エイジレスの335回 卵巣若返り法を開発
女性の社会進出に伴う晩婚化は,子供を希望する女性年齢の上昇という結果となり,不妊カップル増加の一因となっています。
また,体外受精を含む高度生殖補助医療においても,40 歳代では成績が低下することから,閉経前にホルモンバランスの異常
(内分泌環境の破綻)だけでなく,卵巣機能そのものの低下が始まっていると考えられます。
ヒトの臨床研究では既に卵巣機能が低下したという結果を見ていることから,なぜ40 歳を超えると急激に卵巣機能が低下するのか?の原因は明らかとなっていません。
今回のお話は、卵巣機能の低下メカニズムを解明した上で、卵巣まで若返らそうという意欲的な取り組みのお話です。
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研究グループは,加齢による妊よう性低下は,異常な内分泌環境に起因する卵巣組織の繊維化であることを突き止めました。
さらに,薬剤による内分泌環境の改善処置が,卵巣組織の脱繊維化を誘導し,妊よう性も完全に回復させることを明らかにしました。
本研究において,加齢に伴う卵巣機能の低下原因の探索を行った結果,排卵回数の増加に伴ってステロイドホルモン産生細胞が蓄積し,それにより脳下垂体から恒常的に性腺刺激ホルモンが多量に分泌されること,この異常な内分泌環境が卵巣組織の繊維化を引き起こすことを解明しました。
さらに,卵巣組織の繊維化が,卵胞発育を抑制し,卵巣機能を低下させることを明確化しました。
今回の研究成果から,40 歳以上の不妊患者で多く見られる「性腺刺激ホルモンの血中濃度が高値を示し,卵巣機能が低下したローレスポンダー症例」において,卵巣組織の脱繊維化を誘導することで,妊よう性を改善させうる可能性が示唆されました。
今後、高齢女性の不妊治療への応用が期待できます。
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卵巣が繊維になるなんて、繭(まゆ)みたいなお話ですが、そのことが不妊の原因になっているということなので、子供が欲しい方は、脱繊維化するのが良さそうです。
今悩んでいる方に間に合うかは微妙ですが、臨床試験の機会があれば、試してみるのも宜しいかもしれません。