます。
で、合成されたオキシトシンは、さらに近隣細胞を刺激し、オキシトシン合成量は飛躍的に上がり、益々、ハッピーになっていくホルモンです。
で、どんどん合成して、ある一定の量が合成されると、やがて下垂体後葉にオキシトシンが分泌され、血液に乗って、全身を駆け巡り、超ハッピーになっていくホルモンです。
オキシトシンは良好な対人関係が築かれているときに分泌され、闘争欲や遁走欲、恐怖心を減少させる他、盲目的に、相手を信じてしまうという、ちょっと問題な現象も起きたりするようです。
特に、女性が出産するときに大量に放出され、生まれたわが子への愛着心が急激に高まると言われています。
浮気予防、ストレス軽減、美肌、アンチエイジング、記憶力アップなど様々な効果が報告されていますが、彼のことが好きすぎて、彼以外の周りの人に冷たくなるとの副作用も報告されています。
自閉症にも効果もありとの報告もありますので、今後の研究が期待されるところです。
何はともあれ、女子力アップには、必須のホルモンですので、相手のいる方は、抱きつきまくって、オキシトシンをどんどん生産しましょう!
相手のいない方は、お友達や犬・猫とでもOKです。(とは言え、やたらと抱きつくといろいろと誤解を招くので、時と場所をわきまえて行動してください。)
離れていても、電話で話すだけで、オキシトシンが増えるそうですので、遠距離恋愛の方は、ビデオ通話がお勧めです。
今回のお話は、オキシトシン吸収の仕組みを解明したというお話です。
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オキシトシンは,人が他人のこころを推し量り,交流していく際に必要なペプチドホルモンとされ,それを司る社会脳の発達に欠かせないものと考えられています。
母乳中には,多くの栄養素とともに血液から濃縮されたオキシトシンが含まれており,母乳を飲むことで乳児にオキシトシンが伝わることが知られていました。
しかし,腸管では,体にとって良くないものを取り込まない機構(腸管障壁)が生後間もなく形成されるため,オキシトシンは腸管から自由に移行しないと考えられており,腸管障壁の存在下で,オキシトシンがどのように腸管から体液に取り込まれるかは,これまで全く知られていませんでした。
本研究グループは,Receptor for Advanced Glycation Products (RAGE)という分子が小腸の絨毛上皮細胞にあり,それがオキシトシンを腸管側から体内側へ輸送し,オキシトシンを吸収することを明らかにしました。
今回の研究結果は,RAGEがオキシトシンを輸送することから,オキシトシンを薬や栄養物として口腔投与(飲み薬)できることを示しています。
また,粉ミルクにオキシトシンを添加し摂取することでも,未熟児の発育の社会性低下および自閉スペクトラム症発症を低減できる可能性も示唆しています。
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オキシトシンは、良いことだらけの恋愛ホルモンです。
が、極めて複雑で、大きな分子なので、これまでは、食べても、そのままの形では、吸収されないと思われてきました。
なので、恋や愛に見放された方にとっては、朗報です。
オキシトシンを食べて、ハッピーになってみては如何でしょうか。