エイジレスの338回 黄砂飛来の翌日に急性心筋梗塞が増える可能性
昨今は、色んなものが飛んでくる時代となりました。
北朝鮮のミサイルやら、PM2.5、花粉など、あまり歓迎したくないようなものばかりです。
今回のお話は、そんな迷惑飛翔物の一つである黄砂が、人に命に係わるかも?というお話です。
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アジア大陸の砂漠域(ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠など)にある黄砂が風で舞い上がり、季節風に乗って日本へ長距離輸送されてくることがあります。
輸送途中で大気汚染物質や微生物などが付着してくることから、黄砂曝露(ばくろ)による健康影響が懸念されており、日本において黄砂飛来後にアレルギー疾患、呼吸器疾患、循環器疾患が増加したということが報告されています。
中でも循環器疾患は発症すると生命に関わる場合が多いので、黄砂と循環器疾患の関連について詳細な検討を行い、黄砂の影響で循環器疾患が発生しやすくなるような背景要因を明らかにしていくことが課題でした。
本研究グループは、循環器疾患の中でも急性心筋梗塞に注目しました。
黄砂が比較的多く観測される九州地方の中でも、熊本県内で発症した急性心筋梗塞を網羅的に登録している「熊本急性冠症候群研究会」のデータベースを用いて、黄砂と急性心筋梗塞発症との関連を解析しました。
データベースには急性心筋梗塞患者の背景要因(年齢、性別、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、慢性腎臓病など)も登録されており、どのような背景があると黄砂の影響を受けやすいのかについても検討が可能です。
解析の結果、黄砂が観測された翌日に急性心筋梗塞を発症するオッズ比(相対危険度の近似値)は1.46(95%信頼区間1.09-1.95)であり、黄砂が観測された後に急性心筋梗塞患者が増えるという関連性が明らかになりました。
この関連性は、微小粒子状物質(PM2.5)、光化学オキシダント、二酸化窒素や二酸化硫黄といった大気汚染物質の影響を考慮しても変わりませんでした。
また、患者の背景要因で群分けを行った上で黄砂と心筋梗塞との関連性を検討したところ、75歳以上の高齢者、男性、高血圧、糖尿病、非喫煙者(※)、慢性腎臓病で、黄砂と急性心筋梗塞発症に関連性があることがわかりました。
中でも、慢性腎臓病のある方は、ない方と比べて有意に黄砂の影響を受けて急性心筋梗塞を起こしやすいという結果でした。
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もはや疑いの余地はありません。
黄砂は、百害あって一利なしです。
ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠の砂を今すぐに、処分しましょう!
ということのようです。
自然が相手なので、なかなか難しいお話ですが、せめて、黄砂やPM2.5などが飛んできたときには、マスクをしたり、外出を控えたり、何らかの予防対策は必要なようです。
我が家では、洗濯ものは、全て、室内干しです。。。
鬱陶しいです。。。